ビットウェイ
株式会社ビットウェイは、かつて存在したトッパングループのデジタルコンテンツ流通会社。世界初の携帯電話向け電子コミック販売サイト『Handyブックショップ』(現 BookLive!コミック)を運営していた[1]。
種類 | 株式会社 |
---|---|
本社所在地 | 東京都台東区台東1丁目5番1号 |
設立 | 2005年10月3日 |
業種 | 情報・通信業 |
事業内容 | デジタルコンテンツの販売、取次 |
代表者 | 野副正行(代表取締役社長) |
資本金 | 5億2千2百万円 |
従業員数 | 約120人 |
決算期 | 3月31日 |
主要株主 | 株式会社出版デジタル機構 |
特記事項:合併前の会社概要 |
概要
編集2005年10月に凸版印刷株式会社から分社化して設立され、同社のデジタルコンテンツ流通事業を継承して営業を開始。
携帯電話キャリアの公式サイト・パソコン向けポータルサイトを通じたデジタルコンテンツの販売による収益事業を行っていた。主な事業は、コンテンツ流通事業(PCコンテンツ、電子書籍)、メディア事業、コンテンツ事業(モバイルサイト開発など)、EC事業である。 出版社などのコンテンツプロバイダーが所有する有料コンテンツをパソコンや携帯電話等の通信デバイスへ配信するデジタルコンテンツの取次・販売、ソフトウエアのダウンロード販売や物販、広告媒体開発などを行っていた。携帯電話向け公式サイトを100サイト以上受託運営し、また携帯コミックでは業界3位であった。
携帯電話サイト向けの電子書籍の配信サービスとしては草分け的な存在で、2003年12月に世界初の携帯電話向け電子コミック販売サイト「Handyブックショップ」(現 BookLive!コミック)を、auのEZweb公式コンテンツとして開始した[1][2]。 ケータイコミックの代表的な表現技術であるマンガをコマ毎に表示する方法は、同社が初めて携帯電話のマンガビューワーとして開発したもので、2003年頃まで利用されていた。また、携帯電話向けの写真集も同時期に開発した。
電子書籍市場の拡大により電子書籍の取次事業を2006年より開始した。特に、携帯コミックの取次としては、業界トップであった。2007年からは携帯電話向けのECサイトを開始。2010年に電子書籍配信プラットフォームサービスを刷新し、2011年12月に累計100万ダウンロードを達成した[3]。
2013年3月に分社化を行い、BtoC事業(電子書籍ストアなど)を子会社の株式会社BookLiveに譲渡し、当社は電子書籍の取次事業のみとなった。そして2013年7月に同業の出版デジタル機構の完全子会社となり、事業統合を経て法人格消滅。
沿革
編集- 1997年6月 - 実証実験としてデジタル出版コンテンツ販売サイト「BookPark」(1998年2月に「コンテンツパラダイス」に改称)のサービスを開始[4]。
- 1999年7月15日 - 凸版印刷により、日本で初めて、国内大手ISPと連携したPC向けデジタルコンテンツ配信事業(サービス名:ビットウェイ)を開始[5]。
- 2000年3月 -「コンテンツパラダイス」と「ビットウェイ」を統合し、PC向け電子書籍販売サイト「ビットウェイブックス」を開始[4][6]。
- 2001年11月30日 - PDA向けの有料コンテンツ流通サービス「@ir Bitway」のサービスを開始[7]。
- 2003年12月25日 - 世界初の携帯電話向け電子コミック販売サイトとして[8]、auの第3.5世代携帯電話CDMA 1X WINのEZweb向けに「Handyブックショップ」(「BookLive!コミックス」の前身)を開設[2]。
- 2004年
- 6月21日 - NTTドコモの第3世代携帯電話FOMAのiモード向け携帯コミック販売サイト「まんが稲妻大革命」を開設[9]を開設。
- 12月15日 - ボーダフォン(現 ソフトバンクモバイル)の第3世代携帯電話のVodafone live!(現 Yahoo!ケータイ)向け携帯コミック販売サイト「Handyブックショップ」を開設[10]。これにより業界で初めてコミック販売サービスの3キャリア対応を達成。
- 2005年
- Yahoo!BBと接続し、国内主要ISP全てとの接続が完了。
- 10月3日 - 凸版印刷から分社化し、株式会社ビットウェイが設立される[11]。
- 2006年
- 2009年 - 海外の携帯電話向けに株式会社セルシスから「ライドオン・ソリューション」を通じ提供されたフォーマットとシャープ株式会社のフォーマット供与を得て2つのビューアを統合した「電子書籍統合ビューア」アプリケーションを世界で初めて開発[14]。これを機にフランスから順に海外の市場に参入を行う。
- 2010年
- 10月 - 北京比特威数碼産品有限公司(北京ビットウェイ)を子会社化。
- 2010年10月18日 - 携帯電話向け携帯コミックサイト「Handyコミック」・写真集専門サイト「Handy写真集」・文芸書専門サイト「Handyブックショップ」を、携帯電話向け電子書籍販売サイト「Handyブックス」に統合[15]。
- 2010年12月 - 北米向け電子書籍配信を行う子会社「ジェイマンガ株式会社」「JMANGA INC.」を設立。
