ファット・ジョー
ファット・ジョー(Fat Joe、本名:ジョセ・アントニオ・カルタヘナ(Joseph Antonio Cartagena)、1970年8月19日 - )は、アメリカ合衆国のヒップホップMC、音楽プロデューサーである。
Fat Joe | |
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2011年のライヴ | |
基本情報 | |
出生名 |
Joseph Antonio Cartagena ジョセ・アントニオ・カルタヘナ |
生誕 |
1970年8月19日(54歳) アメリカ合衆国・ニューヨーク州ニューヨーク・シティ |
ジャンル | |
職業 |
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活動期間 | 1992年 - 現在 |
レーベル | Terror Squad Entertainment |
共同作業者 |
ニューヨーク州ニューヨーク市ブロンクス区出身、プエルトリコ系とキューバ系のハーフで、ラティーノ・コミュニティーを代表するラッパーである[1][2]。1990年代に活躍したD.I.T.C.(Diggin' in the Crates Crew)のメンバー[3]。名の通り巨漢であったが年齢と共に痩せてきている。
来歴
編集1970年8月19日、ファット・ジョーこと、ジョセ・アントニオ・カルタヘナはニューヨーク市ブロンクス区で生まれ、プエルトリコ系とキューバ系の両親のもとで育った[4][5]。サウスブロンクスのモリサニア地区にある公営住宅「フォレスト・ハウス」に住んでいたファット・ジョーは、家族を養うために幼い頃から盗みを始めたが、いじめっ子だった[6]。
Fat Joe da Gangstaという芸名でラップグループD.I.T.C.の一員として活動していたファット・ジョーは、1993年にソロ・デビュー・アルバム『Represent』をリリースし、シングル「Flow Joe」がビルボード・ホット・ラップ・ソングス・チャートで1位を獲得した[7]。
1995年、2作目のスタジオ・アルバム『Jealous One's Envy』をリリースした。このアルバムではKRS-Oneと共演し、Diamond Dがプロデュースを担当している。ある日、スタジオでアルバムの制作をしていたファット・ジョーは、偶然にも尊敬しているLL・クール・Jが別室でシングル「I Shot Ya」のリミックス・ヴァージョンを制作しているのを発見する。ファット・ジョーは歓迎されてヴァースを提供し、フォクシー・ブラウン、キース・マーレイ、モブ・ディープのプロディジーと共演することとなった。このトラックはジョーのキャリアのハイライトの一つとされている[8][9]。
1998年、アトランティック・レコードから3作目のアルバム『Don Cartagena』をリリースし、米ビルボード200で7位を記録し、アメリカでゴールドディスクの認定を受けた[10]。このアルバム内でビッグ・パン、キューバン・リンク、トリプル・セイス、プロスペクト、アルマゲドン、レミー・マーなどを擁する自身のグループ、テラー・スクワッド(Terror Squad)をデビューさせた[11]。
2001年、4作目のアルバム『Jealous Ones Still Envy (J.O.S.E.)』をリリースし、RIAAからプラチナ認定を受けた[12]。アルバムには、アシャンティ、ジャ・ルール、N.O.R.E.、バスタ・ライムズ、ピート・パブロ、M.O.P.、リュダクリス、R.ケリー、ブジュ・バントンなどのスターが勢揃いしている[13]。アルバムからのシングル「What's Luv?」は全米2位にヒットとなった。
2002年後半、5作目のアルバム『Loyalty』をリリースする。
2004年、テラー・スクワッドとのアルバム『True Story』をリリースし、収録曲「Lean Back」が全米ナンバーワンヒットを記録する[14]。
2005年、6作目のアルバム『All or Nothing』をリリースする。
2006年、ヴァージン・レコードと契約し、7作目のアルバム『Me, Myself & I』をリリースした。
2008年3月11日、8作目のアルバム『The Elephant in the Room』をキャピトル・レコードとテラー・スクワッドの一部門であるインペリアル・レコードからリリースした[15]。
2009年6月、9作目のアルバム『J.O.S.E. 2』がリリースされた[16]。
2010年7月27日、E1 Musicとレコード契約を結び、10作目のアルバム『The Darkside Vol. 1』をリリースした[17]。
2011年10月19日、ミックステープ『The Darkside Vol. 2』をリリースする[18]。
2013年8月26日、ミックステープ『The Darkside Vol. 3』をリリースした。
2017年2月17日、レミー・マーとのジョイントアルバム『Plata O Plomo』をリリースする。アルバムからの楽曲「All the Way Up」は第59回グラミー賞の最優秀ラップ・パフォーマンス賞にノミネートされた[19]。
人物
編集家族
編集ファット・ジョーはマイアミに住んでおり、結婚して3人の子供がいる[21]。
慈善活動
