ダンベイキサゴ

ニシキウズガイ科の巻貝

ダンベイキサゴ(團平喜佐古)、学名 Umbonium giganteum は、古腹足目ニシキウズガイ科に分類される巻貝の一種[1]本州四国九州の沿岸砂底に生息し、食用に漁獲もされている。漁獲地近辺ではナガラミ、キシャゴなど多くの地方名がある。

ダンベイキサゴ
分類
: 動物界 Animalia
: 軟体動物門 Mollusca
: 腹足綱 Gastropoda
: 古腹足目 Vetigastropoda
上科 : ニシキウズガイ上科 Trochoidea
: ニシキウズガイ科 Trochidae
亜科 : キサゴ亜科 Umboniinae
: サラサキサゴ属
Umbonium
Link,1807
: ダンベイキサゴ
U. giganteum
学名
Umbonium giganteum (Lesson,1831)

成貝は殻幅40mmほどでキサゴより大きく、日本産キサゴ類では最大種である。貝殻は中央部が低く盛り上がった饅頭形をしている。外側に細い螺溝があるが、上面は溝などがなくツルツルしていて光沢がある。寿命は5年以上と考えられる[2]。産卵期は4 - 6月、11 - 1月である[2]

殻の色は青灰色で、縫合(巻きの繋ぎ目)に沿って藍色斑が並ぶパターンが多く、キサゴやイボキサゴに比べると個体変異が少ない。殻底には他のキサゴ類と同様に滑層が広がるが、キサゴやイボキサゴは赤い部分が多いのに対し、本種では灰色や白の部分が多い。

男鹿半島鹿島灘から九州南部までの沿岸に分布する[1]。外洋に面した砂浜に生息するが、キサゴやイボキサゴが波打ち際からいるのに対し、本種はやや沖合いの水深5-30mほどの砂底に多い。半ば砂に埋まりながらブルドーザーのように砂底を這い、デトリタスや藻類などを濾過摂食する。休息する時は殻が隠れる程度に砂に潜る。人間以外の敵はガザミなどのカニ類がいる。

分布域では九十九里浜相模湾駿河湾浜名湖など各地で食用に漁獲され、市場にも流通する。漁獲期は初夏で、軽く茹でてショウガ醤油に浸すなどの料理がある。酒肴や副菜などに用いられる。

脚注

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  1. ^ a b 柴田輝和「九十九里海域におけるダンベイキサゴの産卵期」『日本水産学会誌』第59巻第8号、日本水産学会、1993年、1309-1312頁、doi:10.2331/suisan.59.1309ISSN 1349-998X 
  2. ^ a b 千葉県 沿岸重要水産資源 平成29年度資源評価票 ダンベイキサゴ” (PDF). 千葉県. 2022年12月10日閲覧。

参考文献

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  • 檜山義夫監修『野外観察図鑑 改訂版 6 貝と水の生物』旺文社 ISBN 4010724269
  • 奥谷喬司・楚山勇『新装版 山渓フィールドブックス 海辺の生きもの』山と渓谷社 ISBN 4635060608
  • 奥谷喬司編著『日本近海産貝類図鑑』(ニシキウズガイ科解説 : 佐々木猛智)東海大学出版会 2000年 ISBN 9784486014065