チョコレートアイスクリーム
チョコレートアイスクリーム(英: chocolate ice cream)は、チョコレート風味のアイスクリームを指す。略してチョコアイスとも呼ばれる。
チョコレートアイスクリーム | |
---|---|
アイスクリーム・コーンに入ったチョコレートアイスクリーム | |
種類 | アイスクリーム |
地域 | 世界中 |
主な材料 | ココアパウダー、食用卵、クリーム、バニラ、砂糖 |
栄養価
編集100 gあたりの栄養価 | |
---|---|
エネルギー | 2,680 kJ (640 kcal) |
28.2 g | |
糖類 | 25.4 g |
食物繊維 | 1.2 g |
11 g | |
3.8 g | |
他の成分 | |
水分 | 55.7 g |
カフェイン | 3 mg |
テオブロミン | 62 mg |
| |
| |
%はアメリカ合衆国における 成人栄養摂取目標 (RDI) の割合。 出典: USDA栄養データベース |
歴史
編集冷凍チョコレートのレシピは1693年、イタリア・ナポリで出版された『The Modern Steward』(著者・アントニオ・ラティーニ)内で初めて見られた。初めて冷凍された食品はホット・チョコレート、コーヒーやお茶などの一般的な飲み物だったことから、チョコレート味やコーヒー味はバニラ味よりも先に作られ、最初のアイスクリーム味となった[1]。ホット・チョコレート、コーヒー、お茶はそろって17世紀にヨーロッパで人気な飲み物になり、冷凍菓子・非冷凍菓子を作るのに使われた[2]。ラティーニはホット・チョコレートを使い、チョコレートと砂糖しか入っていない冷凍食品のレシピを制作した[3]。1775年、イタリア人医者フィリッポ・バルディーニ(Filippo Baldini)は、自身の専門書『シャーベット』(原題: De sorbetti)でチョコアイスについて言及し、痛風や壊血病など様々な病気の治療に役立つとした[4]。
アメリカ合衆国では、チョコアイスは19世紀後半に人気を博した。1777年5月12日、フィリップ・レンジ (Phillip Lenzi) が公式に「ほとんど毎日」アイスクリームが購入可能、とした広告を出したのが同国で初めて見られたアイスクリームの広告である。同国では1800年頃まで、アイスクリームはエリート層のみが食べることが出来た珍しく異国風なデザートだったが、断熱貯氷庫の発明でアイスクリーム製造はアメリカで大きな業界となった[5][6]。
生産
編集一般的に、チョコアイスはココアパウダーとバニラアイスの作成に使われる卵、クリーム、バニラと砂糖を混ぜることで作られている。ときにはココアパウダーに加えてカカオマスも混ぜられることもある。チョコアイスの茶色い色はココアパウダーによるものであり、他の着色料がつけられるのは稀である[7][8]。
国際食品規格ではチョコアイスの香料は2.0-2.5%の無脂肪なココアパウダーを含まなければいけなとされており、アメリカ合衆国の連邦規則集は、甘味料が追加される場合に備え「乳脂肪分と合計の乳固形分をココアパウダーの2.5倍減らすことを許可[訳語疑問点]」している[9]。
購入
編集チョコアイスはレストラン、カフェ、ダイナー、スーパーマーケット、コンビニやグロサリー店など多くの場所で売られている。アイスクリーム・パーラーはアイスクリームの専門販売を行っている。2013年現在[update]、チョコアイスはバニラアイスに続き、アメリカで2番目に人気なアイスクリーム味となっている[10][11]。
他風味
編集チョコアイスは、他風味のアイスクリームを作る際の土台になることもある。また、チョコチップが入っているアイスクリームもある。
脚注
編集- ^ Lohman. “Origin of a Dish: Chocolate Ice Cream”. Four Pounds Flour. 6 January 2014閲覧。 “Because of the precedent of frozen drinks, some of the earliest ice cream flavors were drinks, like coffee and tea. This is why chocolate ice cream was invented long before vanilla.”
- ^ Quinzio 2009, p. 42.
- ^ Quinzio 2009, p. 14.
- ^ Quinzio 2009, p. 50-51.
- ^ “The History of Ice Cream”. www.idfa.org/. 12 April 2014閲覧。
- ^ Funderburg 1995, p. 69.
- ^ Clarke 2004, p. 57.
- ^ Tharp & Young 2012, p. 32.
- ^ a b Goff & Hartel 2013, p. 101.
- ^ “What's hot in ice cream”. International Dairy Foods Association. 7 January 2014閲覧。
- ^ “Vanilla Remains Top Ice Cream Flavor with Americans”. International Dairy Foods Association (23 July 2013). 16 September 2016時点のオリジナルよりアーカイブ。6 December 2013閲覧。
参考文献
編集- Clarke, Chris (2004), The Science of Ice Cream, Royal Society of Chemistry, ISBN 978-0-85404-629-4
- Funderburg, Anne Cooper (1995), Chocolate, Strawberry, and Vanilla: A History of American Ice Cream, Popular Press, ISBN 978-0-87972-692-8
- Goff, H Douglas; Hartel, Richard W (2013), Ice Cream, Springer, ISBN 978-1-4614-6096-1
- Quinzio, Jeri (2009), Of Sugar and Snow: A History of Ice Cream Making, University of California Press, ISBN 978-0-520-94296-7
- Tharp, Bruce W.; Young, L. Steven (2012), Tharp & Young on Ice Cream: An Encyclopedic Guide to Ice Cream Science and Technology, DEStech Publications, Inc, ISBN 978-1-932078-68-8
関連項目
編集- ニッカーボッカー・グローリー - イギリスのデザート。J・K・ローリングの小説『ハリー・ポッターと賢者の石』の日本語訳では「チョコレート・アイスクリーム」と翻訳されている。