フェノール・亜鉛華リニメント
フェノール・亜鉛華リニメント(英:Phenol and Zinc Oxide Liniment)とは、液状フェノール(C6H6O)および酸化亜鉛(ZnO)を有効成分とする日本薬局方収載の外用の医薬品であり、水痘による掻痒などに対して用いる。別名カチリともいう[1]。
小史
編集フェノール・亜鉛華リニメントは、土肥慶蔵の創案による処方といわれ、日本において古くから用いられているが、日本以外の国の公定書には収載されていない[2]。
別名のカチリは、ドイツ語表記:Karbol Zink Linimente(カルボール(Karbol)は、フェノール(Phenol、石炭酸という意味のCarbolic acidも同意語)の独別名を略したもの。
薬理作用
編集フェノール(2%)の防腐、消毒、鎮痒作用と酸化亜鉛の収れん作用のほか、皮膚面に塗擦すると水分が蒸発してトラガントの薄膜が残り、皮膚を保護する作用を有する[3]。
組成
編集本剤は、以下の組成からなるリニメント剤(全量1000gの場合)[4]。
- 液状フェノール:22mL
- トラガント末:20g
- カルメロースナトリウム:30g
- グリセリン:30mL
- 酸化亜鉛:100g
- 精製水:適量
効能
編集用法
編集1日1~数回、適量を患部に塗布する。
禁忌
編集出典
編集参考文献
編集- 高久史麿、鴨下重彦監修『治療薬マニュアル2000』医学書院、2000年、p1286、ISBN 4-260-10532-9