ノート:細胞接着
質問
編集後ろの方ですが、「細胞接着は生命の基本原理」という表現がありますね。これに出典はありますか?あと、単細胞生物においても基本原理なのでしょうか?--Ks(会話) 2013年9月19日 (木) 03:18 (UTC)
回答
編集回答が遅くなり失礼しました。海外滞在とその事前・事後処理のため、思いのほか長期間にわたり時間をとれませんでした。返事が遅くなり失礼しました。
どのような出典を想定されているのかわかりませんが、細胞生物学の著名な教科書「THE CELL 細胞の分子生物学」では「細胞接着(広義)」は1つの章を形成しています。他の教科書も同様だと思います。「細胞接着は生命の基本原理」という言葉そのものの出典を調べていませんが、概念として、「細胞接着は生命の基本原理」と扱われていると考えられます。
細胞接着は多細胞生物の基本的な仕組みです。単細胞生物においては基本原理ではありません。
しかし、単細胞生物、細菌、ウイルス、ファージも細胞や細菌にコンタクト(この用語が適切かどうか、ツッコまないでください)します。このコンタクトを「細胞接着」という用語で呼ばず、「接合 (生物)」や「感染」という用語で呼びますが、分子機構としては、仕組みが類似していると考えさせる論文もあります。
1.ウイルスの例 出典:G. Fox, N.R. Parry, P.V. Barnett, B. McGinn, D.J. Rowlands, F. Brown The cell attachment site on foot-and-mouth disease virus includes the amino acid sequence RGD (Arginine-Glycine-Aspartic Acid) J. Gen. Virol., 70 (1988), pp. 625–637
2.多細胞生物の「細胞接着」分子であるインテグリンがbacterial polysaccharides やviral coat proteinsに結合する記述がある。 出典:Integrins: An Overview of Structural and Functional Aspects - Madame Curie Bioscience Database - NCBI Bookshelf http://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK6259/
それで、「単細胞生物においては基本原理ではありません」としました。なお、すべての生物体に適用されなくても、生命現象を営む基本の1つという意味で、「細胞接着は生命の基本原理」は概念の把握に問題ないと思いました。
思っても見ないご質問をいただき、振り返って考えました。このような機会を与えてくれたことを感謝します。--夏目・龍之介(会話) 2014年3月5日 (水) 11:20 (UTC)
- ぶしつけな質問に対して、丁寧なご返事、ありがとうございます。興味深い話を聞かせて頂きまして、感謝いたします。そういうことでしたら、私としてはこれ以上申すことはありません。ありがとうございました。--Ks(会話) 2014年3月5日 (水) 12:03 (UTC)