編集ファット・ジョーはニューヨークのブロンクスにある学校に、生徒たちのためにコンピューターを寄贈している。
2011年1月23日、ファットジョーはミシェル・オバマの小児肥満に対するイニシアティブのイベントに、ニューアーク市長コーリー・ブッカーとフィットネスの専門家ジェフ・ハレビーとともに登場した[22]。
事件
編集1998年9月8日、ファット・ジョーとビッグ・パンは同年6月14日にバットで男を殴り、男の金のチェーンを盗んだとして暴行容疑で逮捕された[23]。
2002年5月12日、タイムズ・スクエアのB.B.キングス・ブルース・クラブで他の男と喧嘩したとの容疑で逮捕されたが、翌年1月10日に容疑は取り下げられた[24]。
確執
編集2005年、ファット・ジョーの楽曲「My Fofo」に反応して、ラッパーの50セントは楽曲「Piggy Bank」でファット・ジョーを攻撃した[25]。ファット・ジョーはその後、ニューヨークのヒップホップ・ラジオ局WQHTの電話インタビューで、50セントを「臆病者」と呼んでいる[26]。
2005年のMTVビデオ・ミュージック・アワードでは、ファット・ジョーが「警察の保護を受けたGユニット(G-Unit)のおかげで安心している」と発言する[27]。その直後、MTVがコマーシャルに切り替わると、50セントがジョーに暴言を吐き、ファット・ジョーが退場しようとしていたところに50セントがステージに飛び降り、一触即発の状況となった[28]。
2007年9月、BETの番組「ラップ・シティ」で50セントはファット・ジョーを臆病者だと非難したが、ファット・ジョーはこの主張をナンセンスだと却下した[29]。
2008年1月、50セントは「Southside Nigga (I'm Leaving)」というファット・ジョーのディストラックをリリースした。3月20日、ファット・ジョーのアルバム『The Elephant in the Room』のレコード売上が発表された直後、50セントは自身のYouTubeアカウントを通じてファット・ジョーの"葬式"を撮影した動画を公開し挑発した。その後50セントはファット・ジョーのレコードセールスについて語り「ファット・ジョーのキャリアを終わらせた、自分のミックステープがファット・ジョーのアルバムを吹き飛ばした」と述べている[30]。
ディスコグラフィ
編集スタジオ・アルバム
- Represent(1993年)
- Jealous One's Envy(1995年)
- Don Cartagena(1998年)
- Jealous Ones Still Envy (J.O.S.E.)(2001年)
- Loyalty(2002年)
- All or Nothing(2005年)
- Me Myself & I(2006年)
- The Elephant in the Room (2008年)
- Represent (2009年)
- Jealous Ones Still Envy 2 (J.O.S.E 2) (2009年)
- The Darkside Vol. 1 (2010年)
コラボレーティヴ・アルバム
フィルモグラフィ
編集受賞歴
編集脚注
編集- ^ “Fat Joe Breaks Down His 25 Most Essential Songs” (英語). Complex. 2020年11月20日閲覧。
- ^ Sottardi, Edited by Cara DiPasquale (and Drew. “The skinny on Fat Joe” (英語). chicagotribune.com. 2020年11月20日閲覧。
- ^ “Fat Joe | Biography & History” (英語). AllMusic. 2020年11月20日閲覧。
- ^ “Fat Joe | Biography & History” (英語). AllMusic. 2020年12月7日閲覧。
- ^ Walker, Andrea K. (1996年11月10日). “Fat Joe: Hip-Hop Celebrity Faithful to Old Neighborhood (Published 1996)” (英語). The New York Times. ISSN 0362-4331 2020年12月7日閲覧。
- ^ “Which NYC Housing Projects Have Produced the Most Famous People?” (英語). Complex. 2020年12月7日閲覧。
- ^ “Hot Rap Songs Chart”. Billboard. 2020年12月7日閲覧。
- ^ “Fat Joe Breaks Down His 25 Most Essential Songs” (英語). Complex. 2020年12月7日閲覧。
- ^ “Trackmasters Tell All: The Stories Behind Their Classic Records (Part 1)” (英語). Complex. 2020年12月7日閲覧。
- ^ “RIAA - Gold & Platinum Searchable Database - September 24, 2015”. web.archive.org (2015年9月24日). 2020年12月7日閲覧。
