ハイポノーマル作用素
数学の、特に作用素論の分野におけるハイポノーマル作用素(ハイポノーマルさようそ、英: hyponormal operator; 劣正規作用素)とは、正規作用素のある一般化である。一般に、ある複素ヒルベルト空間上の線型作用素 T が p-ハイポノーマル()であるとは、
が成り立つことを言う。すなわち、 が正作用素であることを言う。 なら、T はハイポノーマル作用素と呼ばれる。 なら、T は半ハイポノーマル作用素と呼ばれる。さらに、T が log-ハイポノーマルであるとは、それが可逆で
を満たすことを言う。可逆な p-ハイポノーマル作用素は log-ハイポノーマルである。一方、すべての log-ハイポノーマル作用素が p-ハイポノーマルであるという訳ではない。
半ハイポノーマル作用素の類は Xia によって導入され、p-ハイポノーマル作用素の類はアルスゲ(Aluthge)によって研究された。アルスゲの使用した手法は今日、アルスゲ変換と呼ばれている。
すべての部分正規作用素(特に、正規作用素)はハイポノーマルであり、すべてのハイポノーマル作用素はパラノーマルな凸型作用素である。しかしすべてのパラノーマル作用素がハイポノーマルであるという訳ではない。