ファラリスPhalaris1913年 - 1931年)とは、イギリス競走馬種牡馬である。子孫にネアルコネイティヴダンサーが出ており、現代サラブレッドの約8割がこの馬に辿り着くと言われ、主流父系の始祖となった。馬名の由来は「ファラリスの雄牛」の逸話などで知られる古代シチリアの暴君ファラリスから。

ファラリス
ファラリス
欧字表記 Phalaris
品種 サラブレッド
性別
毛色 黒鹿毛
生誕 1913年5月16日
死没 1931年2月28日
ポリメラス
ブロモス
生国 イギリスの旗 イギリス
生産者 第17代ダービー伯爵
馬主 第17代ダービー伯爵
調教師 ジョージ・ラムトン
競走成績
生涯成績 24戦16勝
獲得賞金 26,294ドル
アメリカドル換算)
テンプレートを表示

戦績

編集

競走成績はセントジョージハンデキャップ、ジューンステークス、チャレンジステークスなど24戦16勝、獲得賞金26294ドル相当。おもに短距離を走っていたためクラシックなど大レースには縁がなかった。

引退後

編集

ファラリスは短距離で一定の戦績を残したものの、ステイヤーを好むダービー伯爵にとっては重要な馬ではなく、売却されそうになったこともある。しかし買い手がつかず、初年度の1919年は仕方なくチェヴァリーパークスタッドで供用したところ予想外の成功を収め、1921年からはサイドヒルスタッドで繋養された。ダービーステークスを8馬身差で圧勝したマンナセントレジャーステークスを快勝したフェアウェイらを輩出し1925年1928年イギリスリーディングサイアーを獲得している。1931年に種付け中の心臓麻痺で死亡した。

直系子孫はフェアウェイとその兄ファロスシックルファラモンド兄弟が種牡馬として成功したことで、現在のサラブレッドの8割以上を占めるまでに繁栄した。詳細はファラリス系を参照されたい。

代表産駒

編集

上記の内、ファロス・フェアウェイ・フェアアイルはスカパフローを母とする兄弟、シックルとファラモンドはシリーンを母とする兄弟である。スカパフローとシリーンはどちらも父がチョーサーであった。父がファラリス、母父がチョーサーとなる配合は有名なニックスであり、第17代ダービー伯爵が多用した。

血統表

編集
ファラリス血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 ベンドア系
[§ 2]

Polymelus
鹿毛 1902
父の父
Cyllene
栗毛 1895
Bona Vista Bend Or
Vista
Arcadia Isonomy
Distant Shore
父の母
Maid Marian
黒鹿毛 1886
Hampton Lord Clifden
Lady Langden
Quiver Toxophilite
Young Melbourne Mare

Bromus
鹿毛 1905
Sainfoin
栗毛 1887
Springfield St.Albans
Viridis
Sanda Wenlock
Sandal
母の母
Cheery
黒鹿毛 1892
St.Simon Galopin
St.Angela
Sunrise Springfield
Sunray
母系(F-No.) (FN:1-i) [§ 3]
5代内の近親交配 Lord Clifden 4×5=9.38%、Stockwell 5×5=6.25%、Springfield 3×4=18.75%(母内) [§ 4]
出典
  1. ^ [1] [2][c 1]
  2. ^ [c 2]
  3. ^ [1]
  4. ^ [2]


脚注

編集

参考文献

編集
  • 斉藤重治『サラブレッド種牡馬系統表 2000年版』蒼馬社、2000年。ISBN 4-88388-080-X 
  • 栗山求『血統史たらればなし』エンターブレイン、2016年。ISBN 978-4-04-734112-8 
  1. ^ 栗山 p.157
  2. ^ 斉藤 p.17

出典

編集
  1. ^ a b Anne Peter. “Phalaris”. Thoroughbred Heritage. 2019年9月19日閲覧。
  2. ^ a b Phalaris (GB)”. equineline.com. 2019年9月19日閲覧。

注釈

編集

外部リンク

編集