フランク・ワイルドホーン
フランク・ワイルドホーン (Frank Wildhorn 、1959年11月29日 - ) は、アメリカ合衆国の作曲家。特にミュージカルやポピュラー音楽で知られる。代表作は『ジキル&ハイド』で、ブロードウェイで4年間上演された。また彼が作曲したホイットニー・ヒューストンの『Where Do Broken Hearts Go 』は世界中で第1位を獲得した。
生い立ち
編集1959年11月29日、ニューヨーク州ニューヨーク市マンハッタン区ハーレムで生まれ、子供時代をクイーンズ区で過ごし、14歳の時にフロリダ州ハリウッドに転居した。その後、独学でピアノを学び、作曲家を志した。高校時代、ロックンロール、リズム・アンド・ブルース、ジャズなど多岐に亘る様々なバンドで演奏および作曲を行なった。Miami Dade College に進学し、2年後南カリフォルニア大学に転籍し、歴史や哲学を学んだ。大学在学中、大学に勤務していたスティーヴ・カデンと共に『ジキル&ハイド』の作曲を開始した[1]。
経歴
編集1999年、プリマス劇場で『ジキル&ハイド』、ミンスコフ劇場で『スカーレット・ピンパーネル』、セント・ジェイムズ劇場で『The Civil War 』が上演され、ブロードウェイで自身の作品が3本同時に上演された最初のアメリカ人作曲家となった。
2008年10月、彼の作曲およびジャック・マーフィ作詞によるミュージカル『Carmen 』(カルメン)がプラハで開幕した[2]。2008年11月、彼の作曲、ジャック・マーフィ脚本および作詞によるミュージカル『The Count of Monte Cristo 』(モンテ・クリスト伯)の読み合わせワークショップが行なわれ、2009年3月、スイスのTheatre of St. Gallen で開幕した[3][4]。2009年2月、彼の作曲、ドン・ブラック作詞によるミュージカル『Bonnie and Clyde 』(ボニーとクライド)の読み合わせが行なわれ[5]、2009年11月、カリフォルニア州のラホヤ・プレイハウスで開幕した。同月、フロリダ州タンパにあるStraz Center for the Performing Arts で新作ミュージカル『Wonderland: Alice's New Musical Adventure 』(不思議の国のアリス、鏡の国のアリスを基にしている)が開幕し、2010年1月、別のプロダクションによりテキサス州ヒューストンにあるAlley Theatre で上演された[6]。
ポピュラー音楽ではステイシー・ラティソウ、ナタリー・コール、ケニー・ロジャース、トリシャ・イヤウッド、トレイシー・ロウレンス、トレイス・アドキンス、パティ・ラベル、デニス・デヤング、結婚相手のリンダ・エダーに楽曲提供した。1980年代終盤、彼が作曲したホイットニー・ヒューストンの『Where Do Broken Hearts Go 』は世界中で第1位を獲得した。
彼は現在、アメリカの新作ミュージカルを展開するアトランティック・レコードのAtlantic Theatre 部門のCreative Director である[1]。2005年、長年の共同製作者であるジェレミー・ロバーツと共同でGlobalVision Records を設立した。GlobalVision は新たなコンセプトの『ドラキュラ』、新たなスタジオ録音の『Jekyll & Hyde: Resurrection 』を発表した。なお『ドラキュラ』は2001年にサンディエゴで初演を迎え、2004年よりブロードウェイで上演され、2011年と2013年に和央ようか主演で上演された。
彼はブロードウェイの音楽家として初めて宝塚歌劇団と共に製作を行ない、和央が主演する宙組の、和央の退団公演である『NEVER SAY GOODBYE』を手掛けた。2017年には、雪組トップスター望海風斗の大劇場お披露目公演『ひかりふる路(みち) 〜革命家、マクシミリアン・ロベスピエール〜』で、再び全作曲を手掛けた。
私生活
編集1998年5月3日、リンダ・エダーと結婚した。息子が1人いるが、それ以前の結婚で他に1人息子がいる[7][8]。2004年、離婚。
その後、『Passions 』に出演していたことで知られるブランディ・バークハートと婚約したが、2008年終盤に別離。
2014年、元宝塚歌劇団・宙組トップスターで女優の和央ようかとの婚約を発表[9]。2015年7月25日にハワイ州マウイ島で挙式[10]。
舞台作品
編集- ジキル&ハイド (1990年)(日本初演:2001年)
- Svengali (1991年)
- Victor/Victoria (1995年)うち2曲
- スカーレット・ピンパーネル (1997年)(日本初演:2008年、宝塚歌劇団星組上演)
- The Civil War (1998年)
- Camille Claudel (2003年)
- ドラキュラ (2004年)(日本初演:2011年)
- Waiting for the Moon (2005年)
- シラノ(Cyrano de Bergerac The Musical) (2006年)
