バンバーガー転位(バンバーガーてんい、 Bamberger rearrangement)とは、有機化学における転位反応の一種。N-フェニルヒドロキシアミンに強い鉱酸を作用させ、4-アミノフェノールを得る反応である[1]

バンバーガー転位
バンバーガー転位

この反応は、1894年に E. Bamberger により最初の報告がなされた[2]

バンバーガー転位の機構は、下の図のように考えられている。

バンバーガー転位の機構
バンバーガー転位の機構

N-フェニルヒドロキシアミン (1) あるいは共役酸の 2 から、酸素がプロトン化された 3 が生じ、そこから脱水が起こるとニトレニウムイオン 4 となる(ニトレニウムとは、2配位の窒素カチオンのこと)。4が発生すると、その芳香環のパラ位へ水分子が速やかに付加し、生成物の 4-アミノフェノール (5) となる。すなわち、この転位反応は分子間転位であり、生成物のヒドロキシ基は、基質 1 の窒素上にあったヒドロキシ基とは異なる。

参考文献

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  1. ^ 総説: Shine, H. J. Aromatic Rearrangement, Elsevier, Ner York, 1967, pp. 182-190.
  2. ^ Bamberger, E. Ber. Deutsche Chemische Gesellschaft 1894, 27, 1347, 1548.