ナムラコクオー

日本の競走馬

ナムラコクオー(欧字名:Namura Kokuo1991年5月6日 - 2019年8月3日[1]は、日本競走馬。主な勝ち鞍は1994年NHK杯シンザン記念1993年ラジオたんぱ杯3歳ステークス1996年プロキオンステークス、ほか地方重賞2勝。

ナムラコクオー
欧字表記 Namura Kokuo[1]
品種 サラブレッド[1]
性別 [1]
毛色 黒鹿毛[1]
生誕 1991年5月6日[1]
死没 2019年8月3日(28歳没)[2]
キンググローリアス[1]
ケイジヨイナー[1]
母の父 サドンソー[1]
生国 日本の旗 日本北海道門別町[1]
生産者 伊藤真継[1]
馬主 奈村信重
→宮田靜喜
→中村美子
→宮田靜喜
→北山淳子[1]
調教師 野村彰彦(栗東
→堅田忠雄(高知・1戦)
→山岡恒一(高知・1戦)
→松下博昭(高知・11戦)
→田中守(高知・19戦)[1]
競走成績
生涯成績 47戦27勝(うち地方競馬33戦21勝)[1]
獲得賞金 2億1777万5000円[1]
勝ち鞍 GII:NHK杯(1994年)
GIII:ラジオたんぱ杯3歳S(1993年)
GIII:シンザン記念(1994年)
GIII:プロキオンS(1996年)
黒潮スプリンターズC(1999年)
建依別賞(2003年)[1]
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「打倒ナリタブライアン」の筆頭とされ、1994年中央競馬のクラシック路線を賑わせた一頭である。1996年からは高知競馬に移籍。2005年12月6日に引退するまで10年以上に渡って現役を続けた。脚部不安に悩まされ幾度も故障するが、そのたびに復活し走り続ける姿がファンの人気を集めた。

馬名の由来は、冠名+「黒王」。本馬の毛色が黒鹿毛であることからの連想となっている[3]

経歴

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競走馬時代

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中央競馬時代

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ナムラコクオーのデビューは1993年9月19日である。デビュー戦と2戦目の新馬戦をともに2着し、3戦目の未勝利戦で勝ち上がった。その後も順調に勝ち星をあげ、その年のラジオたんぱ杯3歳ステークスに駒を進めた。同競走ではここまで5戦2勝2着3回の好成績にも関わらず、全てダート競走だったことが嫌われたのか6番人気にとどまった。しかしそれに反発するように人気馬を抑えて重賞初勝利を挙げる。翌1994年、初戦のシンザン記念を制し、ナムラコクオーは既に朝日杯3歳ステークスを制していた同世代のナリタブライアンの対抗1番手として期待された。皐月賞トライアル弥生賞でも1番人気に推されたが3着に敗れ、同時に屈腱炎を発症してしまい皐月賞は回避することとなった。

一時は春シーズンは絶望とされたが症状は軽く(すぐ復帰できたことから屈腱炎は誤診では無いかという意見が多く出た)NHK杯で復帰するとヤシマソブリンを破り復帰初戦を飾った。そして打倒ナリタブライアンを目指して東京優駿(日本ダービー)に出走する。ナムラコクオーは2番人気とはいえ単勝のオッズは8.6倍に過ぎず、レースでは10馬身以上はなされた6着に終わった。不幸なことに競走中に骨折しており、その後マイル路線に標準を定めて秋はスワンステークスからの復帰を予定したが、屈腱炎を再発し休養に入る。

復帰には2年近くかかり、1996年2月の仁川ステークスに出走。だがナムラコクオーの傷跡は大きく、次走の産経大阪杯では最下位に敗れた。起死回生策としてダートプロキオンステークスへ矛先を変えると実に2年ぶりの勝利をものにした。だが、京王杯スプリングカップ13着、かしわ記念4着を経てまたもや脚部不安を発症した。経過は思わしくなく中央登録を抹消され高知競馬場に移籍することになる。

高知競馬時代

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主戦騎手だった中越豊光は、跨った瞬間「中央の一流馬は物が違う」と思ったが、だが脚元を見て「こりゃダメだ」と思った。屈腱炎は致命傷。しかしこんな事は地方競馬では日常茶飯事。調教師の松下は桂浜にある休養専門厩舎に入厩させ、根気よく砂浜で歩かせるなど屈腱炎治療に専念した[4]

