ニューバランスカップは、スポーツ用品メーカーのニューバランス(ニューバランスジャパン)が特別協賛する高校サッカーの全国大会。以下の2種類の大会が存在する。

  1. 毎年1月上旬に静岡県御殿場市裾野市時之栖スポーツセンターで行われている「新春高校サッカー強化研修大会」の通称である「ニューバランスカップ in 時之栖」。
  2. 毎年7月に大阪府堺市堺市立サッカー・ナショナルトレーニングセンター(J-GREEN堺)で行われている「堺ユースサッカーフェスティバル」におけるカップ戦の一つの「ニューバランスカップ[1]

本項目では1.について記す。

概要

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高校サッカーを始め、様々なカテゴリーのサッカーチームの合宿施設として活用される時之栖スポーツセンター[2]が、その年度の全国高等学校サッカー選手権大会の都道府県予選で敗退した、選手権出場歴のある「強豪校」を集め、各高校の新チームの強化を目的に開催される研修大会[3]で、『裏選手権』の通称を持つ[4]。長年「時之栖カップ」という名称で呼ばれ、企業協賛は断り続けていたが、時之栖側がニューバランスの理念に共感したこともあり、2016年よりニューバランスが特別協賛を開始しこの大会名となっている[5]

大淀高校サッカー部監督から転身して時之栖スポーツセンターの運営に長年携わり、運営会社の株式会社時之栖の相談役を務めていた阿部章[2]の「合宿の利用で足しげく時之栖に通ってくれた高校にお礼をしよう」という発想から、選手権予選で敗退した高校に「テレビで選手権を見るのが嫌だろうから、正月にうちでサッカーをやってはどうか」と声をかけたのが大会の始まり[5]で、2016年大会で20回の大会回数を数える[6]

参加校数や大会方式は毎年微妙に変更されるが、2025年大会を例に挙げると、全36校を4校ずつ9グループに分け、各グループ最上位校と各グループ2位のうち成績上位7校の計16校が決勝トーナメントを戦う[3]。新チームの強化を目的としていることもあり、試合中にレッドカードにより選手が退場となった場合も交代選手の中から補充できる特別ルールが採用されていたり[5]、各グループで決勝トーナメント進出を逃したチーム同士での交流試合(フレンドリーマッチ)を行い、全ての出場校が大会期間中に一定の試合数をこなすことが出来るのも大会の特長となっている[6]

この大会に出場した高校は試合経験が積まれ、以降の高校サッカーでの活躍が見られる。2004年の時之栖カップの決勝戦は鹿児島実業高校市立船橋高校で鹿児島実業高校が優勝したが、翌年の第83回選手権の決勝戦で鹿児島実業高校と市立船橋高校が対戦(鹿児島実業高校が優勝)[5]し、さらに2005年の時之栖カップで優勝した野洲高校が翌年の第84回選手権で優勝。このような形で本大会と選手権の関連性が話題となったことで、『裏選手権』と呼ばれるようになった[5]

過去の結果

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優勝校・準優勝校一覧(2016年以降)
開催年 優勝校 準優勝校 出典
2016年 流経大柏 静岡学園 [7]
2017年 西武台 札幌大谷 [8]
2018年 浜松開誠館 東海大相模 [9]
2019年 静岡学園 日大藤沢 [10]
2020年 滝川第二 東海大大阪仰星 [11]
2021年 静岡学園 帝京 [12]
2022年
(両校優勝) [13]
2023年 流経大柏 八千代 [14]
2024年 山梨学院 横浜創英 [15]
2025年

脚注

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  1. ^ 大会実施要項”. 堺ユースサッカーフェスティバル公式サイト. 2025年1月3日閲覧。
  2. ^ a b 浅田真樹 (2016年12月6日). “日本サッカーを支える巨大施設に込められた、元教師の「部活への思い」”. web Sportiva. 2025年1月3日閲覧。
  3. ^ a b ニューバランス フットボール 「ニューバランスカップ in 時之栖 2025」1月3日(金)より静岡県・時之栖にて開催』(プレスリリース)、ニューバランスジャパン、2024年12月27日。2025年1月3日閲覧
  4. ^ 「NEWBALANCE CUP IN TOKINOSUMIKA」に昌平、帝京長岡、桐光学園、東山など強豪36校が出場。成長と“裏選手権”制覇を目指す”. ゲキサカ (2024年12月27日). 2025年1月3日閲覧。
  5. ^ a b c d e 浅田真樹 (2016年12月6日). “鹿実も野洲も『時之栖』をステップに高校サッカー日本一になった”. web Sportiva. 2025年1月3日閲覧。
  6. ^ a b 浅田真樹 (2016年1月2日). “ファン注目。今年の高校サッカー界を占う「ニューバランスカップ」”. web Sportiva. 2025年1月3日閲覧。
  7. ^ 後半静岡学園を圧倒した流経大柏が、新生“裏選手権”の王者に!!”. ゲキサカ (2016年1月7日). 2025年1月3日閲覧。
  8. ^ 1年後は選手権の舞台で…西武台がニューバランスカップを制す”. サッカーキング (2017年1月9日). 2025年1月3日閲覧。
  9. ^ 地元静岡・浜松開誠館、東海大相模を下して“裏選手権”の王者に!”. ゲキサカ (2018年1月7日). 2025年1月3日閲覧。
  10. ^ 静岡学園、4発で高校サッカー“裏選手権”逆転V”. スポーツ報知 (2019年1月6日). 2025年1月3日閲覧。
  11. ^ 決勝は初の関西勢対決。7試合中6試合無失点の滝川二が“裏選手権”制す!”. ゲキサカ (2020年1月6日). 2025年1月3日閲覧。
  12. ^ 昨冬の選手権王者・静岡学園、帝京を2-0で退け裏選手権制覇【裏選手権】”. 高校サッカードットコム. 2021年1月6日閲覧。
  13. ^ “裏選手権”は「雪の決勝」に。帝京、昌平ともに譲らず、両校V”. ゲキサカ (2022年1月6日). 2025年1月3日閲覧。
  14. ^ 2023年 新春高校サッカー強化研修大会(裏選手権) 2023.01.06 決勝トーナメント決勝 流通経済大柏 vs 八千代”. 高校サッカードットコム. 2025年1月3日閲覧。
  15. ^ 2024年 新春高校サッカー強化研修大会(裏選手権) 2024.01.06 決勝トーナメント決勝 山梨学院高等学校 vs 横浜創英”. 高校サッカードットコム. 2025年1月3日閲覧。