ナンブトラノオ(南部虎の尾、学名:Bistorta hayachinensis )はタデ科イブキトラノオ属多年草[3][4][5][6]

ナンブトラノオ
岩手県早池峰山 2014年8月
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 Core eudicots
: ナデシコ目 Caryophyllales
: タデ科 Polygonaceae
: イブキトラノオ属 Bistorta
: ナンブトラノオ B. hayachinensis
学名
Bistorta hayachinensis (Makino) H.Gross[1]
シノニム
  • Polygonum hayachinense Makino[2]
和名
ナンブトラノオ(南部虎の尾)[3]

特徴

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多年草で全体に無毛。地下の根茎は太い。根出葉は数個つき、葉柄があり、葉身は長さ3-8cm、幅1.5-3.5cmになる卵状楕円形で、先端は鈍形、基部は浅い心形から円形になり、葉柄に翼はない。葉質は厚く、表面は深緑色で光沢があり、裏面は緑白色を帯びる。は根出葉の間から直立し、高さ15-30cmになり、茎には2-3個の小さなが互生する[3][4][5][6]

花期は7-8月。茎先に総状花序を1個つけ、花穂は円柱形で長さ1-3cmになり、淡紅色のを密につける。花に花弁はなく、が花冠状に深く5裂し、萼片は卵状楕円形で長さ3-4mmになる。雄蕊は8個あり、花糸は糸状で細く、葯は小さい。子房の先に花柱が3個つき、糸状になる。果実痩果で、3稜をもつ長さ約3mmの楕円形になり、黒褐色で光沢がある[3][4][5][6]

しばしば「雄蕊は10個」とされるが、それは誤りである[7]

分布と生育環境

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日本固有種。本州の岩手県早池峰山の特産種で、高山帯の蛇紋岩地の日当たりのよい礫地に生育する[3][4][5][6]

名前の由来

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ナンブトラノオナンブは産地である岩手県の南部地方から、種小名hayachinensis は、標本採集地の岩手県の「早池峰山の」の意味[6]

保全状況評価

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絶滅危惧IA類 (CR)環境省レッドリスト

(2012年環境省レッドリスト)

ギャラリー

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脚注

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  1. ^ ナンブトラノオ 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  2. ^ ナンブトラノオ 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  3. ^ a b c d e 『山溪ハンディ図鑑8 高山に咲く花』p.365
  4. ^ a b c d 『日本の野生植物 草本II 離弁花類』p.18
  5. ^ a b c d 『山溪カラー名鑑 日本の高山植物』p.508
  6. ^ a b c d e 『新牧野日本植物圖鑑』p.78,p.1329
  7. ^ 『改訂新版 日本の野生植物 4』p.87

参考文献

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