ナベコウ(鍋鸛[2]Ciconia nigra)は、鳥綱コウノトリ目コウノトリ科コウノトリ属に分類される鳥類。

ナベコウ
ナベコウ
ナベコウ Ciconia nigra
保全状況評価[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 鳥綱 Aves
: コウノトリ目 Ciconiiformes
: コウノトリ科 Ciconiidae
: コウノトリ属 Ciconia
: ナベコウ C. nigra
学名
Ciconia nigra (Linnaeus, 1758)[1]
和名
ナベコウ[2][3]
英名
Black stork[2][3]

分布

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アフリカ大陸ユーラシア大陸に分布し、アフリカ大陸南部やユーラシア大陸の中緯度地域で繁殖する。冬季になると越冬のためアフリカ大陸中部やユーラシア大陸南部へ渡る。南アフリカの北部では留鳥として周年生息する。日本では冬季にまれに飛来した例[4](まれな冬鳥もしくは迷鳥)がある。

形態

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全長95 - 110センチメートル[3]。翼長52 - 60センチメートル[2]。全身は緑色や紫色の光沢がある黒[3]。種小名nigraは「黒い」の意で、英名(black)と同義。胸部から腹部・尾羽基部の下面を被う羽毛(下尾筒)は白い[3]

眼の周囲に羽毛がなく、赤い皮膚が裸出する[2]。嘴や後肢の色彩は暗赤色[3]

生態

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開けた森林内にある河川湿原などに生息する[2]。単独もしくは小規模な群れを形成して生活する[2]

魚類両生類、小型哺乳類昆虫などを食べる[2]

繁殖様式は卵生。ペアで繁殖し[2]、集団繁殖地(コロニー)は形成しない[3]。2 - 6個の卵を産む[2]。抱卵期間は32 - 38日[2]。雛は孵化してから63 - 71日で巣立つ[3]

人間との関係

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生息数の推移は不明だが、分布が非常に広域で2017年現在は種として絶滅のおそれは低いと考えられている[1]。森林伐採による営巣木の減少、ダム建設や排水・農地開発による生息地の破壊、農薬による中毒、電線などによる衝突死、狩猟などによる影響が懸念されている[1]

出典

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  1. ^ a b c d BirdLife International. 2017. Ciconia nigra (amended version of 2016 assessment). The IUCN Red List of Threatened Species 2017: e.T22697669A111747857. doi:10.2305/IUCN.UK.2017-1.RLTS.T22697669A111747857.en, Downloaded on 29 June 2018.
  2. ^ a b c d e f g h i j k 江崎保男 「ナベコウ」『日本動物大百科 3 鳥I』日高敏隆監修、平凡社、54頁。
  3. ^ a b c d e f g h 小宮輝之 「コウノトリ科の分類」『世界の動物 分類と飼育8 (コウノトリ目・フラミンゴ目)』黒田長久・森岡弘之監修、東京動物園協会、1985年、48-58,158頁。
  4. ^ 笹本芳昭、ナベコウ幼鳥の記録 鳥 1971年 20巻 89号 p.207-208, doi:10.3838/jjo1915.20.89_207

関連項目

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