チュフナロシア語: чухна)は、ロシア語においてフィン・ウゴル系民族を指す用語である。

チュフナに関する最初の言及は、『プスコフ第二年代記』の1444年の項にチュフノ(чухно)という語形で記されている箇所である。元来はノヴゴロド地域(ru)における、エスト人(ru)、セツ人(ru)イジョラ人などのフィン・ウゴル系民族を指す言葉であった。

また、帝政ロシア期にはサンクトペテルブルク近辺に住む、カレル(カレリヤ)・フィン系の人々を指す言葉であった。帝政ロシア期の学者ウラジーミル・ダリ(ru)の編纂した辞典においても同様の記述がみられる[1][注 1]。帝政ロシア期の詩人アレクサンドル・プーシキンの『青銅の騎士』の一節においても、チュホネツ(чухонец)という語形で用いられている[注 2]

チュフナという言葉は中世のフィン・ウゴル系部族の名であるチュヂに由来し[2]マックス・ファスマーの語源辞典では、チュヂ(чудь)に接尾辞-хно[注 3])が結合した語であると説明されている[注 4][注 5]

現ロシア語においては、フィンランド人エストニア人に対する侮蔑語として用いられることがある[3]

脚注

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注釈

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  1. ^ ウラジーミル・ダリの辞典についてはru:Толковый словарь живого великорусского языкаを参照されたし。
  2. ^ 厳密には生格чухонца
  3. ^ -хно:フノ」は人名接尾辞[3]
  4. ^ マックス・ファスマーの語源辞典についてはru:Этимологический словарь русского языка Макса Фасмераを参照されたし。
  5. ^ ru:Михно(ミフノ):Михаил(ミハイル)+хно、ru:Дахно(ダフノ):Даниил(ダニール)+хно等の姓が存在する。

出典

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  1. ^ Вл. Даль. "Трескаться" Explanatory Dictionary of Russian language. Толковый словарь живого великорусского языка IV (6th ed.). М.: Гос. изд-во иностр. и национ. словарей, 1955. p. 429.
  2. ^ Archaeology and Language I: Theoretical and Methodological Orientations. Taylor & Francis.
  3. ^ a b 井桁貞義『コンサイス露和辞典』 三省堂、2009年。p1266