トロイ・シヴァン

オーストラリアのシンガーソングライター (1995-)

トロイ・シヴァン・メレット (Troye Sivan Mellet、[trɔɪ sɪˈvɑːn]; 1995年6月5日生まれ)[6]は、オーストラリアシンガーソングライター俳優ユーチューバー

トロイ・シヴァン (Troye Sivan)
生誕 トロイ・シヴァン・メレット (Troye Sivan Mellet)
(1995-06-05) 1995年6月5日(29歳)
ヨハネスブルグ, 南アフリカ
国籍 オーストラリア
職業
  • シンガーソングライター
  • 俳優
  • ユーチューバー
活動期間 2006–現在
音楽家経歴
出身地 オーストラリア連邦 西オーストラリア州 パース
ジャンル
担当楽器
  • ボーカル
  • ピアノ
  • ベースギター
レーベル
共同作業者
公式サイト troyesivan.com
YouTube
チャンネル
活動期間 2007年 -
登録者数 785万人
総再生回数 1,666,018,829回
チャンネル登録者数・総再生回数は
2022年10月23日時点。

略歴

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YouTubeとオーストラリアのタレントコンクールで歌手としての注目を集めたのち、2013年にユニバーサル ミュージック グループのEMIオーストラリアと契約を結び、彼の3枚目のEP盤となる "TRXTE" (2014年)をリリースした。このレコードはアメリカ合衆国のBillboard 200で最高5位まで入った。このアルバムのリードシングルである"Happy Little Pill"は、オーストラリアの音楽チャートで10位に入った。2015年、4枚目のEP盤である "Wild" と、初のスタジオアルバムである "Blue Neighbourhood"を続けて発表、そのリードシングル"Youth"はBillboard Hot 100で初めて40位に入るヒットとなり、最高23位まで入った[7]。 2番目のスタジオアルバム "Bloom"(2018年)は、オーストラリアで第3位、Billboard 200では第4位となった。そのリードシングル "My My My!"はビルボードのダンスクラブソングチャートで2度目のナンバーワンシングルに輝いた[8]。 2020年に発表したEP盤 "In a Dream"の"Take Yourself Home"は、彼の初のシングルとしてもリリースされた[9]

俳優としては、X-MENシリーズのウルヴァリン:X-MEN ZERO(2009)で、若い頃のウルヴァリンを演じた他、Spud三部作では表題となるキャラクターを演じた。ユーチューバーとしては、定期的にVlogをアップロードし、2019年には700万登録と総アクセス数12億以上を得るに至る[10]。ブイロガー友達であるタイラー・オークレイ(Tyler Oakley)とコラボしたビデオ "The 'Boyfriend' Tag" は、2014年の「ティーンが選んだWebアワード」でコラボ部門に選ばれた。タイムは、「2014年に最も影響を与えたティーン25人」の一人に シヴァンを選んだ[11]。2018年には "Revelation" でゴールデングローブ賞の主演歌賞にノミネートされた。この作品は映画「ある少年の告白」の曲で、シヴァンはこの映画で助演もしている。

幼少期

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シヴァンは南アフリカ共和国ヨハネスブルグ生まれ[12][13]で、主婦で元モデルのローレル・メレット ("Laurelle Mellet")と、事業家で宅地建物取引業を営む シャウン・メレット ("Shaun Mellet") の子である[14][15][16]。 シヴァンは 西オーストラリア州 パースで両親と3人の兄弟ととも育った[16]。彼はユダヤ教正統派の家庭で育つ(父親はリトアニアユダヤ人の家に生まれ、母親はユダヤ教に回心している)が、彼自身は敬虔な信徒ではないと言っている[15][17][18][19]。彼は2009年までパースにあるカーメルスクール(現代正統派ユダヤ教の私設学校)に通い、その後は遠隔教育を受けた[20]

経歴

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音楽

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シヴァンの音楽の経歴は、2006年、2007年および2008年にパースの放送局のテレソン (Channel Seven Perth Telethon) に出たことから始まる[21][22]。2006年には、オーストラリアンアイドルの優勝者であるガイ・セバスチャンとのデュエットも披露した[22]。シヴァンは2007年のスターサーチ(Star Search)のファイナリストになっている[21]。2009年には "For Them"をリリースし、家のない子供に対する意識向上と基金集めに役立てた。彼の初のEP盤 "Dare to Dream"は、2007年6月にリリースされている。2010年2月には、リサ・ラビー(Lisa Lavie)がプロデュースした音楽ビデオ "We Are the World 25 for Haiti" に参加し、 2010年のハイチ地震で犠牲になった人たちへの義捐金を集めた[23]

