ビコーズ・ザ・ナイト
「ビコーズ・ザ・ナイト」(Because the Night)は、パティ・スミスとブルース・スプリングスティーンが共作し、1978年にパティ・スミス・グループ名義のアルバム『イースター』からの先行シングルとして発表された楽曲。
「ビコーズ・ザ・ナイト」 | ||||
---|---|---|---|---|
パティ・スミス・グループ の シングル | ||||
初出アルバム『イースター』 | ||||
B面 | ゴッド・スピード | |||
リリース | ||||
規格 | 7インチ・シングル | |||
ジャンル | パンク・ロック、ニュー・ウェイヴ | |||
時間 | ||||
レーベル | アリスタ・レコード | |||
作詞・作曲 | ブルース・スプリングスティーン、パティ・スミス | |||
プロデュース | ジミー・アイオヴィーン | |||
チャート最高順位 | ||||
パティ・スミス・グループ シングル 年表 | ||||
| ||||
「ビコーズ・ザ・ナイト」 | ||||
---|---|---|---|---|
10,000マニアックス の シングル | ||||
初出アルバム『アンプラグド』 | ||||
B面 | ストックトン・ガラ・デイズ(ライヴ) | |||
リリース | ||||
ジャンル | オルタナティヴ・ロック | |||
時間 | ||||
レーベル | エレクトラ・レコード | |||
作詞・作曲 | ブルース・スプリングスティーン、パティ・スミス | |||
プロデュース | ポール・フォックス | |||
チャート最高順位 | ||||
10,000マニアックス シングル 年表 | ||||
| ||||
「ビコーズ・ザ・ナイト」 | ||||
---|---|---|---|---|
カスケーダ の シングル | ||||
初出アルバム『パーフェクト・デイ』 | ||||
リリース | ||||
ジャンル | ユーロダンス | |||
時間 | ||||
レーベル | Zooland Records | |||
作詞・作曲 | ブルース・スプリングスティーン、パティ・スミス | |||
プロデュース | DJマニアン、ヤン・ペイフェル | |||
チャート最高順位 | ||||
カスケーダ シングル 年表 | ||||
| ||||
背景
編集スプリングスティーンは1976年にこの曲の原型を作り始めたが、歌詞はサビの部分を除き未完成のままとなっていた[11]。そして、過去にスプリングスティーンのアルバムでレコーディング・エンジニアを務めていたジミー・アイオヴィーンが、スミスの新作のプロデューサーに起用された縁で、スミスは本作のデモ・テープを聴き[12]、恋人のフレッド・ソニック・スミス(MC5のギタリスト、後にスミスの夫となる)からの電話を待ちわびていた心情を元に、残りの歌詞を書き上げた[13]。
本作はスプリングスティーンのライブでも取り上げられており、1986年発売のボックス・セット『Live/1975-85』には1980年12月28日のライブ音源が収録されたが[14]、ここではスミスの歌詞と異なる部分もあった[11]。一方、スプリングスティーンが2010年に発表したコンピレーション・アルバム『ザ・プロミス〜ザ・ロスト・セッションズ』には、スミスの歌詞に準じたスタジオ録音バージョンが収録された[11]。
なお、2009年にマディソン・スクエア・ガーデンで開催された「ロックの殿堂25周年記念コンサート」では、U2のステージにスミスとスプリングスティーンの両方がゲスト参加して本作を共演し[15]、その模様は2010年発売のライブ・アルバム『The 25th Anniversary Rock & Roll Hall of Fame Concerts』に収録された。また、2018年のトライベッカ映画祭では、スミスのドキュメンタリー映画『Horses: Patti Smith and her Band』のプレミア上映後にスミスのコンサートが行われ、「ビコーズ・ザ・ナイト」ではスプリングスティーンもゲスト参加した[16]。
反響
編集アメリカの総合シングル・チャートBillboard Hot 100では13位に達し、パティ・スミス・グループのシングルとしては唯一の全米トップ40入りを果たした[3]。全英シングルチャートでは12週トップ100入りして最高5位を記録し、スミス唯一の全英トップ40シングルとなった[1]。スウェーデンのシングル・チャートでは10回(20週)連続でトップ20入りして最高9位を記録し、2009年11月13日には57位に再浮上した[2]。
カヴァー
編集10,000マニアックスによるカヴァー
編集10,000マニアックスは、1993年6月1日放映の『MTVアンプラグド』において本作をカヴァーしており[11]、その模様はライブ・アルバム『アンプラグド』(1993年)に収録された。そして、シングル・カットされるとBillboard Hot 100においてオリジナル・ヴァージョンを上回る11位に達し[11]、10,000マニアックスにとって初の全米トップ40シングルとなった[6]。また、『ビルボード』のモダン・トラック・チャートでは7位、アダルト・コンテンポラリー・チャートでは9位を記録している[6]。イギリスでは1993年10月23日付の全英シングルチャートで65位となるが、翌週にはチャート圏外に落ちた[7]。
