ビッグウルフ

ビッグウルフ
	2003年6月18日名古屋競馬場にて
欧字表記	Big Wolf
品種	サラブレッド
性別	牡
毛色	黒鹿毛
生誕	2000年5月12日
死没	2005年12月1日（5歳没）
父	アフリート
母	ビッグモンロー
母の父	トニービン
生国	日本（北海道新冠町）
生産者	田渕牧場
馬主	（有）ビッグ; →竹本弘
調教師	中尾正（栗東）; →渡邊幸生（兵庫）
競走成績
生涯成績	29戦7勝（地方競馬10戦3勝）
獲得賞金	2億3689万2000円
勝ち鞍
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ビッグウルフは、日本の競走馬である。ユートピア、ナイキアディライトと共に2003年の3歳ダート三強を形成し、同年のジャパンダートダービーを勝利した。

経歴

デビューから3歳春

2002年11月にデビュー。ダートを中心に使われ、2003年春にヒヤシンスステークス、伏竜ステークス、兵庫チャンピオンシップ（交流GIII）を3連勝。ヒヤシンスステークスは1番人気をスシトレインに譲ったものの後続に9馬身差をつけての勝利^[3]、兵庫チャンピオンシップは絶望的な位置からの差し切り勝ちであった^[2]^[4]。その後、ユニコーンステークス（GIII）は6着に敗れるが、中11日で挑んだ名古屋優駿（交流GIII）を1分58秒6というコースレコードで優勝^[2]。440㎏に満たない小柄なアフリート産駒は、ユニコーンステークス勝ち馬のユートピア、南関東二冠馬のナイキアディライトと共に、3歳ダート戦線における三強と呼ばれる存在になっていた^[2]。

ジャパンダートダービー

2003年7月8日、3歳ダートの頂点を決めるジャパンダートダービー（交流GI）が大井競馬場で行われた。馬場状態は前日の雨が残り重発表^[2]。1番人気はユニコーンステークスで敗れたユートピア。ビッグウルフは単勝4.1倍の2番人気。ナイキアディライトが3番人気で続いた^[2]。

レースはナイキアディライトが逃げ、スタートで躓いたユートピアが2番手を追走。武豊騎乗の2番人気ビッグウルフは5番手を進んだ。3コーナーでユートピアが早めに仕掛けるが、ナイキアディライトも食い下がる^[2]。4コーナーでは人気3頭が後続を引き離し、それぞれが1馬身圏内に^[5]。直線残り200m。ユートピアがナイキアディライトを競り落とし、抜け出しかけたところに外からビッグウルフが飛んでくる。そのまま2頭の叩き合いはゴール前まで続き、ハナ差でビッグウルフに軍配が上がった^[2]。

武豊は「イメージ通りの競馬ができた」とレースを振り返った^[5]。日刊競馬の吉川彰彦は「絶対能力ならユートピア。マイルなら10回やって9回勝つだろう。しかし2000mならばほぼ互角」と分析した^[5]。調教師の中尾正も「距離が伸びてこの馬の良さが出てきた」と話している^[6]。

3歳秋から晩年

3歳秋には盛岡のダービーグランプリ（交流GI）で再びユートピアの2着に敗れ^[2]、続くジャパンカップダート（GI）を13着と大敗^[7]。その後も古馬相手に伸び悩み、ナイキアディライト、ユートピアの失速も相俟って、世代レベルへの疑問の声も聞こえた^[8]。2004年は帝王賞、マイルチャンピオンシップ南部杯（いずれも交流GI）での3着があったが、ダービー以来の勝ち星を挙げることはできなかった^[7]。

5歳となった2005年9月に園田競馬へ移籍^[7]。同年12月1日の園田金盃レース中に故障を発生し競走を中止^[9]。左前脚開放骨折により予後不良、安楽死となった。5歳没。

