フィリピン・バスケットボール・アソシエーション

フィリピン・バスケットボール・アソシエーション英語: Philippines Basketball Association、略称:PBA)は、フィリピンのプロバスケットボールリーグである。

フィリピン・バスケットボール・アソシエーション
Philippine Basketball Association
競技バスケットボール
創立1975年4月9日 (49年前) (1975-04-09)
モットーWe are PBA
開始年1975年
参加チーム12
フィリピンの旗 フィリピン
本部所在地ケソン市
大陸FIBAアジアアジア
前回優勝TNTトロパン・ギガ(8回目)
最多優勝サンミゲル・ビアメン(27回)
テレビ局
公式サイトwww.pba.ph

概要

編集

1938年よりフィリピンバスケットボール協会(BAP)傘下で行われていた実業団リーグのマニラ商工体育協会(MICAA)から脱退した9チームにより1975年4月9日に発足。アジア最古のバスケットボールリーグであり、世界的にもNBAに次ぐ歴史がある[1]

フィリピンは長らくアメリカの植民地だった事からバスケットボールが他のアジア諸国に比べ盛んであり、PBAもまた国民的スポーツとして人気が極めて高い。

ルールはFIBAルールとNBAルールを併用している。

1985年からはドラフトも行われている。

なお、フィリピンでは他にナショナル・ビッチ・カンファレンス(NBC)なる別のプロ組織もある。これは1998年に発足されたメトロポリタン・バスケットボール・アソシエーション(MBA)が一度中断し、2004年に再結成されたものである。

また、PBA所属選手はフィリピン代表としてはアジア大会に参加しているが、アジア選手権には参加していない。

NBAとの相違点

編集

1つのシーズンが、フィリピン人選手だけが参加するフィリピン・カップ(bobsの大きさ)(Philippines Cup)と、外国人選手の参加が認められるフィエスタ・カンファレンス(Fiesta Conference)の2つで構成されている。それぞれの優勝チームが対戦して年間王者を決定することはないため、独立した大会と見做される。

以前は1シーズンは3つに分かれており、3シーズンすべてに優勝したチームはグランド・スラムと呼ばれた。過去、グランド・スラムを達成したのは1976、83年のクリスパ、89年のサンミゲル、96年のアラスカの4チームある。

フランチャイズ制(本拠地制、ホーム&アウェイ方式)を採用していない。 全10チームすべてが首都マニラに本拠を置き、同じアリーナでプレイする。

2024年8月18日から始まったシーズン49で、リングから約6.75mの3点シュートラインをそのまま残し、 リングから約8.2m(27フィート)の距離に新たに4点シュートラインが設けられ、PBA独自のルールとして運用が始まった。 MERALCO BOLTS対MAGNOLIA HOTSHOTS戦の2Q残り10:28にBOLTS#6クリス・バンケロ選手(NBA選手パオロ・バンケロのいとこ)が初シュートを決めた。

チーム名は企業名+ニックネームであるのは日本のプロ野球と同様だが、特徴的なのは毎年のように名前が変わることである。 例えばヒネブラ(Ginebra)は、1979年にリーグに加盟したときはギルビー・ジン(Gilbey's Gin)だったが、その後St. George Whiskey、Anejo Rum 65、Ginnebra San Miguel、Gordon'sなどのチーム名で参戦している。これらはすべて酒造会社であるヒネブラの商品名である。日本のプロ野球でたとえると、千葉ロッテマリーンズがある年はロッテ・クールミンツ、次の年はガーナ・チョコレーツと呼ばれているようなものである。

チームの変遷

編集
  • 1975年4月9日に、キャリアー・ウェザーメイカーズ、クリスパ・レドマナイザーズ、ノリタケ・ポルセリンメイカーズ、プレスト・ジューサーズ、ロイヤル・トゥル・オレンジ、セヴンアップ・アンコーラズ、タンドゥアイ・ディスティラーズ、トヨタ・コメッツ、ユーテックス・ウィーヴァーズによって結成。
  • 1977年 - キャリアーが脱退。
  • 1978年 - セヴンアップが脱退。フィルマンバンク・バンカーズが加入。
  • 1979年 - ギルビー・ジンズが加入。
  • 1980年 - フィルマンバンクが脱退。テフィリン・ポリエスターズとガレオン・シッパーズが加入。
  • 1982年 - テフィリンとガレオンが脱退。
  • 1983年 - ユーテックスが脱退。マンハッタン・シャートメイカーズが加入。
  • 1984年 - トヨタとガレリー・ドミニクが脱退。ビアハウゼン・ブルーマスターズが加入。
  • 1985年 - クリスパとマンハッタンが脱退。シェル・ターボチャージャーズが加入。
  • 1986年 - アラスカミルク・キングス(現・アラスカ・エイセズ)が加入。
  • 1987年 - マニラビアが脱退。ピュアフーズ・ホットドッグスが加入。
  • 1988年 - タンドゥアイが脱退。
  • 1990年 - ポップコーラ・パンサーズ(現・コカコーラ・タイガース)とサーシ・シズラーズ(現・トーキンテクスト・フォンパルズ)が加入。
  • 1994年 - プレストが脱退。サンタルシア・リアルターズが加入。
  • 1999年 - タンドゥアイが再加入。
  • 2001年、タンドゥアイが脱退。レッドブル・エナジーキングス(現・レッドブル・バラコ)が加入。
  • 2002年 - フェデックス・エクスプレス(現・エア21)が加入。
  • 2006年 - シェルが脱退。ウェルコート・ドラゴンズが加入。

