ハーレーダビッドソン・ダイナ
ダイナ (Dyna) とは、アメリカのオートバイメーカー、ハーレーダビッドソンが製造していたオートバイシリーズの一種。ハーレーラインナップの中ではダイナファミリーと呼ばれている。
概要
編集1971年に登場したV型ツインエンジンのFLとスポーツスターXLのフレームを合わせて誕生したFXを起源とし「FX 1200 Super Glide」が誕生[1]。専用のリアサスペンションとトランスミッションによりスポーティーな走りをする。エンジンはフレームにラバーマウントされているためバランサーはない。ハーレーダビッドソンの中で唯一FXDWGを除いてミッドコントロールとなっており、小柄な体格でも扱いやすくなっている。
1982年には「FXR」が登場[1]。車体のベースとされたのは「FLT Tour Glide」で若干フレーム直径が大きく、ステアリングヘッド周辺の構造は簡略化されていた。
1991年「ダイナ」シャシーが登場し「FXDB Dyna Glide Sturgis」に初めて採用された。ダイナシャシー最大の特徴は、FX系の特徴だったラバーマウントを3点から2点に減らしていたことで、これにより振動吸収に関してはデメリットであったものの、生産効率は向上した。 こうして誕生したダイナシャシーは、「別にアメリカ大陸横断するワケじゃないし、気持ちよく、カッコよく、ハーレーで走りたいよ!」というバイカーを中心に、着実に支持を集めた[1]。
2017年をもってシリーズ製造が終了し、ソフテイルシリーズに統合された。
ダイナファミリー
編集- FXDWG - ワイドグライドとも表記。ダイナで唯一フォワードコントロールを採用している。
- FXDF - ファットボブとも表記。
- FXDB - ストリートボブとも表記。
- FXDL - ローライダーとも表記。
- FXD - スーパーグライドとも表記。
- FXDC - スーパーグライドカスタムとも表記。
- FXDX - スーパーグライドスポーツとも表記。
- FLD - スイッチバックとも表記。
エピソード
編集フランシスコ法王は、ハーレーダビッドソン社製のオートバイを所有していることから、同社は2013年6月、創業110周年を記念して法王にスーパーグライドを進呈した。法王は、このオートバイを一度も乗ることなく、自らのサインをした上で慈善団体に寄付。2014年に慈善団体がオークションにかけたところ、21万1500ユーロ(約3000万円)で落札された。21世紀に製造されたオートバイとしては、最高額の取引事例となっている[2]。
出典
編集- ^ a b c “勝手に予想!今後ダイナファミリーが復活する事はあるのか?|ハーレーライフを10倍楽しむためのコラム集|GUTS CHROME”. ガッツクローム. 2024年5月14日閲覧。
- ^ “法王のハーレー、3000万円で落札”. AFP (フランス通信社). (2014年2月7日) 2014年2月8日閲覧。