競走成績

以下の内容は、netkeiba.com^[10]に基づく。

競走日	競馬場	競走名	格	距離（馬場）	頭数	枠番	馬番	オッズ（人気）	着順	タイム（上り3F）	着差	騎手	斤量 [kg]	1着馬（2着馬）	馬体重 [kg]
2002.11.30	阪神	2歳新馬		ダ1400m（良）	9	2	2	011.60（3人）	01着	R1:26.1（36.8）	-0.6	0蛯名正義	54	(ノースファイター)	430
0000.12.15	阪神	2歳500万下		ダ1400m（良）	12	7	9	006.70（3人）	02着	R1:26.1（37.7）	-0.1	0武幸四郎	54	サカラート	428
2003.01.11	京都	飛梅賞	500万下	ダ1800m（良）	13	5	6	002.90（2人）	01着	R1:53.1（37.4）	-1.2	0武幸四郎	56	(トムミラクル)	432
0000.02.16	京都	きさらぎ賞	GIII	芝1800m（重）	14	4	5	019.80（6人）	06着	R1:50.4（36.0）	-0.8	0D.ボニヤ	56	ネオユニヴァース	430
0000.02.23	中山	ヒヤシンスS	OP	ダ1800m（稍）	7	3	3	003.80（2人）	01着	R1:53.0（37.7）	-1.4	0M.デムーロ	56	(ハツラツ)	424
0000.04.06	中山	伏竜S	OP	ダ1800m（稍）	12	2	2	001.50（1人）	01着	R1:54.1（40.6）	-0.2	0M.デムーロ	57	(テイエムガルチオー)	426
0000.04.30	園田	兵庫CS	GIII	ダ1870m（不）	12	3	3	00 - 00（1人）	01着	R1:58.9	-0.2	0武豊	55	(ジャズアップ)	429
0000.06.07	東京	ユニコーンS	GIII	ダ1600m（良）	16	1	2	003.10（2人）	06着	R1:37.4（37.0）	-1.6	0M.デムーロ	56	ユートピア	436
0000.06.18	名古屋	名古屋優駿	GIII	ダ1900m（不）	12	8	11	00 - 00（1人）	01着	R1:58.6	-0.7	0武豊	55	(タマモリッチ)	436
0000.07.08	大井	ジャパンDダービー	GI	ダ2000m（重）	13	4	4	00 - 00（2人）	01着	R2:04.9（37.6）	-0.0	0武豊	56	(ユートピア)	440
0000.09.23	盛岡	ダービーグランプリ	GI	ダ2000m（良）	14	3	4	00 - 00（2人）	02着	R2:08.3	-0.7	0武豊	56	ユートピア	440
0000.11.29	東京	ジャパンCダート	GI	ダ2100m（不）	16	8	15	026.60（4人）	13着	R2:12.4（40.5）	-3.2	0蛯名正義	55	フリートストリートダンサー	436
0000.12.14	阪神	鳴尾記念	GIII	芝2000m（良）	16	5	10	040.2（13人）	16着	R2:03.5（37.8）	-3.5	0武幸四郎	55	ウインブレイズ	436
0000.12.29	大井	東京大賞典	GI	ダ2000m（良）	16	6	11	00 - 00（8人）	06着	R2:05.7（40.4）	-2.0	0蛯名正義	55	スターキングマン	428
2004.06.12	東京	ブリリアントS	OP	ダ2100m（稍）	14	4	5	007.30（4人）	03着	R2:09.4（36.4）	-0.3	0蛯名正義	57	メイショウキオウ	438
0000.06.30	大井	帝王賞	GI	ダ2000m（稍）	10	6	7	00 - 00（7人）	03着	R2:04.8（37.0）	-0.8	0蛯名正義	57	アドマイヤドン	443
0000.08.01	小倉	KBC杯	OP	ダ1700m（不）	8	6	6	003.30（2人）	06着	R1:48.6（40.5）	-2.6	0福永祐一	58	インタータイヨウ	446
0000.09.18	中山	ペルセウスS	OP	ダ1800m（良）	10	5	5	006.80（3人）	04着	R1:53.8（38.4）	-0.4	0蛯名正義	58	カイトヒルウインド	438
0000.10.11	盛岡	マイルCS南部杯	GI	ダ1600m（稍）	12	8	12	00 - 00（5人）	03着	R1:36.5	-0.6	0板垣吉則	57	ユートピア	438
0000.11.03	大井	JBCクラシック	GI	ダ2000m（稍）	13	2	2		取消			0蛯名正義	57	アドマイヤドン	計不
0000.12.25	阪神	ベテルギウスS	OP	ダ1800m（良）	12	6	8	020.80（6人）	07着	R1:52.8（37.6）	-2.1	0安藤勝己	59	スパイキュール	448
2005.01.05	中山	中山金杯	GIII	芝2000m（良）	15	8	15	072.6（15人）	15着	R2:01.0（37.6）	-2.0	0岡部幸雄	56	クラフトワーク	436
0000.01.23	京都	平安S	GIII	ダ1800m（良）	16	4	8	230.3（14人）	09着	R1:51.4（37.0）	-1.1	0石橋守	59	ヒシアトラス	450
0000.03.06	阪神	仁川S	OP	ダ1800m（良）	16	5	10	050.80（9人）	09着	R1:52.3（37.5）	-0.9	0石橋守	57.5	エンシェントヒル	442
0000.03.26	中山	マーチS	GIII	ダ1800m（良）	16	5	10	093.0（14人）	06着	R1:53.1（38.7）	-1.1	0木幡初広	57.5	クーリンガー	436
0000.04.24	京都	アンタレスS	GIII	ダ1800m（良）	16	2	4	207.7（16人）	14着	R1:51.3（37.3）	-1.5	0石橋守	59	ピットファイター	440
0000.05.08	東京	サウジアラビアロイヤルC	OP	ダ1600m（稍）	16	5	10	029.4（10人）	11着	R1:37.0（36.4）	-1.1	0安藤勝己	57	メイショウサライ	440
0000.10.13	園田	さぎ草特別	S1	ダ1870m（稍）	8	6	6	00 - 00（1人）	02着	R2:02.2	-0.1	0大山真吾	59	ロードバクシン	434
0000.11.10	園田	加古川くつした特別	S1	ダ1700m（良）	9	5	5	00 - 00（1人）	05着	R1:52.2	-0.6	0大山真吾	56	レッドペガサス	437
0000.12.01	園田	園田金盃	重賞	ダ2400m（良）	12	5	5	00 - 00（2人）		競走中止		0木村健	56	ニューシーストリー	431