- ルドルフ 〜ザ・ラスト・キス〜 (2006年)(日本初演:2008年)
- NEVER SAY GOODBYE (2006年)- 宝塚歌劇団宙組上演(主演はフランクの後の妻となる、宙組トップスター和央ようか)
- カルメン (2008年)(日本初演:2014年)
- モンテ・クリスト伯 (2009年)(日本初演:2013年)
- ボニー&クライド (2009年)(日本初演:2012年)
- アリス・イン・ワンダーランド (2009年)(日本初演:2012年)
- Tears of Heaven (2011)[11]
- MITSUKO〜愛は国境を越えて〜 (2011年) - ジャック・マーフィ、小池修一郎との共同制作。2005年、ウィーン、2011年、東京、大阪で上演[11]。
- Zelda – An American Love Story (2012年)[12]
- Excalibur (2014年)
- Havana 上演中止
- DEATH NOTE(2015年)(日本初演:2015年)
- ひかりふる路(みち) 〜革命家、マクシミリアン・ロベスピエール〜 - 宝塚歌劇団雪組上演(2017)
- 四月は君の嘘 (2020年は公演中止[13]、2022年公演予定[14])
受賞歴
編集- 1998 トニー賞 ミュージカル作品賞 (スカーレット・ピンパーネル) - ノミネート
- 1998 ドラマ・デスク・アワード 楽曲賞 (スカーレット・ピンパーネル) - ノミネート
- 1999 トニー賞 ミュージカル作品賞 (The Civil War ) - ノミネート
- 1999 トニー賞 オリジナル楽曲賞 (The Civil War ) - ノミネート
- 1999 ドラマ・デスク・アワード ミュージカル作品賞 (The Civil War ) - ノミネート
- 1999 ドラマ・デスク・アワード 楽曲賞 (The Civil War ) - ノミネート
- 2012 トニー賞 オリジナル楽曲賞 (Bonnie & Clyde ) - ノミネート
脚注
編集- ^ a b Wildhorn biography, accessed February 4, 2009
- ^ "Carmen" information frankwildhorn.com
- ^ Gans, Andrew and Jones, Kenneth."Tale of Two Cities' Barbour and Burkhardt Cast in Monte Cristo Workshop", playbill.com, November 6, 2008
- ^ Gans, Andrew.Borchert to Star in World Premiere of Wildhorn's Count of Monte Cristo" playbill.com, February 18, 2009
- ^ Jones, Kenneth.Stark Sands and Laura Osnes are Bonnie and Clyde in NYC Reading of Wildhorn Musical" Archived 2009年2月7日, at the Wayback Machine., playbill.com, February 4, 2009
- ^ Hetrick, Adam and Jones, Kenneth."Wildhorn and Murphy's Wonderland Makes Houston Bow Jan. 15" playbill.com, January 10, 2010
- ^ Weddings: Linda Eder, Frank Wildhorn, The New York Times, May 3, 1998
- ^ Jones, Kenneth. "Frank Wildhorn and Linda Eder, Couple Who Made Music on Stage and in Studio, Split Up", playbill.com, July 28, 2004
- ^ 元宝塚男役トップ・和央ようか、国際結婚!お相手は02年冬季五輪開会式作曲の米国人 Archived 2014年3月31日, at the Wayback Machine.(スポーツ報知、2014年3月31日)
- ^ “和央ようか、ハワイ挙式で熱烈キス5回!”. スポーツ報知 (2015年7月27日). 2015年7月27日閲覧。
- ^ a b "Frank Wildhorn Biography" frankwildhorn.com, accessed March 27, 2012
- ^ Zelda Archived 2012年3月6日, at the Wayback Machine. flatrockplayhouse.org
- ^ “「四月は君の嘘」ミュージカル化、主演は小関裕太・木村達成&生田絵梨花”. 2022年2月22日閲覧。
- ^ “ミュージカル『四月は君の嘘』”. 2022年2月22日閲覧。