トケンラン
トケンラン(杜鵑蘭、学名:Cremastra unguiculata)は、ラン科サイハイラン属の地生の多年草[3][4][5]。
トケンラン | |||||||||||||||||||||
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福島県会津地方 2019年6月上旬
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分類(APG III) | |||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||
Cremastra unguiculata (Finet) Finet[1] | |||||||||||||||||||||
シノニム | |||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||
トケンラン(杜鵑蘭)[3][4] |
特徴
編集地下にある根茎は球状で緑色、細長い地下茎でつながる。葉は根茎から2個がでて、長楕円形で長さ10-12cm、幅3-5cm、先端は鋭頭で基部は次第に狭まり細い葉柄がある。表面には縦ひだがあり、しばしば紫色の斑点がある。葉は冬緑性で夏には枯れて休眠する[3][4][5]。
花期は5-6月。球茎の側方から高さ30-40cmになる花茎をだし、下部には鞘状葉をまばらにつけ、上部から中部にかけて6-12個の花を総状花序にまばらにつける。苞は披針形で長さは4-6mmになる。花は横向きにつき、半開し花の径は約3cm、萼片は線状倒披針形で長さ1.8-2cm、側花弁は線形で、ともに先端は鋭頭になり、黄褐色で紫色の斑点がある。この斑点のない個体もある。唇弁は、基部は蕊柱の下部に平行して細長く、先端の3分の1のところで急に直角に曲がり、その先端は広がり3裂する。中裂片は白色で広い倒卵形、先端は円頭で縁は波状になる。側裂片は白色で紫色の斑点があり、披針形で小さい。蕊柱は細長く長さ14mmになり、先端の葯は円形になる[3][4][5]。
分布と生育環境
編集日本では、北海道、本州、四国、九州に分布し、亜寒帯から冷温帯の落葉樹林下に生育する[3][4][5]。国外では、朝鮮半島(済州島)、中国大陸南東部に分布する[4][6]。
名前の由来
編集保全状況評価
編集- 絶滅危惧II類 (VU)(環境省レッドリスト)
- 2000年レッドデータブックでは絶滅危惧IB類(EN)。2007年レッドリストから絶滅危惧II類(VU)。
ギャラリー
編集-
花は横向きにつき、紫色の斑点がある。
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萼片と側花弁に紫色の斑点がある。唇弁の側裂片は小さく、白色で紫色の斑点がある。
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花に紫色の斑点がない個体。
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晩秋の新しい葉。表面に紫色の斑点がある。
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越冬した春の葉の裏面。濃紫色の斑点がある。
脚注
編集参考文献
編集- 牧野富太郎原著、大橋広好・邑田仁・岩槻邦男編『新牧野日本植物圖鑑』、2008年、北隆館
- 中島睦子著『日本ラン科植物図譜』、2012年、文一総合出版
- 大橋広好・門田裕一・木原浩他編『改訂新版 日本の野生植物 1』、2015年、平凡社
- 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
- 日本のレッドデータ検索システム
- eMonocot
- Cremastra unguiculata, Flora of China.