ビス(クロロメチル)エーテル
ビス(クロロメチル)エーテル (bis(chloromethyl) ether) とは、有機ハロゲン化物で、エーテルの一種。有機合成試剤として芳香族化合物のクロロメチル化反応などに用いられる。BCME と略称される。
ビス(クロロメチル)エーテル | |
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別称 BCME | |
識別情報 | |
KEGG | C19158 |
特性 | |
化学式 | C2H4Cl2O |
モル質量 | 114.96 |
示性式 | ClCH2OCH2Cl |
外観 | 無色液体 |
密度 | 1.315, 液体 |
融点 |
−41.5 |
沸点 |
106 |
出典 | |
ICSC 0237 | |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
調製
編集パラホルムアルデヒドと塩化水素、クロロスルホン酸から合成される[1]。
用途
編集ルイス酸や強ブロンステッド酸とともに用いることで、芳香環を求電子的にクロロメチル化する。
ほか、エーテル構造「 」のビルディングブロックとして用いられる。
安全性
編集眼や呼吸器に刺激をもたらし、さらに発癌性が知られるため、日本では労働安全衛生法における製造等禁止物質に該当しており、都道府県労働局長の許可を受けた試験研究用途以外は製造・輸入・譲渡・提供・使用が禁止されている[2]。米国EPA極めて危険有害な物質の一覧にも掲載される。
脚注
編集- ^ Buc, S. R. "1,1'-Carbonyldiimidazole." Organic Syntheses, Coll. Vol. 4, p.101 (1963); Vol. 36, p.1 (1956). オンライン版
- ^ 労働安全衛生法施行令 第十六条 第六号
参考文献
編集- Merriman, G. H.; Itsuno, S. in "Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis"; Paquette, L. A. ed.; Vol. 1, pp. 446; John Wiley & Sons: New Jersey, 2003.