チアズグレイス(欧字名:Cheers Grace1997年3月30日 - 2017年2月21日)は日本競走馬繁殖牝馬[1]。2000年のJRA賞最優秀4歳牝馬。主な勝ち鞍は、2000年桜花賞GI)。

チアズグレイス
欧字表記 Cheers Grace[1]
品種 サラブレッド[1]
性別 [1]
毛色 鹿毛[1]
生誕 (1997-03-30) 1997年3月30日[1]
死没 2017年2月21日(20歳没)[2]
登録日 1999年3月18日
抹消日 2001年5月30日
サンデーサイレンス[1]
チアズフラワー[1]
母の父 Al Nasr [1]
生国 日本の旗 日本北海道門別町[1]
生産者 白井牧場[1]
馬主 北村キヨ子[1]
調教師 山内研二栗東[1]
競走成績
タイトル JRA賞最優秀4歳牝馬(2000年)[1]
生涯成績 11戦3勝[1]
獲得賞金 2億2846万3000円[1]
勝ち鞍
GI 桜花賞 2000年
テンプレートを表示

戦績

編集

1999年6月函館競馬場新馬戦でデビューし勝利ののち、500万下条件戦は4着に敗れた。続くコスモス賞ではスローペースの中2番手で進み、北海道営競馬から参戦したキムタツオフェンスとの叩き合いをアタマ差制して勝利した[3]。間隔をあけて阪神3歳牝馬ステークスに出走し、ヤマカツスズランの4着とした[4]

翌4歳シーズンは紅梅ステークスエルフィンステークスでは共にサイコーキララの2着[5]。続くチューリップ賞は1番人気に推されたものの、不良馬場がたたり見せ場もない10着に終わる[5]。迎えた桜花賞は前走2桁着順から巻き返した例が少ない事や馬体重が前走比でマイナス16キロという点が懸念されたが、レースではマヤノメイビーを1馬身半抑えて勝利し、これは同時にサンデーサイレンス産駒クラシックの完全制覇達成を成し遂げる勝利でもあった[5]優駿牝馬でも同厩舎のシルクプリマドンナの2着に踏みとどまったが、秋競馬を迎えてローズステークスは5着、秋華賞でもティコティコタックの4着に終わり、レース後休養に入ることとなった。帰厩後は、復帰に向け調整が続けられたが屈腱炎を発症し、繁殖入りが決まった[5]

競走成績

編集

以下の内容は、netkeiba.com[6]およびJBISサーチ[4]に基づく。

年月日 競馬場 競走名 頭数 枠番 馬番 オッズ
(人気)
着順 騎手 斤量
(kg)
距離(馬場) タイム
(上り3F)
タイム
勝ち馬/(2着馬)
1999.06.12 函館 3歳新馬 7 6 6 03.2 (2人) 01着 松永幹夫 53 芝1000m(良) 0:58.7 (35.3) -0.1 (マイネルジェアン)
0000.08.21 札幌 3歳500万下 15 7 12 02.3 (1人) 04着 松永幹夫 53 芝1200m(良) 1:11.2 (36.5) -0.2 トミノラブラドール
0000.09.04 札幌 コスモス賞 OP 7 3 3 05.4 (2人) 01着 松永幹夫 53 芝1800m(良) 1:53.6 (36.5) -0.0 (キムタツオフェンス)
0000.12.05 阪神 阪神3歳牝馬S GI 14 7 12 25.2 (9人) 04着 松永幹夫 53 芝1600m(良) 1:36.1 (35.6) -0.5 ヤマカツスズラン
2000.01.15 京都 紅梅S OP 15 8 15 03.6 (2人) 02着 松永幹夫 54 芝1400m(良) 1:22.3 (35.9) -0.2 サイコーキララ
0000.02.05 京都 エルフィンS OP 14 5 7 03.2 (2人) 02着 松永幹夫 54 芝1600m(良) 1:35.7 (35.4) -0.1 サイコーキララ
0000.03.04 阪神 チューリップ賞 GIII 13 8 13 01.8 (1人) 10着 松永幹夫 54 芝1600m(不) 1:40.7 (39.1) -1.0 ジョーディシラオキ
0000.04.09 阪神 桜花賞 GI 18 4 8 15.9 (6人) 01着 松永幹夫 55 芝1600m(良) 1:34.9 (36.5) -0.2 (マヤノメイビー)
0000.05.21 東京 優駿牝馬 GI 18 6 12 08.1 (5人) 02着 松永幹夫 55 芝2400m(稍) 2:30.2 (35.0) -0.0 シルクプリマドンナ
0000.09.17 阪神 ローズS GII 16 2 4 07.0 (3人) 05着 松永幹夫 54 芝2000m(良) 2:00.7 (36.2) -0.4 ニホンピロスワン
0000.10.15 京都 秋華賞 GI 18 1 2 04.3 (2人) 04着 松永幹夫 55 芝2000m(良) 2:00.3 (34.1) -0.4 ティコティコタック