- ^ “Terror Squad | Biography, Albums, Streaming Links” (英語). AllMusic. 2020年12月7日閲覧。
- ^ “Gold & Platinum” (英語). RIAA. 2020年12月7日閲覧。
- ^ “RIAA - Gold & Platinum Searchable Database - September 24, 2015”. web.archive.org (2015年9月24日). 2020年12月7日閲覧。
- ^ (英語) True Story - Terror Squad | Songs, Reviews, Credits | AllMusic 2020年12月7日閲覧。
- ^ “Fat Joe Teams With Imperial, Virgin For New Album”. web.archive.org (2007年7月6日). 2020年12月7日閲覧。
- ^ “60 RAPPERS IN 60 DAYS: Fat Joe : VIBE.com”. web.archive.org (2009年6月20日). 2020年12月7日閲覧。
- ^ “Fat Joe Heads To E1, Readies "The Dark Side" | Get The Latest Hip Hop News, Rap News & Hip Hop Album Sales | HipHopDX”. web.archive.org. 2020年12月7日閲覧。
- ^ September 21, jessePublished:. “Fat Joe Reveals Details on The Darkside, Vol. 2 Mixtape, New Album - XXL” (英語). XXL Mag. 2020年12月7日閲覧。
- ^ “Awards Nominations & Winners” (英語). GRAMMY.com (2017年4月30日). 2020年12月7日閲覧。
- ^ “Page not found - Hot97” (英語). Hot97 2020年12月7日閲覧。
- ^ “Parent Trap! Fat Joe Talks Role Models; Quality Time” (英語). Xappeal (2010年6月20日). 2020年12月7日閲覧。
- ^ “Jeff Halevy & Fat Joe Talk... (Halevy Life 802 Lexington Ave New York 10065 212-233-0633) - YouTube”. www.youtube.com. 2020年12月7日閲覧。
- ^ “NEIGHBORHOOD REPORT - NEW YORK UP CLOSE - NEIGHBORHOOD REPORT - NEW YORK UP CLOSE - Fat Joe Faces a Different Music - NYTimes.com”. web.archive.org (2010年8月28日). 2020年12月7日閲覧。
- ^ “MTV.com - News -Assault Charges Against Fat Joe Dismissed”. web.archive.org (2003年2月11日). 2020年12月7日閲覧。
- ^ (英語) The Massacre - 50 Cent | Songs, Reviews, Credits | AllMusic 2020年12月7日閲覧。
- ^ “mtv.com - News - Fat Joe On 50 Cent's 'Piggy Bank': 'Them Steroids Is Getting To Him'”. web.archive.org (2005年3月5日). 2020年12月7日閲覧。
- ^ Parker, Derrick; Diehl, Matt (2006-08-08) (英語). Notorious C.O.P.: The Inside Story of the Tupac, Biggie, and Jam Master Jay Investigations from NYPD's First "Hip-Hop Cop". Macmillan. ISBN 978-0-312-35251-6
- ^ “Fat Joe Explains Why He Dissed 50 On The VMAs - News Story | Music, Celebrity, Artist News | MTV News”. web.archive.org (2007年10月11日). 2020年12月7日閲覧。
- ^ “Fat Joe Says Beefing With 50 Cent Made Him More Rich | Fat Joe | Rap Basement”. web.archive.org (2009年3月21日). 2020年12月7日閲覧。
- ^ “50 Cent's Fat Joe Funeral | 50 Cent | News”. web.archive.org (2008年5月9日). 2020年12月7日閲覧。