フッ化イリジウム(IV)
フッ化イリジウム(IV)(Iridium tetrafluoride)は、イリジウムとフッ素からなる化学式IrF4の化合物である。暗茶色の固体である[1]。1965年以前の初期の報告は疑わしく、フッ化イリジウム(V)についての記載ではないかと考えられている[1]。フッ化イリジウム(V)をイリジウム黒で還元するか[1]、フッ化水素水溶液中で水素で還元することで固体が得られる[2]。結晶構造は、金属四フッ化物で最初に三次元格子構造が発見された例として注目される(後に、フッ化ロジウム(IV)、フッ化鉛(IV)、フッ化白金(IV)等も同じ構造を持つことが明らかとなった)[3]。構造は6配位の八面体型で、八面体の2つの陵は共有され、2つの非共有フッ素原子はお互いにcis型となっている[3]。
フッ化イリジウム(IV) | |
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別称 Iridium tetrafluoride | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 37501-24-9 |
PubChem | 15771758 |
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特性 | |
化学式 | IrF4 |
モル質量 | 268.2109 g/mol |
外観 | 暗茶色固体 |
関連する物質 | |
その他の陰イオン | 二酸化イリジウム |
その他の陽イオン | フッ化ナトリウム, フッ化カリウム, フッ化セシウム, フッ化カルシウム |
関連物質 | フッ化イリジウム(V) フッ化イリジウム(VI) フッ化ロジウム(IV) |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
出典
編集- ^ a b c グリーンウッド, ノーマン; アーンショウ, アラン (1997). Chemistry of the Elements (英語) (2nd ed.). バターワース=ハイネマン. ISBN 978-0-08-037941-8。
- ^ Paine, Robert T.; Asprey, Larned B. (1975). “Reductive syntheses of transition metal fluoride compounds. Synthesis of rhenium, osmium, and iridium pentafluorides and tetrafluorides”. Inorg. Chem. 14 (5): 1111–1113. doi:10.1021/ic50147a030.
- ^ a b Wells A.F. (1984) Structural Inorganic Chemistry 5th edition Oxford Science Publications ISBN 0-19-855370-6