おちんちん
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概要
通常、体の前面に飛び出す格好で付いているおちんちんは、男児が日常生活において頻繁に目にするものであり、「おてて」や「あんよ」などと同様、自分自身の体の一部の呼称として早い段階で習得する単語である。
一般に男性器を表現する俗語としても広く使用され、幼児や児童向けに保健教育や性教育の授業を行う場合において、陰茎やペニス等の専門用語の代用としても用いられる。
類語
世代・地方により別の名称で呼ばれることも多い。『日本俗語大辞典』は、「ちんこ」の類語として「おちんこ・おちんちん・ちんちん・ちんぽ・ちんぽこ・ちんぼこ・ぽこちん」を挙げる[1]。『広辞苑』は、「ちんこ」の見出し語のもと、「ちんちん・ちんぽこ」を同義語とする[2]。「ちんこ」は江戸時代に用例がある。『江戸時代語辞典』は、他に「ちんぽ・ちんぽう・ちんぽこ」を見出し語に採録する[3]。
語源は諸説ある。『日本語源広辞典』は、「ちんぽ」の見出し語のもと、小さい鉾(ちんぽこ)が語源であるとする[4]。
『日本語源大辞典』は、「ちんぽ」の見出し語のもといくつかの説を挙げる。「小さき穂」「小法師(ちいぼうし)の略訛」「ちほ(「ち」は男性器)の訛」など[5]。
近代ではさらに直接的な表現を避けるため、かわいらしく表現した「おにんにん」という呼び方をされることもある[6]。
漢字
古い中国の文字には男性器を表す「𠄏」(Unicode U+2010F、 ) [7]や「𢆴」(Unicode U+221B4、 ) がある [8]。
その他、『大漢和辞典』(諸橋轍次)には「しかばね」の部首を持つ漢字で、女性器または男性器を意味するものが多数採録されているが、ここでは割愛する。
両性にまたがる利用法
『現代日本語方言大辞典』には、地方によっては女性器を「ちんこ」などと呼称する用例が記載されている[9]。
- (千葉)「ちんこ」:主として子供の女性器
- (滋賀)「ちんちん」:3歳くらいまでの幼女の女性器
- (鳥取)「おちんこ」:幼女の女性器。また、男女問わず子供の性器
- (山口)「おちんちん」:女性器
- (福岡)「ちんちん」:幼女の女性器
- (大分)「おちんこ」:女性器(幼児語または愛称)
実際、男児のおちんちんと同じ部分に、女児も小さなおちんちん(クリトリス)を持っており、大陰唇や包皮によって保護されてはいるが、男児と同じように身体から突き出すように飛び出ている(但し、下方に向かって)。また、すぐ近くには尿道口もあるため、陰核から尿が排泄されると間違って理解している女児も多い。
脚注
- ^ 米川明彦『日本俗語大辞典』東京堂出版、2003年11月10日、382頁。ISBN 4-490-10638-6。
- ^ 新村出 編『広辞苑第七版 た―ん』岩波書店、2018年1月12日、1923頁。ISBN 978-4-00-080132-4。
- ^ 穎原退蔵、尾形仂(編)『江戸時代語辞典』角川学芸出版、2008年11月30日、913, 916頁。ISBN 978-4-04-621962-6。
- ^ 増井金典『日本語源広辞典[増補版]』ミネルヴァ書房、2012年8月10日、709頁。
- ^ 前田富祺(監修)『日本語源大辞典』小学館、2005年4月20日、754頁。ISBN 4-09-501181-5。
- ^ 月島もんもん (2020年6月11日). “おにんにんの意味とは?そう呼びたくなる心理を分析”. MENJOY. 小学館. 2022年7月16日閲覧。
- ^ 諸橋轍次『大漢和辞典 巻一』大修館書店、1986年9月1日、410頁。ISBN 4-469-03071-6。
- ^ 《汉语大字典》编委会 編 (2010-03-25) (中国語). 汉语大字典. 第2巻. 四川辞书出版社, 湖北辞书出版社. p. 1093
- ^ 平山輝男et al.『現代日本語方言大辞典』 第3巻、明治書院、1992年9月18日、2498-2500頁。ISBN 4-625-52139-4。