トーレ・アグバール
トーレ・アグバール (Torre Agbar) はバルセロナのディアゴナル通り、グランヴィア通りとメリディアナ通りの交差点にある超高層ビル。アグバール・タワーともいう[1]。フランスの建築家ジャン・ヌーヴェルが設計した建築物[2]で、バルセロナ水道局(Aguas de Barcelona、アグバール)が所有。2005年6月に完成、9月16日の国王誕生日に落成した。
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概要
編集ヌーヴェルによれば、このビルはバルセロナの近郊にある奇岩の山モンセラートの形状と、水道会社ビルであることから噴き上がる水の形をイメージしたという[3]。しかしバルセロナ市民からは男根(ファルス)を思わせると見られ、「坐薬」(el supositori)などのあだ名を付けられている。
高さは144.4m、38階(うち地下階が4階)で、30,000平方mのオフィス、3,210平方mの機械室、8,351平方mのその他用途(オーディトリアムなど)からなる。バルセロナでは3番目に高いビルである(一番高いビルは Arts Hotel と Mapfre Tower の2つ、ともに高さ154m)。
ビルは異なった要素を組み合わせて設計されている。ビル自体は鉄筋コンクリートでできており、ファサードはさまざまなガラスで覆われている。鉄筋コンクリートの壁は4,500箇所のガラス窓で切り抜かれている。このビルの独特な部分は夜間のイルミネーションである。ファサードには4,500個のLED照明装置が設置されており、ガラスのファサード越しに光のイメージが浮かび上がるようになっている。金曜、土休日の21時から24時(冬季は20時から23時)の間は美しくライトアップされている。また外壁には気温センサーが設けられガラス製のブラインドの開閉装置と連動しており、夏は暑い日光を遮り冬は日光を入れて冷暖房エネルギーを最大限節約するようになっている。
脚注
編集- ^ 『バルセロナ 地中海都市の歴史と文化』 2010, p. 234.
- ^ MdN編集部『一度見たら忘れない奇跡の建物 異彩を放つ世界の名建築100』エムディエヌコーポレーション、2017年、89頁。ISBN 978-4-8443-6644-7。
- ^ 『バルセロナ 地中海都市の歴史と文化』 2010, p. 229.
参考文献
編集- 岡部明子『バルセロナ 地中海都市の歴史と文化』中央公論新社、2010年。ISBN 978-4-12-102071-0。
関連項目
編集- 30セント・メリー・アクス (ロンドンにある似た形状のビル)