所属チーム

編集
PBAの所属チーム
球団名 親会社 チーム創設年 PBA加盟年 優勝回数
アラスカ・エイセズ
Alaska Aces
アラスカ・ミルク・コーポレーション 1986 14
バランガイ・ヒネブラ・サンミゲル
Barangay Ginebra San Miguel
ヒネブラ・サンミゲル 1979 13
ブラックウォーター・ボッシング
Blackwater Bossing
エバー・ビレナ 2006 2014 0
マグノリア・ホットショッツ
Magnolia Hotshots
サンミゲル・フード・アンド・ビバレッジ 1986 1988 14
メラルコ・ボルツ
Meralco Bolts
メラルコ 1968 2010 0
NLEXロードウォリアーズ
NLEX Road Warriors
NLEXコーポレーション 2011 2014 0
ノーズポート・バタンピア
NorthPort Batang Pier
スルタン900キャピタル 2004 2012 0
フェニックススーパーLPG・フューエルマスターズ
Phoenix Super LPG Fuel Masters
フェニックス石油 2016 0
レインオアシャイン・エラストペインターズ
Rain or Shine Elasto Painters
アジアン・コーティング・フィリピン 1996 2006 2
サンミゲル・ビアメン
San Miguel Beermen
サンミゲル・ブルワリー 1938 1975 27
テラフィルマ・ジップ
Terrafirma Dyip
テラフィルマ不動産開発コーポレーション 2014 0
TNTトロパン・ギガ
TNT Tropang Giga
スマート・コミュニケーションズ 1990 8

開催地

編集
 
 
スマート・アラネタ・コロシアム
 
SMモール・オブ・アジア・アリーナ
 
クネタ・アストロドーム
マニラ首都圏の会場マップ

PBAはフランチャイズ制を採用していないため、リーグが会場を借りて試合を行っている。通常、週3回マニラ首都圏のアリーナでダブルヘッダーを行い、土曜日には「out-of-town game」としてマニラ首都圏以外の地域で試合を行う。

多くの試合はケソン市スマート・アラネタ・コロシアムパサイSMモール・オブ・アジア・アリーナで行われる。両アリーナが使用できない場合、パサイのクネタ・アストロドーム英語版パシグフィルスポーツ・アリーナ英語版を会場とする。地方での試合は国内の特定の会場で開催される。プレーオフは通常、スマート・アラネタ・コロシアムで開催されていたが、リーグを国内全土に普及させるため、近年は地方でも行われている。

また、フィリピン国外でも何度か試合が行われており、その多くはフィリピン人コミュニティの多いドバイの開催である。

主要会場
会場 スマート・アラネタ・コロシアム
Smart Araneta Coliseum
SMモール・オブ・アジア・アリーナ
SM Mall of Asia Arena
所在地 ケソン市 パサイ
収容人数 25,000 20,000
写真    
代替会場
会場 クネタ・アストロドーム
Cuneta Astrodome
イナレス・センター
Ynares Center'
アロンテ・スポーツ・アリーナ
Alonte Sports Arena
フィリピン・アリーナ
Philippine Arena
所在地 パサイ リサール州アンティポロ ラグナ州ビニャン ブラカン州ボカウエ
収容人数 12,000 7,400 6,500 55,000
写真        

歴代王者

編集

2003年以降

編集
カンファレンス 優勝 勝敗 準優勝 3位 優勝コーチ
2003 全フィリピン Talk 'N Text 4-2 Coca-Cola Alaska Joel Banal
Invitational*[2] Alaska 3-1 Coca-Cola FedEx Tim Cone
Reinforced Coca-Cola 4-3 San Miguel Talk 'N Text Chot Reyes
(2004)** フィエスタ Barangay Ginebra 3-1 Red Bull Talk 'N Text Siot Tanquincen
2004-05 フィリピン Barangay Ginebra 4-2 Talk 'N Text San Miguel Siot Tanquincen
フィエスタ San Miguel 4-1 Talk 'N Text Shell Jong Uichico
2005-06 フィエスタ Red Bull 4-2 Purefoods Air21 Yeng Guiao
フィリピン Purefoods 4-2 Red Bull Alaska Ryan Gregorio
2006-07 フィリピン Barangay Ginebra 4-2 San Miguel Talk 'N Text Jong Uichico
フィエスタ Alaska 4-3 Talk 'N Text Red Bull Tim Cone
2007-08 フィリピン Sta. Lucia 4-3 Purefoods Red Bull Boyet Fernandez
フィエスタ Barangay Ginebra 4-3 Air21 Red Bull Jong Uichico
2008-09 フィリピン Talk 'N Text 4-3 Alaska Sta. Lucia Chot Reyes
フィエスタ
2009-10 フィリピン 4-
フィエスタ
2010-11 フィリピン 4-
フィエスタ
2011-12 フィリピン 4-
フィエスタ
2012-13 フィリピン 4-
フィエスタ
2013-14 フィリピン 4-
フィエスタ To be held.
2014-15 フィリピン 4-
フィエスタ
2015-16 フィリピン -
フィエスタ
2016-17 フィリピン -
フィエスタ
2017-18 フィリピン -
フィエスタ

**The 2004 PBA Fiesta Conference was a transitional conference and was not a part of the 2003 or of the 2004-05 season.

脚注

編集
  1. ^ Libre: Hooliganism - SUNSTARJuly 6, 2018
  2. ^ ALASKA—TALK N TEXT BATTLE ROYALE BEGINS

関連項目

編集

外部リンク

編集