ハグロトンボ(羽黒蜻蛉、Calopteryx atrata)は、カワトンボ科トンボ。別名ホソホソトンボ

ハグロトンボ
ハグロトンボ♂
ハグロトンボ♂
2006年9月7日撮影、兵庫県豊岡市
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: 昆虫綱 Insecta
: トンボ目 Odonata
亜目 : イトトンボ亜目 Zygoptera
上科 : カワトンボ上科 Calopterygoidea
: カワトンボ科 Calopterygidae
亜科 : カワトンボ亜科 Calopteryginae
: アオハダトンボ属 Calopteryx
: ハグロトンボ C. atrata
学名
Calopteryx atrata
Selys, 1853
シノニム

Atrocalopteryx atrata
(Selys, 1853)

和名
ハグロトンボ(羽黒蜻蛉)

分布

編集

東アジア日本朝鮮半島中国ロシア)、北米に分布する。日本国内では東北本州四国九州に分布する(北海道に拡大した可能性がある[1]

特徴

編集

成虫

編集
飛翔の40倍高速度撮影
実時間0.55秒

成虫体長は 57-67mm、後翅長 35-44mm ほどで、トンボとしてはやや大型。の方がより若干大きいが、大差はない。が黒いのが特徴で、斑紋はなく、雄は体色が全体的に黒く緑色金属光沢があるのに対し、雌は黒褐色である。他のトンボのように素早く飛翔したりホバリングしたりせず、チョウのようにひらひらと舞うように羽ばたく。その際、パタタタ……と翅が小さな音を立てる。どこかに留まって羽根を休める際もチョウのように羽根を立てた状態で、四枚の羽根を重ねて閉じるという特徴がある。

幼虫

編集

幼虫ヤゴ)は体長22~26mmほどで、体色は淡い褐色である。

生態

編集

成虫は5~10月頃まで見られ、とくに7~8月に多い。主に平地から低山地のヨシなどの抽水植物や、エビモバイカモなどの沈水植物などが茂る緩やかな流れに生息する。幼虫は、おもに夜半から早朝にかけて、挺水植物などに定位して6~7月頃に羽化する。羽化後の若い個体は薄暗いところを好み、水域から離れての中で生活するが、成熟すると再び水域に戻り、明るい水辺の植物などに止まり縄張りを張る。交尾後、雌は水面近くの水中植物に産卵する。

絶滅危惧

編集

日本においては、地域によっては絶滅危惧種にも指定されているように、例えば東京都では絶滅危惧Ⅱ類、青森県では準絶滅危惧種などと、個体数が少なくなっている地域も存在する。

類似種

編集

奄美大島、徳之島、沖縄本島には本種によく似たリュウキュウハグロトンボ Matrona basilaris japonica があるが、この種はタイワンハグロトンボの亜種であり、属のレベルで異なる。

ギャラリー

編集
   
雄、腹部が緑色をしている 雌、腹部が黒い色をしている
   
翅脈 羽を広げたところ

関連項目

編集

脚注

編集

外部リンク

編集