トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)
トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(Tris(dibenzylideneacetone)dipalladium(0)、Pd2(dba)3)は、パラジウムとジベンジリデンアセトン (DBA) からなる錯体で、有機合成化学において遷移金属触媒、あるいは触媒の前駆体として用いられる[1]。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0) などと並び、0価のパラジウム化合物の代表例とされる。外見は深い紫色の固体。
トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0) | |
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Tris(dibenzylideneacetone)dipalladium | |
別称 Pd2(dba)3 | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 51364-51-3 ![]() |
PubChem | 9811564 |
特性 | |
化学式 | C51H42O3Pd2 |
モル質量 | 915.72 g mol−1 |
融点 |
152 ~ 155℃ |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
合成
編集ジベンジリデンアセトンと酢酸ナトリウムの熱メタノール溶液に塩化パラジウム(II)を加えて反応させると Pd(dba)2 が生じる。これをクロロホルム中から再結晶させるとクロロホルム付加体 Pd2(dba)3•CHCl3 が得られる[2]。
用途
編集根岸カップリングやキャロル転位、そして不斉アリル位アルキル化反応の触媒として使われる。また、ホスフィンなどさまざまな配位子を加え、対応する Pd(0)錯体を系中で発生させるための前駆体として用いられる。
脚注
編集関連項目
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