2013年6月5日にはシヴァンはユニバーサル ミュージック グループのEMIオーストラリアと契約を結んだが、1年ほどの間は秘密にしていた。2014年7月25日に初のシングル "Happy Little Pill"を発表し、続けて2014年8月15日に、5つの楽曲を入れたEP盤 "TRXYE" をリリースした[24]。 "TRXYE"は55以上の国においてiTunesの第1位を飾ることとなった[25]。また、 Billboard 200では発表翌週に第5位に入り、シヴァンのアルバムでは初のトップ10入りをはたした。[26]。"Happy Little Pill"はARIAシングルチャートで最高10位になり、オーストラリアレコード産業協会からゴールドの称号(35,000枚以上の売り上げによる)を受けた[27]。2枚目のEP盤は"Wild"で、2015年9月4日にリリースされた。このEP盤からは、"Wild"、"Fools"、"Talk Me Down"の3つの楽曲に対して "Blue Neighbourhood" と題したミュージックビデオ3部作が作られた(2015年9月〜2015年12月)。加えて、このEP盤は2015年12月4日にリリースされた彼の初のスタジオアルバムである "Blue Neighbourhood"の原型となった[28][7]。 シングル "Youth"は Billboard Hot 100で23位になった[29]。 "Blue Neighbourhood"と"Wild"は2015年の初ツアー "Troye Siva Live"で演奏された[30]。その後も彼は2016年の "Blue Neighbourhood Tour" や、郊外ツアーでも "Blue Neighbourhood" を披露した。2017年5月26日には マーティン・ギャリックスとコラボレーションして "There for You"を作成した[31]

2018年1月10日、シングル "My My My!"をリリース。同時にミュージックビデオも発表した[32]。 彼によると、セカンドアルバムは当時のボーイフレンドであるアメリカ人モデル ヤコブ・ビクセンマン (Jacob Bixenman)に触発されたものである[33]。その曲は以前の曲とは一線を画するものであり、ピッチフォーク・メディアは彼の声を「安心」と評し、NPR Musicは「性的欲望の伝染性の賛美」と評した[32]。NPRはまた、シヴァンの性嗜好の秘密に触れながら、この楽曲とミュージックビデオの重要性について次のように書き記している:「若く細身の同性愛の子がミュージックビデオで完全に自分のものになるというのはそうそうあることではない。そしてシヴァンは一緒に踊っていたいと思わせるのだ」[32]。この曲をシヴァンが初めてライブ披露したのは1月20日のサタデー・ナイト・ライブでの事で、ジェシカ・チャステインが司会をした時の音楽ゲストとして呼ばれた時のことであった[34]。彼はその後、新しいアルバムに長年の友人であるアリアナ・グランデとのコラボレーションとして"Dance to this"という曲が収録されると言っている[35][36]。"Bloom"は2018年5月2日にリリースされた彼の3番目のシングルで、"The Good Side"に続くものである[37]。同月には、カリフォルニア州パサデナで開催されたテイラー・スウィフトの"Reputation Stadium Tour"のコンサートにゲスト出演し、2枚目のスタジオアルバムが"Bloom"というタイトルであることを発表した。 そのアルバムは2018年8月31日にリリースされている[38][39][40][41]。このアルバムの最後の先行リリース曲 "Animal"は2018年8月9日に発表されている[42][43]

同年、シヴァンはゴールデングローブ賞主題歌賞にノミネートされた。これは、映画「ある少年の告白」のために作った"Revelation"が対象であった。[44]。この曲は、アカデミー歌曲賞でもノミネートされている[45]。2018年10月には、イギリスのシンガーソングライター チャーリー・エックス・シー・エックスとコラボレートして、シングル"1999"を発表する[46]。二人は "The Tonight Show Starring Jimmy Fallon"で一緒にライブも披露している[47]。次のコラボレーションである"2099"は、2019年6月6日に2人のアーティストのLAプライドイベント"Go West Fest"で発表され[48]、 チャーリー・エックス・シー・エックスのアルバム"Charli"のプロモーションシングルとして2019年9月10日にリリースされた[49]。2019年1月には、シヴァンはアメリカ人シンガーソングライター ラウヴと共にシングル "I'm So Tired..."をリリースした[50]。2019年12月6日にシヴァンとアリー・エックスは "Love Me Wrong"という曲をリリースした[51]

