パティナ英語: patina、発音: [ˈpætɪnə] もしくは [pəˈtnə])とは、物質が色あせ、摩耗し、錆びるなどの経年変化した様子である。日本語では、古色(こしょく)という。

ミネアポリス市庁舎の銅屋根、パティナで覆われている
2012–13年にパティナが除去され、作られたときと同じように見える像(撮影は2015年)

青銅や似たような物質の酸化や化学的変化[1]、木製家具の経年・摩耗・摩擦による変化、皮革製品等の表層のうち、経年や曝露により変化を生じたものを言う。

考古学[1]地質学者・地形学者も、古い石器の経年具合や地層の露出状況に言及する際 patina という用語を使用する。

語源

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Patinaは、ラテン語で「浅い皿」を意味する言葉から来た言葉である。

加工

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美術修復、建築、模倣品レプリカの製作で、物理的・科学的に古色が施されることがある。こういった加工を「古色仕上げ英語版」という。

具体的には、物理的にダメージ加工を施したり、柿渋弁柄硝酸を塗布したり、ガンマー線照射などが行われる。

こういった技術は、絵画修復師英語版保存修復師英語版織物修復師英語版などの文化財の保存修復英語版レプリカの作成に使われる。その一方で贋作の製造にも悪用される。

出典

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  1. ^ a b European Geosciences Union. General Assembly; Přikryl, Richard; Smith, Bernard J.; Geological Society of London (2007). Building Stone Decay: From Diagnosis to Conservation. Geological Society. pp. 295–. ISBN 978-1-86239-218-2. https://books.google.com/books?id=_NS5PaO_LeQC&pg=PA295 26 September 2012閲覧。 

参考文献

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  • Angier, R.H. : Firearm Blueing and Browning, Onslow County 1936.
  • Fishlock, David : Metal Colouring, Teddington 1962.
  • Hiorns, Arthur (1907). Metal Colouring and Bronzing. London. https://archive.org/details/metalcolouringa00hiorgoog 
  • Hughes, Richard; Rowe, Michael. The Colouring, Bronzing and Patination of Metals. London: Thames & Hudson Ltd. ISBN 0-500-01501-5 
  • LaNiece, Susan; Craddock, Paul : Metal Plating and Patination: Cultural, Technical and Historical Developments, Boston 1993.
  • Pergoli Camopanelli, A. : The value of patinaon the antiques market – Affinities and relationships between conservation theories and buyers' taste: NEWS IN CONSERVATION, (31), 2012.
  • Sugimori,E. : Japanese patinas, Brunswick 2004.

関連項目

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