引退後

編集

引退後はナカノファーム、2005年秋からは三嶋牧場で繁殖牝馬として繋養された[5]。その後、2017年2月21日に亡くなった[2]。産駒から重賞勝ち馬は出ていないが、没後に初仔チアズガディスの産駒マイティティーが2017年のブリーダーズゴールドカップに勝っている[7]

産駒一覧

編集
生年 馬名 毛色 馬主 管理調教師 戦績 主な勝利競走 供用 出典
初仔 2003年 チアズガディス 栗毛 フレンチデピュティ 北村キヨ子 栗東・山内研二 12戦1勝 (繁殖牝馬) [8]
2004年 (流産)
2005年 (不受胎)
2番仔 2006年 メイショウカガリビ 黒鹿毛 シンボリクリスエス 松本好雄 栗東・山内研二 11戦1勝 (繁殖牝馬) [9]
3番仔 2007年 メイショウセイカ クロフネ (不出走) (繁殖牝馬) [10]
4番仔 2008年 メイショウチルチェ 鹿毛 キングカメハメハ 松本好雄 4戦0勝 (繁殖牝馬) [11]
5番仔 2009年 テーオーフェアリー 栗毛 小笹公也 32戦6勝(うち地方12戦5勝) (繁殖牝馬) [12]
2010年 (流産) メイショウサムソン
6番仔 2011年 メイショウクローバ 鹿毛 松本好雄 栗東・角田晃一 27戦3勝 (繁殖牝馬) [13]
7番仔 2012年 ヘラルド ハービンジャー (有)三嶋牧場 栗東・中内田充正 2戦0勝 (繁殖牝馬) [14]
2013年 (不受胎) メイショウボウラー
8番仔 2014年 デンコウグロリアス エンパイアメーカー 田中康弘 栗東・南井克巳
西脇有馬澄男
68戦9勝(うち地方58戦9勝) (引退) [15]
9番仔 2015年 クールビューティー キングズベスト (株)ヒダカ・ブリーダーズ・ユニオン 栗東・松永昌博 3戦0勝 (繁殖牝馬) [16]
2016年 (不受胎) ノヴェリスト

血統表

編集
チアズグレイス血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 サンデーサイレンス系ヘイロー系
[§ 2]

*サンデーサイレンス
Sunday Silence
1986 青鹿毛
父の父
Halo
1969 黒鹿毛
Hail to Reason Turn-to
Nothirdchance
Cosmah Cosmic Bomb
Almahmoud
父の母
Wishing Well
1975 鹿毛
Understanding Promised Land
Pretty Ways
Mountain Flower Montparnasse
Edelweiss

チアズフラワー
1990 鹿毛
Al Nasr
1978 鹿毛
Lyphard Northern Dancer
Goofed
Caretta Caro
Klainia
母の母
*デュカイナ
Dukayna
1981 鹿毛
Northfields Northern Dancer
Little Hut
Dumka Kashmir
Faizebad
母系(F-No.) デュカイナ(IRE)系(FN:21-a) [§ 3]
5代内の近親交配 Northern Dancer 4・4(母内) [§ 4]
出典
  1. ^ [17]
  2. ^ [18][19]
  3. ^ [17]
  4. ^ [17][19]

脚注

編集
  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p チアズグレイス”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年10月29日閲覧。
  2. ^ a b チアズグレイス”. 競走馬のふるさと案内所. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年10月29日閲覧。
  3. ^ 優駿』1999年11月号 75頁
  4. ^ a b チアズグレイス 競走成績”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年10月29日閲覧。
  5. ^ a b c d e あの馬は今Vol.35~桜花賞・チアズグレイス”. 競走馬のふるさと案内所 馬産地コラム. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年10月29日閲覧。
  6. ^ チアズグレイスの競走成績”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2019年10月29日閲覧。
  7. ^ マイティティーが押し切り重賞初V/ブリーダーズゴールドC・門別”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd. (2017年8月14日). 2019年10月29日閲覧。
  8. ^ チアズガディス”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年10月29日閲覧。
  9. ^ メイショウカガリビ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年10月29日閲覧。
  10. ^ メイショウセイカ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年10月29日閲覧。
  11. ^ メイショウチルチェ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年10月29日閲覧。
  12. ^ テーオーフェアリー”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年10月29日閲覧。
  13. ^ メイショウクローバ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年10月29日閲覧。
  14. ^ ヘラルド”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年10月29日閲覧。
  15. ^ デンコウグロリアス”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年10月29日閲覧。
  16. ^ クールビューティー”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年10月29日閲覧。
  17. ^ a b c チアズグレイス 血統情報:5代血統表”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年10月29日閲覧。
  18. ^ チアズグレイスの繁殖牝馬情報”. 競馬ラボ. 2020年6月23日閲覧。
  19. ^ a b c d チアズグレイスの5代血統表”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2019年10月29日閲覧。

参考文献

編集
  • 優駿』1999年11月号、日本中央競馬会、1999年11月1日。
    • 「3歳戦ダイジェスト(9月号)『(札幌)コスモス賞はチアズグレイスがしぶとく差し切る』」

外部リンク

編集