2020年2月16日、韓国のバンド BTSの新アルバム "Map of the Soul: 7"に含まれる曲 "Louder Than Bombs"が、シヴァンと共同で作られることが発表された[52]。これは、BTSとの初のコラボレーション作品である。4月1日にはシヴァンの5番目のEP盤 "In a Dream"からの初シングル "Take Yourself Home"がリリースされる。コロナ禍の中、彼はこのシングルのビジュアルアートをフリーランスのアーティストたちと作った。インスタグラムで知り合ったアーティストたちとは、シングルに合わせたTシャツを作成し、全ての収益金がWHOの新型コロナ対策基金と Spotifyの新型コロナ救済音楽プロジェクトに寄付された[53]。7月15日、アルバム"In a Dream"からのシングルとして "Easy"がリリースされることが発表され、2020年8月21日にリリースされた。

ミュージックビデオ

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シヴァンのミュージックビデオはしばしば登場人物がLGBTQの関係であることを想像させ、過激な描写も目立つ。

"Blue Neighbourhood"のビデオ3部作では2人のティーンエイジのゲイが秘密の関係を持つ話であるし、"Youth"ではシヴァンが他の男性との愛に興味を持つ構成になっている。"Heaven ft. Betty Who"のために作られたミュージックビデオでは、歴史的なLGBTQムーブメントやカップルの映像に加え、彼と他の男性による官能的な映像が含まれており、「私の一部を失わずにどうやって天国にゆくことができるの?」や「もし私が私の一部を失ったら、私は天国を望まないだろう」というタグラインが流れる。彼はこれらの描写が重要であること、特に「TVやミュージックビデオがそういうLGBTQの関係を映し出すのを見た記憶がほとんどない」若い頃の記憶を考えていると述べている[54]

2020年7月16日、シヴァンはEP盤 "In a Dream"の2番目の曲 "Easy" のミュージックビデオを作った[55]。このビデオは彼自身が監修も行なった[要出典]。後に、"Easy"はケイシー・マスグレイヴスとともにミュージックビデオごと再リリースされている[56]

2023年、"Rush"のミュージックビデオではセックスをテーマに過激な濡れ場シーンがあるほか、"Got Me Started"のミュージックビデオではフルヌードを披露[57]

同年の"One Of Your Girls"のミュージックビデオにはロス・リンチが出演。2024年のトロイのツアーのロンドン公演にはロスがゲスト出演し、トロイとロスがそれぞれ互いの首筋を舐めたり、ロスが服を脱ぐなどMVを彷彿とさせる濃厚な絡みを披露した[58]

俳優

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2007年、シヴァンはオリバー!のオリバー・ツイスト役をリーガル劇場で演じた[22]。2008年には西オーストラリアの短編映画 "Betrand the Terrible" に出演した[59]。2008年2月、ウルヴァリン:X-MEN ZEROで若い頃のジェームズ・ハウレットの役を演じる。シヴァンはテレソンでの活動の様子をYouTubeに投稿していたが、それがハリウッドの人の目に止まり、シヴァンにオーディション用のビデオを送らせることになったのが、映画の役を得るきっかけであった[22]。元々はコディ・スミット=マクフィーがその役を演じることになっていたが、彼が出る他の映画 "ザ・ロード" との関係で出演できなくなっていた。[60]。2009年7月、南アフリカ人 ジョン・ヴァン・デ・ルート (John van de Ruit)による著作 "Spud"を元にした映画 "Spud"の主役のオーディションに合格した[61]。その撮影は南アフリカで2010年の3月初旬から4月中旬にかけて行なわれた[62][63]。この映画は南アフリカで2010年12月3日に封切られ、"South African Film and Television Awards"で最優秀主演賞を含む6つの部門でノミネートされた[64]

