ピンデトッ
ピンデトッ(빈대떡)は、朝鮮風お好み焼きであるチヂミの一種である。生地には小麦粉ではなく磨り潰したリョクトウを用い、ワケギとキムチを混ぜ、フライパンで焼いて作られる。
ピンデトッ | |
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各種表記 | |
ハングル: | 빈대떡, 녹두전, 녹두지짐 |
漢字: | 빈대떡, 綠豆煎, 綠豆지짐 |
発音: | ピンデトッ, ノットゥジョン, ノットゥジジム |
ローマ字: | bindaetteok, nokdujeon, nokdu jijim |
歴史
編集ピンデトッの文献上における初見は、李氏朝鮮時代の1670年代に両班の夫人であった張桂香(1598~1680)が著した料理百科『飮食知味方 / 閨壼是議方』である。その文中に「ピンジャトッ(빙자떡)という名前で表れる。この料理は当初は、水に浸して磨り潰したリョクトウ、豚肉、ワラビ、リョクトウモヤシ、ハクサイのキムチを混ぜたものを油で焼いて作られた[1]。味付けには蜂蜜が使われた。
ピンデトッはサンジョク(산적、散炙。肉の串焼き)や焼き肉を祭祀の膳に供えたり宴会に出す折り、器の底に敷いて見た目の量を上げ、余分な脂肪を吸いとらせるための台として作られた。家人や客人はピンデトッの上の肉だけを食べ、残ったピンデトッは貧しい人々に与えた[2][3]。そのため、この食べ物はピンデビョン(빈대병)と呼ばれるようになった。
朝鮮語でピンデ(빈대)は南京虫を意味し、貧者のことをも指す。トッ(떡)は餅(トック)の意である。
また、ピンジャビン(병자병, 餠子餠)が歳月とともにピンジャトッになり、そしてビンデトッと呼ばれるようになったともいわれる。『朝鮮常識』ではピンジャの語源は「餠飣」の中国音からきたとされる[4]。