トライアングル・プレイス
『トライアングル・プレイス』は、わかつきめぐみによる日本の漫画作品。『LaLa』(白泉社)で1984年8月に掲載。この作品を表題作とする短編集が花とゆめコミックスから1986年に刊行された。
概要
編集人間と人工知能との関係を主軸とし、作者の初期の代表作とされる短編。ストーリー、絵柄ともかがみあきらの影響が強く現れていることでも知られる。作者自身も単行本中で、かがみの短編作品「聞かせてよ愛の言葉を」(『リュウ』1984年3月号・Vol.28掲載)が本作品に大きな影響を与えたと言及している。
本作品の登場人物の前日談となる短編「2.5D」が1986年の『LaLa特別編集Short Stories』SUMMER号に掲載された。
あらすじ
編集近未来のある日、技術者の戸川隆行は、最愛の妻で技術者の真希を爆発事故で失った。隆行は、真希が自宅に遺した立体映像の人工知能「みゆ」のプログラムを組み直して「真希」の姿にし、気を紛らわそうとする。友人夫妻の弓弦と久美子が隆行の行動を心配する中、「真希」は、隆行が予想もしなかった現象を起こし始める。
主な登場人物
編集- 戸川 隆行(とがわ たかゆき)
- 主人公。技術者でコンピュータを趣味とするが、「コンピュータは機械に過ぎない」との思想を持つ。妻の真希を事故で失った喪失感を補おうとして、「みゆ」を「真希」に書き換える。
- 戸川 真希(とがわ まき)
- 隆行の妻。勤務先の津山化学の爆発事故で死亡する。大学2年のときに隆行と知り合い、コンピュータという共通の趣味で意気投合する。コンピュータが人間性を持つ可能性を信じ、自身の友人として人工知能「みゆ」を作る。
- 弓弦・久美子(ゆづる・くみこ)夫妻
- ともに隆行や真希の学生時代の友人で、夫の弓弦は隆行と同じ職場に勤める技術者。大学2年の時に隆行と真希を引き合わせた。真希を失った隆行の行動を心配する。「2.5D」では学生時代の弓弦と久美子の出会いを描いた。
- みゆ
- 真希が自宅に作った人工知能。「みゆ」と呼び掛けると少女の姿の立体映像として室内に現れ、人間とコミュニケーションを取ることができる。真希を失った隆行は「みゆ」のプログラムを組み直し、「真希」の姿に変えてしまう。
単行本収録作品
編集表題作を含む作者の1986年までの短編9作品を収録し、花とゆめコミックスから1986年8月に刊行された。
(かっこ内は掲載誌)