ビスモデギブ
ビスモデギブ(英:Vismodegib)はヘッジホッグシグナル伝達経路に対する阻害薬の一種である。現在研究中の医薬品で、様々なタイプの腫瘍に使える分子標的薬として期待されている。開発名はRG3616またはGDC-0449である。 2011年6月現在、アメリカなどで転移性の基底細胞癌での第II相試験を終了しており[1]、転移性大腸癌、肺小細胞癌、進行性胃癌、膵臓癌、髄芽腫で第II相試験が進行中である[2]。日本では中外製薬がライセンスを獲得しており、臨床試験が行われる予定となっている[3]。
IUPAC命名法による物質名 | |
---|---|
| |
臨床データ | |
法的規制 |
|
データベースID | |
ATCコード | none |
PubChem | CID: 24776445 |
UNII | 25X868M3DS |
別名 | GDC-0449, RG-3616 |
化学的データ | |
化学式 | C19H14Cl2N2O3S |
分子量 | 421.30 g/mol |
| |
|
作用機序
編集ビスモデギブはヘッジホッグシグナル経路を構成するSmoothened(SMO)を阻害するアンタゴニストとして働く。このシグナル経路は90%以上の基底細胞癌で活性化していることが知られる[1]。SMOの473番目のアスパラギン酸(D473)に変異がある腫瘍細胞ではビスモデギブに対し耐性を示す[4]。
関連項目
編集- シクロパミン:Smoothenedを阻害する天然化合物。
出典
編集- ^ a b H. Spreitzer (4 July 2011). “Neue Wirkstoffe – Vismodegib” (German). Österreichische Apothekerzeitung (14/2011): 10.
- ^ Molecule of the Month. (June 2011) .
- ^ ヘッジホッグ経路阻害剤「RG3616」のライセンス契約締結について中外製薬2010年02月19日
- ^ Robert L. Yauch et al (2 September 2009). “Smoothened mutation confers resistance to a Hedgehog pathway inhibitor in medulloblastoma.” (English). Science (23 October 2009. vol.326): 572-574.