フェアバンクス・モースH-24-66形ディーゼル機関車
フェアバンクス・モース H-24-66は、フェアバンクス・モース(FM)とカナディアン・ロコモティブ・カンパニー(CLC)が1953年4月から1957年6月の間に127両を製造した電気式ディーゼル機関車である。トレイン・マスターの愛称で知られる。
FM H-24-66 トレインマスター | |
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カナディアン・ロコモティブ・カンパニー製のトレイン・マスター。カナダ太平洋鉄道塗装。 | |
基本情報 | |
製造所 |
フェアバンクス・モース カナディアン・ロコモティブ・カンパニー |
製造年 | 1953年 - 1957年 |
製造数 | 127両 |
主要諸元 | |
軸配置 | C-C |
軌間 | 1,435 mm |
長さ | 20.12 m |
機関車重量 | 170.1 t |
動力伝達方式 | 電気式 |
機関 | フェアバンクス・モース38D-12型 1基 |
発電機 | 直流発電機 |
主電動機 | 直流主電動機 |
最高速度 | 105 - 129 km/h |
出力 | 2400馬力(1,790 kW) |
引張力 | 112,000重量ポンド(498.2 kN) |
詳細
編集本形式は、車軸配置C-C、6動軸のディーゼル機関車である。搭載するエンジンは38D-12型12気筒2ストローク対向ピストン式ディーゼルエンジン(出力2400馬力、回転数850rpm、排気量210.23L、直径206×行程254mm)であった。
販売不振にあったキャブ・ユニットのコンソリデーテッド・ラインの後継車種として開発された。車体形状はフード・ユニットとされた。
1953年のリリース当時、本形式はエンジン1基搭載の機関車として最も出力が大きく、牽引力、加速ともに他をしのぎ、フェアバンクス・モースは「史上もっとも使いやすい機関車」の触れ込みで売り込みを図った。いくつかの鉄道がその出力を優位に見て取ったが、対向ピストンエンジンの保守の困難さや電気機器の信頼性の低さ、冷却水の消費などにおいて不都合と考えた鉄道もあった。それゆえに市場では不振であった。
1954年にはアメリカン・ロコモティブのRSD-7、1958年にはGM-EMDのSD24がそれぞれ2400馬力の機関車として発売され、各鉄道会社にとっても出力でも優位でないH-24-66を導入する利点はなくなった。フェアバンクス・モース自身も1958年のH-24-66の最終製造をもってアメリカにおける機関車市場から撤退した。1963年には輸出用機関車製造事業からも撤退し、のちに子会社化したCLCも1969年には撤退した。
バリエーション
編集車体には3つのバージョンがある。
フェーズ1a
編集吸気口のルーバーが、ロング・フードの上端に沿って配置されている。ラジエターのファンが離れている。
フェーズ1b
編集ロング・フード横のの手すりが、ランボードにそった形状をしている。少数である。
フェーズ2
編集吸気口のルーバーの数が減り、ルーバーの間隔が拡大した。ラジエターはメタルの帯板で仕切られていた。
保存車
編集カナダ太平洋鉄道(CPR)の8905号機として運用された1両のみが保存されている。現在はケベック州セント・コンスタントにあるカナダ鉄道博物館を運営するカナダ鉄道協会の保有となっている。
新製時の所有者
編集フェアバンクス・モース製
編集鉄道 | 両数 | 社番 | 備考 |
---|---|---|---|
フェアバンクス・モース (デモ車) | 4 | TM-1 – TM-4 | TM-1・TM-2はウォバッシュ鉄道 550–551に; TM-3・TM-4はサザン・パシフィック鉄道 4800–4801/3020–3021に |
カナディアン・ナショナル鉄道 | 1 | 3000 | |
カナダ太平洋鉄道 | 1 | 8900 | |
ニュー・ジャージー・セントラル鉄道 | 13 | 2401–2413 | |
デラウェア・ラッカワナ・アンド・ウェスタン鉄道 | 12 | 850–861 | のちエリー・ラッカワナ鉄道 1850–1861 |
ペンシルバニア鉄道 | 9 | 8699–8707 | のちペン・セントラル鉄道 6700–6708 |
レディング鉄道 | 17 | 800–808, 860–867 | |
サザン・パシフィック鉄道 | 14 | 4802–4815, 4800-4815 | 1965年、3022–3035に改番 |
サザン鉄道 (シンシナティ・ニュー・オーリーンズ・アンド・テキサス・パシフィック鉄道) | 5 | 6300–6304 | |
バージニアン鉄道 | 25 | 50–74 | のちノーフォーク・アンド・ウェスタン鉄道 150–174 |
ウォバッシュ鉄道 | 6 | 552–554, 552A–554A | 552–557に改番 |
合計 | 107 |
CLC製
編集鉄道 | 両数 | 社番 | 備考 |
---|---|---|---|
カナダ太平洋鉄道 | 20 | 8901–8920 |
脚注
編集
参考文献
編集- “Diesel Basics”. Diesel-Loco. January 1, 2006閲覧。
- “Fairbanks-Morse 38D8 Diesel Engine”. PSRM Diesel Locomotives. 2006年5月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2006年1月1日閲覧。
- “Fairbanks-Morse Train Master Locomotive: HO Scale”. 鉄道 Model Craftsman — January 2005. December 31, 2005閲覧。
- Hollingsworth, Brian and Arthur F. Cook (1987). The Great Book of Trains. Portland House, New York, NY. ISBN 0-517-64515-7
- Pinkepank, Jerry A. (1973). The Second Diesel Spotter’s Guide. Milwaukee, WI: Kalmbach Publishing Company. ISBN 0-89024-026-4
- Kirkland, John F. (November 1985). The Diesel Builders Volume 1: Fairbanks-Morse and Lima-Hamilton. Interurban Press. ISBN 0916374696
- Sweetland, David R. (1997). Train Master: The Most Useful Locomotive Ever Built. Withers Publishing, Halifax, PA. ISBN 1-881411-13-3