ファイアー・アンド・レイン
「ファイアー・アンド・レイン」(Fire and Rain)は、ジェームズ・テイラーが1970年に発表した楽曲。テイラーの代表作の一つ。
「ファイアー・アンド・レイン」 | ||||||||
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ジェームズ・テイラー の シングル | ||||||||
初出アルバム『スウィート・ベイビー・ジェイムス』 | ||||||||
B面 | 天国のように | |||||||
リリース | ||||||||
規格 | 7インチ・シングル | |||||||
録音 | ロサンゼルス、サンセット・サウンド(1969年12月) | |||||||
ジャンル | フォークロック | |||||||
時間 | ||||||||
レーベル | ワーナー・ブラザース・レコード | |||||||
作詞・作曲 | ジェームズ・テイラー | |||||||
プロデュース | ピーター・アッシャー | |||||||
チャート最高順位 | ||||||||
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ジェームズ・テイラー シングル 年表 | ||||||||
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ローリング・ストーンの選ぶオールタイム・グレイテスト・ソング500(2021年版)では146位にランクされている[2]。
概要
編集1968年、テイラーがファースト・アルバム『ジェームス・テイラー』の録音をロンドンで行っていたとき、子供の頃の友人だったスザンヌ・シュナー(Suzanne Schnerr)が自殺する[3]。テイラーが契約を結んだ会社は何といってもビートルズが設立したアップル・レコードであり、彼の成功を望んだ故郷の友人らはそのことをテイラーに長い間知らせなかった。彼がスザンヌの死を知ったのは6か月後のことだった。
この時の友人の自殺や、テイラーがダニー・コーチマーらと組んだバンド、ザ・フライング・マシーンの崩壊とそれに伴う抑うつ、自身の麻薬中毒などが歌詞に反映されている(例.Sweet dreams and Flying Machines in pieces on the ground.)[4]。
1969年10月、アメリカに戻ったテイラーはワーナー・ブラザース・レコードと契約[5]。同年12月、ロサンゼルスのサンセット・サウンドでセカンド・アルバムのためのレコーディングを行った。ドラムズはラス・カンケル。ピアノはキャロル・キング。ダブル・ベースはボビー・ウェスト。
1970年2月発売の『スウィート・ベイビー・ジェイムス』[6]に収録された。同年8月にシングルカットされ[1]、10月31日から11月14日にかけて3週連続でビルボード・Hot 100の3位を記録した[7][8][9]。ビルボード・イージーリスニング・チャートで7位を記録し、1970年の年間チャートで67位を記録した。カナダでは2位を記録した。
キャロル・キングは、「君の友だち」は本作品で繰り返される「I've seen lonely times when I could not find a friend.」に対する返歌だと証言している[10]。
1970年10月16日にバンクーバーで行ったチャリティ・コンサートでのライブ音源が2009年11月発売の『アムチトカ』に収められた。また、2007年11月にキャロル・キングとロサンゼルスで行ったコンサートのライブ音源が2010年5月発売の『Live at the Troubadour』に収められた。
パロディ
編集1994年2月、テレビアニメ「ザ・シンプソンズ」シーズン5のエピソード「ホーマー宇宙へ行く(原題:Deep Space Homer)」にテイラーが本人役で出演しているが、宇宙飛行士としてスペースシャトルに搭乗したホーマー・シンプソンと、シャトルに同乗していたバズ・オルドリン(アポロ11号のパイロットで、テイラーと同じく本人役でゲスト出演していた)に向けて本曲を演奏するシーンがある。歌詞の"Sweet dreams and flying machines in pieces on the ground"が、スペースシャトルの墜落を想起させる事に気づいたテイラーが、"Sweet dreams and flying machines, flying safely through the air"と歌い直すパロディになっている。
2015年11月にテイラーが「ザ・レイト・ショー・ウィズ・スティーヴン・コルベア」にゲスト出演した際には、本曲を発表した1970年以降のアメリカの大衆文化を織り込んだ替え歌を披露している。
カバー・バージョン
編集アーティスト名 | レコード | |
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1970年 | ブラッド・スウェット・アンド・ティアーズ | 『Blood, Sweat & Tears 3』 |
1970年 | ジョニー・リバーズ&フレンズ | シングル |
1970年 | ジョージィ・フェイム | シングル |
1970年 | アン・マレー | 『Honey, Wheat and Laughter』 |
1970年 | ブーツ・ランドルフ | 『Boots with Brass』 |
1971年 | ジョン・デンバー | 『Poems, Prayers & Promises』 |
1971年 | サミー・スミス | 『Lonesome』 |
1971年 | スキータ・デイヴィス | 『Love Takes a Lot of My Time』 |
1971年 | シェール | 『Chér』 |
1971年 | ボビー・ウーマック | 『Communication』 |
1971年 | グラディス・ナイト&ザ・ピップス | 『Standing Ovation』 |
1971年 | アイズレー・ブラザーズ | 『Givin' It Back』 |
1971年 | リック・ウェイクマン | 『Piano Vibrations』 |
1971年 | クリス・コナー | 『Sketches』 |
1971年 | イーディ・ゴーメ | 『It Was a Good Time』[11] |
1972年 | アニタ・ブライアント | 『Naturally』 |
1973年 | ルー・ロウルズ | 『A Man of Value』 |
1974年 | クリフ・リチャード | 『Help It Along』 |
1974年 | ナナ・ムスクーリ | 『Nana's Book of Songs』 |
1976年 | アル・ジャロウ | 『Glow』 |
1987年 | ボビー・ダーリン | 『Live at the Desert Inn』(録音は1971年) |
1991年 | バッドランズ | 『Voodoo Highway』 |
1997年 | ミー・ファースト・アンド・ザ・ギミー・ギミーズ | 『Have a Ball』 |
2004年 | 畠山美由紀 | 『LIVE AT GLORIA CHAPEL -The Great American Songbook-』 |
脚注
編集- ^ a b 45cat - James Taylor - Fire And Rain / Anywhere Like Heaven - Warner Bros. - USA - 7423
- ^ “The 500 Greatest Songs of All Time” (英語). Rolling Stone (2021年9月15日). 2021年12月21日閲覧。
- ^ Timothy White, and Mitchell Glazer. Long Ago and Far Away: James Taylor — His Life and Music. New York: Omnibus Press, 5th edition 2011, p. 141.
- ^ Fire and Rain by James Taylor Songfacts
- ^ Timothy White, and Mitchell Glazer. Long Ago and Far Away: James Taylor — His Life and Music. New York: Omnibus Press, 5th edition 2011, p. 144–145, 147.
- ^ James Taylor / ジェイムス・テイラー「SWEET BABY JAMES / スウィート・ベイビー・ジェイムス<SHM-紙ジャケットCD>」|ワーナーミュージック・ジャパン
- ^ Music: Top 100 Songs | Billboard Hot 100 Chart | THE WEEK OF OCTOBER 31, 1970
- ^ Music: Top 100 Songs | Billboard Hot 100 Chart | THE WEEK OF NOVEMBER 7, 1970
- ^ Music: Top 100 Songs | Billboard Hot 100 Chart | THE WEEK OF NOVEMBER 14, 1970
- ^ “James Taylor: My Life in 15 Songs”. Rolling Stone: pp. 23–25. (August 13, 2015)
- ^ Eydie Gormé - It Was A Good Time (Vinyl, LP, Album) | Discogs