ファイブ-エイス
ファイブ-エイス(英: Five-eighth、8分の5の意[1])またはスタンドオフ(英: Stand-off)は、ラグビーリーグフットボールチームにおけるポジションの1つである。背番号は6番。この選手はチームにおける2人のハーフバックスの1人であり、スクラムハーフとパートナーを組む[2][3][4]。ピヴォットあるいはセカンドレシーバーと呼ばれることもある[5]。伝統的な攻撃の「バックライン」(1番–7番)[6]プレーにおいて、タックル後にダミーハーフ(フッカー)からのボールをスクラムハーフが最初に受け取り、次にファイブ-エイスがスクラムハーフからのボールを受け取る[7]。
ファイブ-エイスの役割はタックルの周りの密集した地帯からボールを出すことであり、さらにボールを持って走るための広いスペースを持つセンターとウィンガーへとパスする[8][9]。そのうえ、このポジションの選手は典型的に一般のプレーで陣地を獲得するためにボールをキックする責任がある[10][11]。ファイブ-エイスはしたがって最も重要なポジションの1つであり、フィールド上で意思決定の役割を担う「プレーメイカー」と呼ばれることが多い[12][13]。しかしながら、時間と共に競技が進化すると、2人のハーフの役割はより揃うようになり、区別が困難となっていった[14]。その他の重要ポジション(フルバック、フッカー、スクラムハーフ)と共に、ファイブ-エイスはチームの背骨と呼ばれるものを作り上げている[15]。
1996年に出版されたある本は、シニアラグビーリーグにおいてファイブ-エイスとフッカーは他のポジションよりも多くボールを手で扱う、と述べている[16]。
ラグビーリーグ国際連盟の競技規則は、「スタンドオフハーフまたはファイブ-エイス」は背番号6でなければならない、と言明している[17]。しかしながら、伝統的に選手の背番号は変化し、現代のスーパーリーグでは、それぞれのチームの選手はポジションにかかわらず個別の背番号が割り当てられている。
語源
編集伝統的にラグビーフットボールでは、常に2人のハーフバックスがいる。2人のハーフバックスのうち、「スクラムハーフ」という名称はボールをスクラムへフィードすることによってスクラムに関与するほうに与えられ、「スタンドオフハーフ」という名称はスクラムの横に「離れている」(stand off)ほうに与えられた[18]。ラグビーリーグ発祥の地であるイギリスでは、これらの用語が保持されてきた[19]。しかしながら、オーストラリア英語では、背番号7が一般に「ハーフバック」と呼ばれ、背番号6はこれと区別するために「ファイブ-エイス」と呼ばれる[20]。ニュージーランドでは、どちらの用語も区別しないで使われるように見える。
特筆すべきスタンドオフ
編集それぞれの国の殿堂入りしたファイブ-エイスはイングランドのロジャー・ミルワード、オーストラリアのワリー・ルイス、ボブ・フルトン、ブレット・ケニー、アルバート・ローゼンフェルド、ヴィック・ヘイ、ニュージーランドのジョージ・メンジーズである。
ラグビーリーグ初の黒人選手ルシウス・バンクスは1912-13シーズンにハンスレットRLFCでこのポジションでプレーした[21]。
出典
編集- ^ ポジションを伝統的に8分割した場合5/8列目に来るため。
- ^ “The NRL's 10 best halves combos”. NRL.com. ナショナルラグビーリーグ. 4 September 2013閲覧。
- ^ McDonald, Margie (11 November 2006). “Finch to be five-eighth”. The Australian 4 September 2013閲覧。
- ^ Jancetic, Steve (12 May 2010). “Lyon backs away from five-eighth role”. Wide World of Sports 4 September 2013閲覧。
- ^ Dillon, Robert (1 April 2012). “Mullen finds a home in pivotal role for Knights”. The Newcastle Herald 4 September 2013閲覧。
- ^ Hickey, Julia (2006). Understanding Rugby League. UK: Coachwise. ISBN 9781905540105
- ^ Thompson, Michael (21 July 2011). “Thompson now calling the shots”. Townsville Bulletin 4 September 2013閲覧。
- ^ Gould, Phil (22 February 2004). “Why is their number up?”. The Sun-Herald 4 September 2013閲覧。
- ^ Hickie, David (1 March 1987). “The Trend toward Robot League”. The Sun-Herald 4 September 2013閲覧。
- ^ Ryan, Nathan (8 May 2013). “James Maloney backed for NSW five-eighth based on his kicking game says Nathan Hindmarsh”. The Australian 4 September 2013閲覧。
- ^ Ritchie, Dean (9 June 2011). “NSW five-eighth Jamie Soward vows dominant kicking game in State of Origin II”. The Daily Telegraph 4 September 2013閲覧。
- ^ “Positions guide: Stand-off”. Rugby league: Laws & Equipment. BBC News. 4 September 2013閲覧。
- ^ Gardini, Adam (8 January 2008). “Rogers eager to play five-eighth”. goldcoast.com.au 4 September 2013閲覧。
- ^ Knox, Ron (20 February 2006). “The Role of half backs: Where we are strongest”. comeallwithin.co.uk 4 September 2013閲覧。
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- ^ Tim Rogers and Richard Beesley (2006). Fitness for Rugby League. Australia: coachrugbyleague.com.au
- ^ The International Laws of the Game and Notes of the Laws. RLIF. (2007). pp. 9
- ^ Crego, Robert (2003). Sports and Games of the 18th and 19th Centuries. USA: Greenwood Press. pp. 101–104. ISBN 978-0-313-31610-4
- ^ Hickey, Julia (2006). Understanding Rugby League. UK: Coachwise. p. 17. ISBN 978-1-905540-10-5
- ^ Australian Language & Culture. Australia: Lonely Planet. (2007). p. 83. ISBN 978-1-74059-099-0
- ^ Collins, Tony (1998). “Racial minorities in a marginalized sport: Race, discrimination and integration in British rugby league football”. Immigrants & Minorities 17: 151–169. doi:10.1080/02619288.1998.9974933.