ノベルズ(novels、ノベルス[注釈 1])とは、出版形式のひとつで、日本の出版業界において一般に新書サイズ(新書判)の小説、あるいはそのシリーズを表す。特に大きさについて言う場合には、ノベルズ判(ノベルス判)という言葉が用いられる[1]

イギリスのペンギン・ブックス(Penguin Books Ltd.)などのペーパーバックのシリーズを参考にしてつくられたといわれる[2][3]

サイズは新書判と同様、173mm×105mm程度である。

概要

編集

1950年代には、岩波新書も一時期小説作品を新書で刊行したり、角川書店が角川小説新書を刊行したりと、新書判の小説叢書も存在したが、この形式を定着させたのは、1959年創刊のカッパ・ノベルス光文社)がベストセラーを連発したことが大きい。また、海外ミステリーを中心としたハヤカワ・ポケット・ミステリ早川書房)の存在も大きい。

特にカッパ・ノベルスは松本清張点と線』など、推理小説の牙城として君臨。また小松左京の『日本沈没』など、SFもよく書かれた。社会派ミステリーは上製本にやや押されつつあったが、本格派推理小説が大きな存在感を示していた。また西村京太郎をはじめとする旅情ミステリーのシェアも大きい。

ジャンルとしては、ミステリの他に、架空戦記ファンタジー、中高生向けの小説もある。

2019年現在、刊行点数は減少傾向にある。

一般向け

編集

廃刊・休刊

編集

児童書

編集

ライトノベル

編集

廃刊・休刊

編集

少年向け

編集

少女向け

編集

男性向け

編集

女性向け

編集

廃刊・休刊

編集

コミック

編集

レーベル名のないノベルズを刊行している出版社

編集

レーベル名を正式に定めずノベルズのシリーズを刊行している出版社がある[注釈 3]

  • 新潮社 - 西村京太郎『生死の分水嶺・陸羽東線』など
  • 文藝春秋 - 西村京太郎『消えたなでしこ』など
  • 小学館 - 西村京太郎『十津川警部 犯人は京阪宇治線に乗った』など
  • 集英社 - 西村京太郎『十津川警部 三陸鉄道北の愛傷歌』など

脚注

編集

注釈

編集
  1. ^ 英語novelsの正しい発音に近いのはノベルズであるが、ノベルスとされる場合も多い。
  2. ^ 公式サイトでは「カドカワエンタテインメント」と中黒は入っていないが、実際のカバーや帯の表記は中黒が入っている。
  3. ^ 書店などで便宜的に小学館ノベルス 、集英社ノベルスなどと名付けていても正式な名称ではない。またこれらの出版社も過去には小説新書(新潮社)、ポケット文春、コンパクトブックス(集英社)というレーベルを持っていた。

出典

編集

関連項目

編集