移籍初戦は翌年の1月、初戦を2着とすると脚部不安の休養を経て10ヶ月後に出走も再び2着。そして屈腱炎を再発しさらに1年間の休養。

翌1998年の10月に復帰すると翌1月のA級戦で3年ぶりの勝利を飾った。復帰直前にはかつて共に走ったナリタブライアンが死亡していたうえ、ナムラコクオーもすでに7歳(旧8歳)になっており同期の馬はほとんど引退していた中での勝利であった。しかし脚部不安は直らず特別戦2着の後休養へ。

8月に復帰したときはC級に落ち、さすがにここでは実力が違い5連勝、そして6連勝目で高知の重賞黒潮スプリンターズカップを制し高知競馬場のトップホースの1頭に上り詰めていた。だが高知県知事賞で競走中止になり1年後に復帰したA級戦でもまたもや競走中止となり屈腱炎を発症。

2年後に奇跡的に復帰するも、すでにナムラコクオーは11歳。だがクラスが最下級のE級まで落ちていたこともあり一気に7連勝を飾ると2003年の3月には統一重賞黒船賞に出走し4番人気に支持され、GI優勝馬ノボジャックノボトゥルーと10馬身余りの差で9着に入っている。その後C,B級を7連勝、だが脚部に不安を抱え2003年9月27日のAB混合戦を最後に、2005年12月6日、およそ12年間にも渡る競走生活に終止符を打った。

引退後

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引退後は高知県土佐黒潮牧場で余生を送っていたが、2019年8月3日、心筋梗塞のため死亡した[2]。28歳没。

競走成績

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以下の内容は、netkeiba.com[5]に基づく。

競走日 競馬場 競走名 距離(馬場)