- 2011年
- 2013年3月28日 - 新設分割・吸収合併により、BtoC事業(電子書籍ストア事業)を子会社のBookLiveが授受し、取次事業はビットウェイが継承[19]。
- 2013年7月 - 出版デジタル機構の完全子会社となる[20][21]。
- 2013年10月 - 出版デジタル機構と事業を統合[22]。
デジタルコンテンツストア
編集PC向けコンテンツ
編集ビットウェイブックス
編集電子書籍を中心に販売するサイト。2013年3月末日でサービスを終了した。
クラブビットウェイ
編集写真集や動画、外国語学習ソフトウェアなどのデジタルコンテンツのダウンロード販売を行っていた。
モバイル向けコンテンツ
編集Handyコミック、Handy写真集、Handyブックス
編集全て電子書籍を中心に販売するサイト。他に、HandyきせかえDXにてきせかえウィジット、アニ★ロコとロンドローブ★モバイルでは着うた、絵文字デコっちゅではデコメを各々のサイトにて販売していた。
出典
編集- ^ a b 「会社設立」『株式会社BookLive』 株式会社BookLive、2011年1月28日
- ^ a b 「Mobile 「CDMA 1X WIN」に最適な電子書籍販売サイト「Handyブックショップ」」『ITMedia』 アイティメディア株式会社、2003年12月25日
- ^ “ビットウェイ、新プラットフォーム向け電子書籍流通事業が累計100万ダウンロードを達成!”. hon.jp DayWatch (2011年12月12日). 2012年7月22日閲覧。
- ^ a b 『図書館調査研究リポート No.11 電子書籍の流通・利用・保存に関する調査研究』 国立国会図書館、2009年3月、31ページ
- ^ 凸版印刷、1000万人を対象とするネット情報流通の新事業を開始 業界リーダー4社の協力を得て、欧米、アジアを中心にグローバル展開 - ウェイバックマシン(2005年2月10日アーカイブ分)、『Bitway』 凸版印刷株式会社、1999年7月8日
- ^ 「凸版印刷、出版コンテンツ販売サイトと「Bitway」を統合」『INTERNET Watch』 インプレス、2000年1月7日
- ^ 「凸版印刷、日本初のPDAコマースシステムを開発し、PDAコンテンツ配信に本格参入 コンテンツSHOP「@irBitway」オープン! 日本最大のPDAコンテンツ100種類が一同にラインアップ。 - ウェイバックマシン(2002年11月16日アーカイブ分)」『@irBitway』 凸版印刷株式会社、2001年11月27日
- ^ 「会社設立」『株式会社BookLive』 株式会社BookLive、2011年1月28日
- ^ 「900i専用コミックコンテンツ「まんが稲妻大革命」」『ITmedia Mobile』 アイティメディア株式会社、2004年6月21日
- ^ 「ボーダフォン向けのコミック系電子書店「Handyブックショップ」がオープン」『HON.jp News Blog』 特定非営利活動法人HON.jp、2004年12月15日
- ^ 「凸版印刷、コンテンツ事業を分社化」『ITmedia NEWS』 2005年7月28日、アイティメディア
- ^ 「ビットウェイ、パソコン向けコミック配信サイト“ビットウェイ コミックス”を開設」『ASCII.jp』 株式会社角川アスキー総合研究所、2006年3月27日
- ^ 株式会社ビットウェイ「ビットウェイが、8月よりPC・携帯向けの電子書籍の取次ぎサービスを開始」『@Press』 ソーシャルワイヤー、2006年6月6日
- ^ “ビットウェイ、世界初の海外向け携帯コミックビューアを開発”. japan.internet.com (2009年6月11日). 2012年7月22日閲覧。
- ^ 「ビットウェイ、ライトノベル・文芸作品中心のiモード向け電子書籍販売サイト「Handyブックス」をオープン」『HON.jp News Blog』 特定非営利活動法人HON.jp、2010年10月18日
- ^ 「ビットウェイ、中国China Mobile携帯電話向けにケータイコミックを配信開始」『HON.jp News Blog』 特定非営利活動法人HON.jp、2011年1月24日
- ^ “会社設立”. プレスリリース. BookLive (2011年1月28日). 2013年8月28日閲覧。
- ^ “凸版とインテルが協業、クラウド型電子書籍ストア「BookLive!」を2月開始”. INTERNET Watch. 株式会社インプレス (2011年1月20日). 2019年7月20日閲覧。
- ^ 西尾泰三「ビットウェイとBookLiveが合併、業界再編に動くか」『ITmedia eBook USER』 アイティメディア株式会社、2013年3月01日
- ^ 出版デジタル機構がビットウェイを完全子会社化、凸版印刷から全株式を取得 -INTERNET Watch
- ^ 出版デジタル機構、電子書籍取次最大手のビットウェイを買収 - ITmedia eBook USER
- ^ 出版デジタル機構、完全子会社ビットウェイと統合のお知らせ | ニュース,プレスリリース | (株)出版デジタル機構