シヴァンはサミュエル・ベケットによる不条理劇「ゴドーを待ちながら」の西オーストラリア公演(2010年5月28日開幕)に出演した[65]。その公演の"Boy"の役は、シヴァンとクレイグ・ハイドスミス (Craig Hyde-Smith)が交代で演じた[66]。2012年6月には、シヴァンは南アフリカに戻り、映画 "Spud 2: The Madness Continues"に出演した。この映画は2013年6月21日に南アフリカで封切られた。さらに、"Spud"シリーズの第3作である"Spud 3: Learning to Fly"(2014年11月28日封切)にも主演した[67]

2018年には映画ある少年の告白に出演した[68]

YouTube

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シヴァンは2007年頃からビデオ共有サイトであるYouTube上に歌をアップロードしていたが、2012年の9月にブイログを作り始めた。最初のブイログを投稿した時、シヴァンにはそれまでの5年間の間に獲得していた27,000人の登録者があった。2016年4月には登録者数は4百万人を超え、2億4千万回を超える再生数になった[10]。彼のYouTubeチャンネルはオーストラリアで8番目に多くの登録者を持っている[69]

シヴァンが仲の良いYouTuber タイラー・オークレイ (Tyler Oakley)と一緒に作成した "The 'Boyfriend' Tag"というタイトルの作品 は、2014年の「ティーンが選んだWebアワード」でコラボ部門に選ばれた[70]

芸術性

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シヴァンが好むアーチストは、エイミー・ワインハウステイラー・スウィフトロードなどである[71]。MTV Artistsは、マイケル・ジャクソンフランク・オーシャンにも影響を受けていると評している。[72]。彼が雑誌"Wonderland"で次のように述べている:「僕が聴いて育った曲の中で、僕を・・・・ゲイだと感じさせてくれたのは、ほとんどがノンケの女性だったと思います。シェールマドンナマイリーロビンレディー・ガガらです。彼女らは僕のゲイの偶像で、ちょっと不思議な気がします。僕はもっと同性愛の音楽を聴いて育ちたかったと思います。そのほうがよかったな」[73]

シヴァンの音楽はEDMの影響を常に受けているレイヤード・エレクトロポップと評されている[3]。そのバリトンボイス[74][75]は、広く称賛されており[76][77][78]、彼の作品はロードやテイラー・スウィフトの作品と比較されるようになっている[79][80][81]。2020年12月には、シヴァンはローリングストーン・オーストラリアの「史上最も偉大な50人のオーストラリア人アーティスト」に選ばれた[82]

個人

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シヴァンは、家族へカミングアウトした3年後の2013年8月7日に、YouTubeビデオでゲイであることを公言した。[83] 彼は軽度のマルファン症候群を患っている。[84]

映像作品

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映画

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タイトル Notes
2009 ウルヴァリン:X-MEN ZERO 若い頃のジェームズ・ハウレット
2010 Betrand the Terrible Ace Short film
2010 Spud John "Spud" Milton
2013 Spud 2: The Madness Continues John "Spud" Milton
2014 Spud 3: Learning to Fly John "Spud" Milton
2018 ある少年の告白 Gary

テレビ

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タイトル Notes
2006–2008 Channel Seven Perth Telethon オープニング
2007 Star Search ファイナリスト
2015 The Tonight Show Starring Jimmy Fallon 音楽ゲスト
2016 The Ellen DeGeneres Show Ellenの誕生日のスペシャルゲスト
2016 The Late Late Show with James Corden 音楽ゲストとインタビュー
2016 The Tonight Show Starring Jimmy Fallon 音楽ゲスト
2018 The Ellen DeGeneres Show 音楽ゲストとインタビュー
2018 サタデー・ナイト・ライブ 音楽ゲスト
2019 RuPaul's Drag Race シーズン11のゲスト審査員
2019 ケイシー・マスグレイヴスのクリスマスショー 音楽ゲスト

舞台

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タイトル 注釈
2007 オリバー! Oliver Twist 王立劇場
2010 ゴドーを待ちながら Boy His Majesty's Theatre

ディスコグラフィー

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  • Blue Neighbourhood (2015)
  • Bloom (2018)

ツアー

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  • Troye Sivan Live (2015)
  • Blue Neighbourhood Tour (2016)
  • Suburbia Tour (2016)
  • The Bloom Tour (2018–2019)

脚注

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