フランシスコ・モヒカ

研究者

フランシスコ・フアン・マルティネス・モヒカ(Francisco Juan Martínez Mojica、1963年10月5日 - )は、スペイン微生物学者。主な業績はCRISPRの実質的な機能の発見。

フランシスコ・モヒカ(2019年)

来歴

編集

バレンシア州アリカンテ県エルチェ出身。1986年にバレンシア大学卒業、1993年にアリカンテ大学から生化学Ph.D.を取得した。ユタ大学オックスフォード大学博士研究員を務めた後、1997年からアリカンテ大学教授に就任した。

研究

編集

大学院生時代の1989年に古細菌アーキアの一種であるハロフェラックス・メディテラネイ(Haloferax mediterranei)の遺伝子構造を研究し、約30塩基からなる反復クラスターを発見、さらに他の微生物の遺伝子についても調べた結果、結核菌ペスト菌など約20種類の細菌からも同様の反復クラスターが存在することを確認した。アーキアと細菌は約20億年に分岐していることから、微生物にとって極めて重要な役割を持つと推測した。

さらなる研究の結果、この反復クラスターには以前に感染したバクテリオファージの痕跡が含まれ、それが微生物の獲得免疫として機能していること突き止めた。 さらに2001年に「CRISPR(clustered regularly interspaced short palindromic repeat)」と命名し、これが後にゲノム編集ツールであるCRISPR-Cas9に発展した。2017年オールバニ・メディカルセンター賞受賞。

参考文献

編集
  • デイヴィッド・クォメン 「生命の<系統樹>はからみあう」的場知之 訳 作品社 2020
  • ケヴィン・デイヴィス 「ゲノム編集の世紀 「クリスパー革命」は人類をどこまで変えるのか」田中文 訳 早川書房 2022