ブエノスアイレスの四季

アストル・ピアソラによる四曲のタンゴ作品群

ブエノスアイレスの四季西:Cuatro Estaciones PorteñasEstaciones Porteñas:The Four Seasons of Buenos Aires)は、アストル・ピアソラによって作曲された合計四曲のタンゴ作品群である。元来は組曲としてではなく、それぞれ独立した作品として構想・作曲されたが、ピアソラ自身は時折それらをまとめて演奏した。

編成はヴァイオリン(ヴィオラ)、ピアノ、エレキギター、コントラバス、バンドネオンの五重奏である。ブエノスアイレス出身者を指す形容詞「ポルテーニョ西: Porteñas)」を用いており、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスの四季を鮮明に描写している。ピアソラ自身が「ブエノスアイレスの四季」に与えた演奏順序は、オトーニョ(Otoño、秋)、インビエルノ(Invierno、冬)、プリマベーラ(Primavera、春)、ベラーノ(Verano、夏)であり、ヴィヴァルディの四季と異なる。

構成

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  1. Verano Porteñoブエノスアイレスの夏
    1965作曲。[1] Alberto Rodríguez Muñoz 作の演劇「黄金の髪英語: Melenita de oro」の付随音楽とする予定だった [2]
  2. Invierno Porteñoブエノスアイレスの冬
    1969年作曲。
  3. Primavera Porteña (ブエノスアイレスの春)
    1969年初演[3]、対位法が使われている。
  4. Otoño Porteño (ブエノスアイレスの秋)
    1969年初演[3]

デシャトニコフによる編曲

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1996年から1998年にかけて、ロシアの作曲家レオニード・デシャトニコフ英語版は、上記の4つの作品を新たに編曲し、ピアソラの『四季』とヴィヴァルディの『四季』を明確に関連付けた。具体的には、ピアソラの各楽章を3つの部分に分割し、ソロヴァイオリンと弦楽オーケストラのための作品としてそれぞれ編曲した。

各楽章において、デシャトニコフはヴィヴァルディ作『四季』からの引用をいくつか散りばめた。例として、デシャトニコフは南半球と北半球との季節の逆転をヴィヴァルディの引用箇所の配置に反映させている。例えば、『ブエノスアイレスの夏 (Verano Porteño)』には、ヴィヴァルディの『冬 (L'inverno)』の要素が加えられている。

出典

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  1. ^ Astor Piazzolla. (2016). Retrieved from https://web.archive.org/web/20160627061615/https://nyphil.org/~/media/pdfs/program-notes/1516/Piazzolla-arr-Desyatnikov-Four-Seasons-of-Buenos-Aires.pdf
  2. ^ Azzi, María Susanna, and Collier, Simon. Le Grand Tango: The Life and Music of Astor Piazzolla. (New York: Oxford University Press), 2000. see p. 90.
  3. ^ a b Piazzolla, Astor (2001). Astor Piazzolla : a memoir. Natalio Gorin, Fernando Gonzalez. Portland, Ore.: Amadeus Press. ISBN 1-57467-066-2. OCLC 45871121. https://www.worldcat.org/oclc/45871121