オッズ
(人気)
着順 タイム
(上り3F)
着差 騎手 斤量
[kg]
1着馬(2着馬) 馬体重
[kg]
1993.09.19 阪神 3歳新馬 ダ1200m(良) 7 1 1 017.70(5人) 02着 R1:15.5(39.1) -0.2 0上村洋行 52 シアトルフェアー 466
0000.10.03 阪神 3歳新馬 ダ1400m(良) 14 4 5 007.30(3人) 02着 R1:26.4(37.5) -0.5 0上村洋行 52 マイティスマイル 466
0000.10.17 京都 3歳未勝利 ダ1400m(良) 13 1 1 001.20(1人) 01着 R1:25.5(37.0) -0.3 0上村洋行 52 (スナークダンディ) 468
0000.11.07 京都 もちの木賞 500万下 ダ1400m(良) 16 6 11 005.00(2人) 02着 R1:24.8(38.1) -0.3 0上村洋行 54 シスターソノ 468
0000.12.05 阪神 3歳500万下 ダ1200m(良) 10 4 4 001.50(1人) 01着 R1:12.4(36.5) -1.2 0上村洋行 53 (ラガーチャンス) 472
0000.12.25 阪神 ラジオたんぱ杯3歳S GIII 芝2000m(良) 16 3 5 018.80(6人) 01着 R2:05.7(37.6) -0.7 0上村洋行 54 (パリスナポレオン) 476
1994.01.16 阪神 シンザン記念 GIII 芝1600m(良) 12 3 3 001.50(1人) 01着 R1:36.8(36.9) -1.1 0上村洋行 56 イイデライナー 478
0000.03.06 中山 弥生賞 GII 芝2000m(良) 11 1 1 002.00(1人) 03着 R2:01.7(36.1) -0.4 0上村洋行 55 サクラエイコウオー 482
0000.05.08 東京 NHK杯 GII 芝2000m(良) 16 2 4 002.30(1人) 01着 R2:01.9(35.6) -0.4 0南井克巳 56 ヤシマソブリン 484
0000.05.29 東京 東京優駿 GI 芝2400m(良) 18 5 10 008.60(2人) 06着 R2:27.6(37.7) -1.9 0上村洋行 57 ナリタブライアン 486
1996.02.24 阪神 仁川S OP ダ1800m(良) 13 6 8 005.80(2人) 04着 R1:54.2(38.2) -0.5 0上村洋行 58 マルカイッキュウ 488
0000.03.31 阪神 産経大阪杯 GII 芝2000m(稍) 12 5 6 008.20(3人) 12着 R2:02.3(36.0) -1.6 0上村洋行 58 タイキブリザード 488
0000.04.13 阪神 プロキオンS GIII ダ1400m(良) 16 1 1 010.40(5人) 01着 R1:23.6(36.9) -0.1 0上村洋行 57 (ビッグショウリ) 486
0000.05.11 東京 京王杯SC GII 芝1400m(良) 15 4 6 010.40(5人) 13着 R1:22.7(36.4) -1.6 0岸滋彦 58 ハートレイク 486
0000.05.29 船橋 かしわ記念 G2 ダ1600m(良) 12 5 6 00 - 00(3人) 04着 R1:40.2 -0.8 0岸滋彦 57 ヒカリルーファス 488
1997.01.15 高知 A1 ダ1800m(良) 9 4 4 00 - 00(2人) 02着 R2:00.2 -0.2 0中越豊光 56 メモリーキャッチ 481
0000.11.09 高知 A2 ダ1600m(良) 10 1 1 00 - 00(1人) 02着 R1:46.4 -0.1 0中越豊光 56 ラッキーダイオー 488
1998.10.18 高知 土佐山田町打刃物とやっこねぎ特別 A2 ダ1600m(重) 10 8 10 00 - 00(1人) 06着 R1:45.0 -3.1 0中越豊光 55 メイショウタイカン 492
0000.11.09 高知 一条神社大祭特別 A ダ1600m(良) 8 2 2 00 - 00(1人) 05着 R1:45.6 -1.0 0中越豊光 53 ブリッジテイオー 491
1999.02.01 高知 A2 ダ1600m(重) 11 8 11 00 - 00(4人) 01着 R1:44.7 -0.5 0中越豊光 55 (マラキムジュニア) 511
0000.02.14 高知 池川町緑と清流の町特別 A ダ1600m(稍) 8 2 2 00 - 00(3人) 02着 R1:45.0 -0.1 0中越豊光 53 トウショウライデン 488
0000.08.09 高知 C34 ダ1400m(不) 9 7 7 00 - 00(1人) 01着 R1:28.3 -0.4 0田中守 55 (ワイルドバーリー) 502
0000.08.21 高知 C32 ダ1300m(不) 10 7 7 00 - 00(1人) 01着 R1:22.9 -0.3 0中越豊光 55 (ジャストタッチ) 502
0000.09.05 高知 C24 ダ1300m(不) 9 5 5 00 - 00(1人) 01着 R1:22.6 -0.9 0中越豊光 55 (ノムラアトラスオー) 507
0000.09.18 高知 C23 ダ1400m(重) 10 3 3 00 - 00(1人) 01着 R1:30.7 -0.4 0中越豊光 55 (ハクタイセイコー) 504
0000.11.01 高知 愛媛県いしづち特別 C1 ダ1600m(不) 10 7 8 00 - 00(1人) 01着 R1:41.2 -2.0 0中越豊光 55 (ニチドウショウハイ) 500
0000.11.21 高知 黒潮スプリンターズC 重賞 ダ1400m(良) 12 6 7 00 - 00(2人) 01着 R1:27.7 -1.0 0中越豊光 53 (エイシングランツ) 505
0000.12.31 高知 高知県知事賞 重賞 ダ2400m(良) 12 6 8 00 - 00(1人) 競走中止 0田中守 57 ウォーターダグ 508
2000.11.05 高知 A4 ダ1600m(稍) 10 7 7 00 - 00(1人) 競走中止 0中越豊光 55 リックファントム 512
2002.08.12 高知 E級7組 ダ1400m(重) 11 1 1 00 - 00(1人) 01着 R1:33.5 -1.0 0中越豊光 55 (アサクサタブレット) 525
0000.09.14 高知 E級3組 ダ1400m(良) 9 2 2 00 - 00(2人) 01着 R1:31.8 -0.5 0中越豊光 55 (シンボリクラウン) 527
0000.10.06 高知 E級1組 ダ1300m(良) 9 6 6 00 - 00(1人) 01着 R1:24.5 -0.9 0中越豊光 55 (リンガスボーイ) 518
0000.10.27 高知 E級1組 ダ1400m(良) 10 7 8 00 - 00(1人) 01着 R1:31.3 -0.4 0中越豊光 55 (リンガスボーイ) 516
0000.12.02 高知 ひよどり特別 D1 ダ1300m(不) 10 2 2 00 - 00(1人) 01着 R1:24.7 -0.4 0中越豊光 54 (アニオスイースト) 526
0000.12.15 高知 ギャランホース特別 ダ1400m(良) 11 4 4 00 - 00(1人) 01着 R1:30.9 -0.2 0中越豊光 52 (グレイトエンペラー) 520
2003.01.12 高知 D級8組 ダ1300m(良) 9 7 7 00 - 00(1人) 01着 R1:27.9 -0.2 0中越豊光 55 (トウシンコバン) 513
0000.02.23 高知 だるま夕陽特別 ダ1400m(重) 12 3 3 00 - 00(1人) 02着 R1:30.7 -0.6 0中越豊光 54 マッケンリーダー 517
0000.03.21 高知 黒船賞 GIII ダ1400m(良) 12 2 2 00 - 00(4人) 09着 R1:30.6(40.2) -3.1 0中越豊光 57 ノボジャック 520
0000.04.12 高知 C級7組 ダ1300m(不) 9 6 6 00 - 00(1人) 01着 R1:22.8 -0.9 0中越豊光 55 (ナリタプロテクター) 521
0000.05.04 高知 C級2組 ダ1400m(良) 9 8 8 00 - 00(1人) 01着 R1:31.5 -1.0 0中越豊光 55 (エイシンナポリタン) 519
0000.06.08 高知 C級2組 ダ1400m(稍) 10 7 8 00 - 00(1人) 01着 R1:31.0 -0.6 0中越豊光 55 (リンガスボーイ) 517
0000.06.29 高知 BC混合 ダ1400m(不) 12 6 7 00 - 00(1人) 01着 R1:28.8 -0.9 0中越豊光 54 (リンガスボーイ) 529
0000.08.03 高知 BC混合 ダ1400m(良) 11 8 11 00 - 00(1人) 01着 R1:31.3 -1.7 0中越豊光 55 (ワイエスジュリアン) 527
0000.08.17 高知 建依別賞 ダ1400m(不) 12 5 6 00 - 00(1人) 01着 R1:29.6(39.3) -0.7 0中越豊光 57 (ジョイフライト) 520
0000.08.30 高知 黒石海援隊士高知競馬来場記念特別 B1 ダ1600m(良) 10 5 5 00 - 00(1人) 01着 R1:46.6 -1.2 0中越豊光 56 (シャンハイリーダ) 518
0000.09.15 高知 桂浜盃 B ダ1400m(稍) 12 6 7 00 - 00(1人) 03着 R1:29.6(39.6) -0.4 0中越豊光 55 ベストライナー 517
0000.09.27 高知 AB混合 ダ1600m(重) 8 3 3 00 - 00(1人) 08着 R1:53.3 -4.8 0中越豊光 54 エイシンナポレオン 520

