チザニジン
チザニジン(Tizanidine)は筋弛緩薬として用いられる医薬品の一つである。中枢α2-アドレナリン作動薬に分類される。多発性硬化症、ALS、痙直型両麻痺、背部痛、脊椎や中枢神経系の障害を原因とする痙攣、こむら返り、筋肉の強張りの治療に使用される。線維筋痛症の症状緩和にも用いられる[1]。適応外使用として、片頭痛、不眠症、てんかんの治療にも使用される。商品名テルネリン[2]。
IUPAC命名法による物質名 | |
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臨床データ | |
販売名 | テルネリン, Zanaflex |
Drugs.com | monograph |
MedlinePlus | a601121 |
胎児危険度分類 |
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法的規制 |
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薬物動態データ | |
血漿タンパク結合 | 30% |
代謝 | CYP 1A2 |
半減期 | 1.5時間 |
データベースID | |
CAS番号 | 51322-75-9 |
ATCコード | M03BX02 (WHO) |
PubChem | CID: 5487 |
DrugBank | DB00697 |
ChemSpider | 5287 |
UNII | 6AI06C00GW |
KEGG | D08611 |
ChEMBL | CHEMBL1079 |
別名 | 4-chloro-N-(4,5-dihydro-1H-imidazol-2-yl)-8-thia-7,9-diazabicyclo[4.3.0]nona-2,4,6,9-tetraen-5-amine |
化学的データ | |
化学式 | C9H8ClN5S |
分子量 | 253.712 g/mol |
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効能・効果
編集- 頸肩腕症候群、腰痛症 による筋緊張状態の改善
- 脳血管障害、痙性脊髄麻痺、頸部脊椎症、脳性(小児)麻痺、外傷後遺症(脊髄損傷、頭部外傷)、脊髄小脳変性症、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症 による痙性麻痺
チザニジンはバクロフェンやジアゼパムよりも忍容性の高い抗痙攣薬として2008年に報告された[3]。チザニジンの作用は強力で、2 mgの用量で低血圧を生じ得るので、起立性低血圧の既往を有する患者には注意が必要である。
禁忌
編集副作用
編集重大な副作用は、ショック、急激な血圧低下、心不全、呼吸障害、肝炎、肝機能障害、黄疸である[4]。
他に、眩暈、眠気、脱力感、神経過敏、幻覚、抑うつ、口渇、便秘、下痢、胃痛、胸焼け、筋肉の痙攣、腰痛、発疹、発汗、腕・脚・手・足のピリピリ感が副作用として発生する[5]。
チザニジンは時に肝細胞型の肝障害を誘発する。臨床試験ではチザニジンを服用した患者の最大5 %に肝機能検査値異常が見られたが、服用を中止すると症状は消失した。チザニジンの初回投与時から6か月間は定期的に肝機能を検査する必要がある。
相互作用
編集チザニジンは中程度以上のCYP1A2阻害薬とは併用できない。フルボキサミンまたはシプロフロキサシンを使用中の患者で血中濃度のAUC(濃度-時間曲線下面積)がそれぞれ33倍、10倍に上昇する[4]。モキシフロキサシン、レボフロキサシン、シプロフロキサシン等のフルオロキノロン系合成抗菌剤は、チザニジンとの併用で血中濃度が上昇するので避けるべきである[6]。さらに、チザニジンは中枢抑制薬と相互作用する。飲酒で胃部不快感や胸焼けを誘発する。
出典
編集- ^ Zanaflex for Fibromyalgia
- ^ “医療用医薬品:テルネリン”. KEGG. 2020年10月19日閲覧。
- ^ Kamen, L.; Henney, HR.; Runyan, JD. (Feb 2008). “A practical overview of tizanidine use for spasticity secondary to multiple sclerosis, stroke, and spinal cord injury.”. Curr Med Res Opin 24 (2): 425–39. doi:10.1185/030079908X261113. PMID 18167175.
- ^ a b “テルネリン錠1mg/テルネリン顆粒0.2% 添付文書” (2015年3月). 2016年4月4日閲覧。
- ^ Tizanidine - PubMed Health
- ^ http://www.drugs.com/tizanidine.html