血統表

ビッグウルフの血統			（血統表の出典）^{[§ 1]}
父系	ミスタープロスペクター系			^{[§ 2]}
父 *アフリート Afleet 1984 栗毛	父の父 Mr. Prospector 1977 鹿	Raise a Native	Native Dancer
			Raise You
		Gold Digger	Nashua
			Sequence
	父の母 Polite Lady 1983 鹿毛	Venetian Jester	Tom Fool
			Venice
		Friendly Ways	Green Ticket
			Ways to Learn
母ビッグモンロー 1994 黒鹿毛	母の父 *トニービン Tony Bin 1983 鹿毛	*カンパラ Kampala	Kalamoun
			State Pension
		Severn Bridge	Hornbeam
			Priddy Fair
	母の母モルゲンロート 1987 鹿毛	マルゼンスキー	Nijinsky II
			*シル
		サンライトリバー	*ダストコマンダー
			サンパス
母系(F-No.)	(FN:3-l)			^{[§ 3]}
5代内の近親交配	なし			^{[§ 4]}
出典	^ ^[11] ^ ^[11] ^ ^[11] ^ ^[11]

牝系は小岩井農場の名牝フロリースカツプの流を汲む。5代母ケンホウは桜花賞勝ち馬、7代母スターカツプと8代母フロリスト（競走馬名フロラーカツプ）は帝室御賞典勝ち馬。

脚注

[脚注の使い方]

^ ^a ^b ^c ^d ^e ^f “ビッグウルフ”. JBBA. 2015年7月20日閲覧。
^ ^a ^b ^c ^d ^e ^f ^g ^h ⁱ ^j ^k ^l 『グラフ優駿 TURF HERO 2003』優駿3月号増刊、2004年3月20日、日本中央競馬会、97-103頁。
^ “9R ヒヤシンスS オープン 2003年2月23日（日）2回中山8日”. JBBA (2003年2月23日). 2015年7月20日閲覧。
^ 吉川彰彦 (2003年7月7日). “無敗対決の実際”. netkeiba. 2015年7月20日閲覧。
^ ^a ^b ^c 吉川彰彦 (2003年7月13日). “3強対決の夜”. netkeiba. 2015年7月20日閲覧。
^ “ジャパンダートダービーはビッグウルフ”. ラジオNIKKEI. (2003年7月10日) 2015年7月20日閲覧。
^ ^a ^b ^c “ビッグウルフ、競走馬登録を抹消”. netkeiba. (2005年9月7日) 2015年7月20日閲覧。
^ 吉川彰彦 (2004年2月16日). “同世代の明暗”. netkeiba. 2015年7月20日閲覧。
^ “園田金盃、ニューシーストリーが制す”. netkeiba. (2005年12月1日) 2015年7月20日閲覧。
^ “ビッグウルフの競走成績”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2020年12月30日閲覧。
^ ^a ^b ^c ^d “ビッグウルフの血統詳細”. netkeiba. 2015年7月18日閲覧。

外部リンク

競走馬成績と情報 netkeiba、スポーツナビ、KEIBA.GO.JP、JBISサーチ、Racing Post

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[jbis-1] ^ ^a ^b ^c ^d ^e ^f “ビッグウルフ”. JBBA. 2015年7月20日閲覧。

[turf-2] ^ ^a ^b ^c ^d ^e ^f ^g ^h ⁱ ^j ^k ^l 『グラフ優駿 TURF HERO 2003』優駿3月号増刊、2004年3月20日、日本中央競馬会、97-103頁。

[3] “9R ヒヤシンスS オープン 2003年2月23日（日）2回中山8日”. JBBA (2003年2月23日). 2015年7月20日閲覧。

[4] 吉川彰彦 (2003年7月7日). “無敗対決の実際”. netkeiba. 2015年7月20日閲覧。

[yoshikawa-5] 吉川彰彦 (2003年7月13日). “3強対決の夜”. netkeiba. 2015年7月20日閲覧。

[6] “ジャパンダートダービーはビッグウルフ”. ラジオNIKKEI. (2003年7月10日) 2015年7月20日閲覧。

[net9872-7] “ビッグウルフ、競走馬登録を抹消”. netkeiba. (2005年9月7日) 2015年7月20日閲覧。

[8] 吉川彰彦 (2004年2月16日). “同世代の明暗”. netkeiba. 2015年7月20日閲覧。

[9] “園田金盃、ニューシーストリーが制す”. netkeiba. (2005年12月1日) 2015年7月20日閲覧。

[netrcd-10] “ビッグウルフの競走成績”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2020年12月30日閲覧。

[net-11] “ビッグウルフの血統詳細”. netkeiba. 2015年7月18日閲覧。

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