なお、パティ・スミスは1994年に夫フレッドを亡くし、シングルマザーとして2人の子供を育てていた頃に、10,000マニアックスによるカヴァーの印税が「とても大変な時期から脱却する助けになった」という[13]。そして、スミスは2018年のインタビューで「若い頃に渋々ながら取った選択が、何年も後に私を苦しい時期から助け出してくれたことに感謝している」と振り返っている[13]。
カスケーダによるカヴァー
編集カスケーダは2007年のアルバム『パーフェクト・デイ』で本作をカヴァーした[17]。2008年にシングル・カットされると、母国ドイツでは8週トップ100入りして最高41位を記録し[9]、全英シングルチャートでは6週トップ100入りして最高28位を記録した[8]。
その他
編集脚注
編集- ^ a b PATTI SMITH | full Official Chart History | Official Charts Company
- ^ a b swedishcharts.com - Patti Smith Group - Because The Night
- ^ a b “Patti Smith Group - Awards”. AllMusic. 2015年9月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年9月5日閲覧。
- ^ Patti Smith Group - Because The Night - austriancharts.at
- ^ Patti Smith Group - Because The Night - dutchcharts.nl
- ^ a b c “10,000 Maniacs - Awards”. AllMusic. 2016年4月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年9月5日閲覧。
- ^ a b 10,000 MANIACS | full Official Chart History | Official Charts Company
- ^ a b CASCADA | full Official Chart History | Official Charts Company
- ^ a b Offizielle Deutsche Charts
- ^ Cascada - Because The Night - austriancharts.at
- ^ a b c d e “Because The Night by Bruce Springsteen”. Songfacts. 2021年9月5日閲覧。
- ^ Rose, Caryn (2017年5月28日). “Patti Smith Group: Easter Album Review”. Pitchfork. Condé Nast. 2021年9月5日閲覧。
- ^ a b c Hughes, Hilary (2018年6月21日). “Patti Smith on 'Because The Night' at 40: How Her Bruce Springsteen Collaboration Is 'A Whole Life in A Song'”. Billboard. 2021年9月5日閲覧。
- ^ Bruce Springsteen & The E Street Band - Live / 1975-85 (1986, Vinyl) - Discogs
- ^ “U2, Metallica Bring History-Making Collaborations To Rock Hall Concert”. MTV (2009年10月31日). 2021年9月5日閲覧。
- ^ “パティ・スミスの最新ライヴにブルース・スプリングスティーンと元R.E.M.のマイケル・スタイプがゲスト参加”. amass.jp (2018年4月24日). 2021年9月5日閲覧。
- ^ Mawer, Sharon. “Perfect Day - Cascada”. AllMusic. 2021年9月5日閲覧。
- ^ Rivadavia, Eduardo. “The Final Frontier - Keel”. AllMusic. 2021年9月5日閲覧。
- ^ UA - 雲がちぎれる時 (1996, CD) - Discogs
- ^ “戸川純の芸能活動20周年カバー作「20th Jun Togawa」がアナログに”. ナタリー. ナターシャ (2020年6月25日). 2021年9月5日閲覧。
- ^ “ブリティッシュ・ロック・バンド、スウィートのカヴァー集『New York Connection』がCD化”. amass.jp (2012年4月17日). 2021年9月5日閲覧。
- ^ “Mystic Prophecy To Release 'Monuments Uncovered' Covers Album”. Blabbermouth.net (2017年11月19日). 2021年9月5日閲覧。