血統表

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ナムラコクオー血統ミスタープロスペクター系 / Native Dancer5x5=6.25%、Lady Angela4×5=9.38%(母内)) (血統表の出典)

*キンググローリアス
King Glorious
1986 黒鹿毛
父の父
Naevus
1980 栗毛
Mr. Prospector Raise a Native
Gold Digger
Mudville *ボールドラッド
Batteer Up
父の母
Glorious Natalie
1980 黒鹿毛
Reflected Glory Jester
Lysistrata
Blue Eyed Blonde The Pie King
Blue-Eyed Barbie

ケイジヨイナー
1986 鹿毛
*サドンソー
Sudden Thaw
1975 鹿毛
Northern Dancer Nearctic
Natalma
Lady Victoria Victoria Park
Lady Angela
母の母
ヒゼンガール
1979 鹿毛
*ツイッグTwig Hul a Hul
Top Twig
ホースメンケイ *ムーティエ
ケイザクラ F-No.7-c

脚注

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注釈

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出典

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p ナムラコクオー”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2022年5月27日閲覧。
  2. ^ a b “ナムラコクオー死す ナリタブライアンと同世代”. サンスポZBAT!競馬. サンケイスポーツ(産経デジタル). (2019年8月3日). http://race.sanspo.com/keiba/news/20190803/etc19080323590008-n1.html 2019年8月4日閲覧。 
  3. ^ 『レーシングプログラム 第61回日本ダービー(GI) 第5回阪神競馬第4日』P21「日本ダービー出走馬の馬名の意味・由来」
  4. ^ 『競馬名馬&名勝負読本'98 ファンのファンによるファンのための年度代表馬'97』宝島社〈別冊宝島 競馬読本シリーズ〉、1998年3月16日、52-57頁。ISBN 978-4796693691 
  5. ^ ナムラコクオーの競走成績”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2022年2月5日閲覧。

外部リンク

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