ヒカド
概要
編集ダイコン、ニンジン、シイタケなどの野菜類と、肉と魚などを細かく刻んで煮込み、醤油で味付けをする[1]。片栗粉ではなく、すりおろしたサツマイモを最後に入れてひと煮立ちさせ、とろみをつけるのが特徴[1][2][3][4][5]。
秋や冬といった寒い季節によく食べられる[1]。家庭料理としても作られ、料亭などでは卓袱料理の一品として提供されることもある[1]。
歴史
編集1600年代の初期から長崎に伝わる郷土料理である。かつて長崎にいたポルトガル人の宣教師や貿易に携わっていた人たちが、牛肉や豚肉を使ったシチューを作って食べていたが、それが長崎の人々の間に広がり、地元で採れる野菜、肉、魚を使った独自の料理として確立されたものが起源とされる[1]。
江戸時代中期に刊行された料理本には南蛮料理として紹介され[1]、アヒルや鴨肉、イカやエビなどが使用されていた[4]。長崎の旧家に伝わるレシピでは。マグロを使用することもある[4]。
名称
編集ポルトガル語: picado(ピカド)には「(肉などを)細かく刻む」という意味があり、これが転じたもの[1][2][3][4][5]。
出典
編集- ^ a b c d e f g h i j “ヒカド 長崎県”. うちの郷土料理. 農林水産省. 2024年4月15日閲覧。
- ^ a b c 白央篤司 (2019年1月25日). “豚とブリでWうま味の長崎料理「ヒカド」が実にうまいので試してほしい”. ホットペッパー. 2024年4月15日閲覧。
- ^ a b c “学校給食を食べよう!ヒカド”. 長崎市 (2013年3月1日). 2024年4月15日閲覧。
- ^ a b c d 日本調理科学会「〈長崎県〉ヒカド」『いも・豆・海藻のおかず』農山漁村文化協会〈伝え継ぐ日本の家庭料理〉、2021年、26頁。ISBN 978-4540191916。
- ^ a b 露久保美夏『食材編 納豆でのびーるアイスクリーム』偕成社〈キッチンラボ どうしてそうなる? 実験レシピ〉、2023年、30頁。ISBN 978-4035256205。