フィリップ・カーPhilip Kerr, 1956年2月22日 - 2018年3月23日[1])は、英国スコットランド推理作家2004年からは、P・B・カーという筆名で『ランプの精英語版』というシリーズのファンタジーも発表している。

フィリップ・カー
フィリップ・カー
誕生 (1956-02-22) 1956年2月22日
スコットランドの旗 スコットランド
死没 (2018-03-23) 2018年3月23日(62歳没)
職業 小説家
国籍 イギリス
活動期間 1989年 - 現在
主題 推理小説テクノスリラー
公式サイト 公式サイト
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経歴

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エディンバラに生まれ、ノーサンプトングラマー・スクールを経てバーミンガム大学法学を専攻し、1980年にドイツ法を修めて法学修士に就く。ロンドンの広告代理店「Search & Search」にてコピーライターの仕事に就いた後、フルタイム・ライターとして「サンディ・タイムズ英語版」や「イヴニング・スタンダード英語版」誌への寄稿生活を経て、1989年に処女作『偽りの街』の成功を機として専業作家としてデビューする。

ナチス政権下から終戦に至る戦前から戦後にかけての混乱期を背景とした、私立探偵(元刑事)ベルンハルト・グンターを主人公とする「ベルリン・ノワール」とよばれる三部作を上梓。のちに出版社(ペンギン・ブックス)からシリーズの継続依頼を受けるが、これを拒否して2002年に至るまで10年余り、版元を換えてほぼ年1冊のペースでテーマの異なるサスペンス・ミステリー作品を出版した。

2004年、元々は自らの子どものために書いたという童話を P・B・カーの名義で出版し、それ以降は「ランプの精 Children of the Lamp」シリーズとして定着する。2006年には15年の空白期間をおいて「ベルリン三部作」の続編『変わらざるもの The One from The Other』を書き上げ、ベルンハルト・グンターのシリーズも、童話と並行して年1作のペースで続いていた。

2018年3月23日死去[1]。62歳没。

作品リスト

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フィリップ・カー名義

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(* は、私立探偵ベルンハルト・グンター主人公のもの)

発表年 原題 日本語訳
1989 March Violets * 偽りの街(ベルリン三部作第1部)
1990 The Pale Criminal * 砕かれた夜(ベルリン三部作第2部)
1991 A German Requiem * ベルリン・レクイエム(ベルリン三部作第3部)
1992 A Philosophical Investigation 殺人探求
1993 Dead Meat 屍肉
1995 Gridiron 殺人摩天楼
1996 Esau エサウ - 封印された神ん子
1997 A Five Year Plan 密送航路
1998 The Second Angel セカンド・エンジェル - 血の黙示録
1999 The Shot (日本語版未訳)
2002 Dark Matter : The Private Life of Sir Isaac Newton (日本語版未訳)
2006 The One from The Other * 変わらざるもの
2008 A Quiet Flame * 静かなる炎
2009 If the Dead Rise Not * 死者は語らずとも
2010 Field Grey * (日本語版未訳)
2011 Prague Fatale * (日本語版未訳)

P・B・カー名義

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発表年 原題 日本語訳
2004 The Akhenaten Adventure ランプの精 1 - イクナートンの冒険
2005 The Blue Djinn of Babylon ランプの精 2 - バビロンのブルー・ジン
2006 The Cobra King of Kathmandu ランプの精 3 - カトマンズのコブラキング
2007 The Day of the Djinn Warriors ランプの精シリーズ続編(日本語版未訳)
2008 One Small Step (日本語版未訳)
2009 The Eye of the Forest ランプの精シリーズ(日本語版未訳)
2010 The Five Fakirs of Faizabad ランプの精シリーズ(日本語版未訳)
2011 The Grave Robbers of Genghis Khan ランプの精シリーズ(日本語版未訳)

脚注

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  1. ^ a b 英作家のフィリップ・カー氏死去”. 時事通信 (2018年3月25日). 2018年3月25日閲覧。

外部リンク

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