ノウルシ(野漆、草䕡茹[1] 学名:Euphorbia adenochlora)は、北海道から九州の河川敷湿地に生育する高さ30 - 50センチメートルほどの多年草。和名の由来は、に傷をつけるとウルシ(漆)に似た白乳液が出ることからきている。有毒植物の一つ。

ノウルシ
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : バラ類 rosids
階級なし : 真正バラ類 I eurosids I
: キントラノオ目 Malpighiales
: トウダイグサ科 Euphorbiaceae
亜科 : トウダイグサ亜科Euphorbioideae
: トウダイグサ属 Euphorbia
: ノウルシ E. adenochlora
学名
Euphorbia adenochlora C.Morren et Decne.
シノニム

Galarhoeus adenochlorus
(C.Morren et Decne.) H.Hara

和名
野漆(ノウルシ)

特徴

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苞葉と花序

葉の形は、楕円形ないし披針形で縁に鋸歯(ギザ)はなく、生え方は、互生。茎先に輪生した5葉をつけ、その葉の脇から5本の散形枝を出し、その先に杯状に3つの総包片をつけ、各総苞片の腋から細枝を出し、その先に更に2つの黄色い苞葉を出し、またその腋から各々細枝を出し、花序という淡黄色の1本の雌蕊からなる雌花と1本の雄しべからなる多数の雄花が頂生する。1つの総苞の中に6つの所謂「花」が咲いているように見える。この黄色く花びらのように見える杯状の総苞の中に1つの雌花と多数の雄花が収まった様子を杯状花序という。果実(蒴果)には、イボ状の突起がある。

近縁種

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よく似たものに、腺体の形がノウルシでは楕円形であるが、三日月形をしたセンダイタイゲキ(Euphorbia sendaica Makino)がある。

また、この植物の仲間には、蒴果が球形の(表面に突起のない)マルミノウルシ(Euphorbia ebracteolata Hayata) や深山に自生するハクサンタイゲキ(Euphorbia togakusensis Hayata)などがある。また、マルミノウルシは、別名をベニタイゲキといい、ハクサンタイゲキは、ミヤマノウルシオゼタイゲキオゼヌマタイゲキともいう。

保全状況評価

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  • 環境省第4次レッドリスト見直し(2013.2.1)

準絶滅危惧(NT)環境省レッドリスト

湿原や河川敷の減少などに伴い、存続基盤が脆弱な種となっている[2]

画像

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脚注

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  1. ^ 『難訓辞典 中山泰昌編』東京堂出版、1956年。 
  2. ^ レッドリスト(植物I)維管束植物”. 環境省 (2012年8月28日). 2013年7月6日閲覧。
  3. ^ ノウルシ 都道府県のRDB指定状況”. 日本のレッドデータ検索システム  (2012年5月17日). 2013年7月6日閲覧。

関連項目

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