ダノンファラオ
ダノンファラオ(欧字名:Danon Pharaoh、2017年5月5日 - )は、日本の競走馬[1]。主な勝ち鞍は2020年のジャパンダートダービー、浦和記念、2021年のダイオライト記念。
ダノンファラオ | ||||||||||||
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欧字表記 | Danon Pharaoh[1] | |||||||||||
品種 | サラブレッド[1] | |||||||||||
性別 | 牡[1] | |||||||||||
毛色 | 青鹿毛[1] | |||||||||||
生誕 | 2017年5月5日(7歳)[1] | |||||||||||
抹消日 |
2023年4月2日(JRA)[2] 2023年10月6日(NAR)[3] | |||||||||||
父 | American Pharoah[1] | |||||||||||
母 | クリスプ[1] | |||||||||||
母の父 | El Corredor[1] | |||||||||||
生国 | 日本(北海道安平町)[1] | |||||||||||
生産者 | ノーザンファーム[1] | |||||||||||
馬主 | (株)ダノックス[1] | |||||||||||
調教師 |
矢作芳人(栗東) →宗形竹見(大井)[1] | |||||||||||
競走成績 | ||||||||||||
生涯成績 |
28戦5勝[1] 中央:11戦2勝 地方:17戦3勝 | |||||||||||
獲得賞金 |
1億6750万円[1] 中央:1610万円 地方:1億5140万円 | |||||||||||
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馬名の由来は冠名+父名より。
デビュー前
編集2017年5月5日、北海道安平町のノーザンファームで誕生。2018年のセレクトセール1歳市場に上場され、1億8000万円でダノックスが落札した。育成後、栗東の矢作芳人厩舎に入厩する。
戦績
編集2歳(2019年)
編集10月26日東京の新馬戦に三浦皇成とのコンビでデビューしたがデュードヴァンの2着。11月10日東京の未勝利戦で1番人気に応え初勝利を挙げる。11月23日のカトレア賞は5着に敗れ、この年を終える。3戦全て東京ダート1600mのレースであった。
3歳(2020年)
編集2月15日京都の3歳1勝クラスで始動、坂井瑠星と新コンビを組み2勝目を挙げる。その後3月28日の伏竜ステークスでは1番人気に推されたが6着敗退。続く兵庫チャンピオンシップでは道中先行するも最後の直線でバーナードループにかわされ2着、中1週で挑んだ鳳雛ステークスは14着大敗と、勝ちきれないレースが続いた。
そして7月8日のジャパンダートダービーでは、同じアメリカンファラオ産駒のカフェファラオが単勝1.1倍の断然人気[4]となり、本馬は6番人気であった[5]が、2番手でレースを進めると直線で逃げ粘るJRAのダイメイコリーダを交わして先頭に立ち、後続に1馬身3/4差をつけJpnI初制覇を挙げた。鞍上の坂井瑠星にとっても初のGI級競走制覇となった[6]。
古馬との初対戦となった日本テレビ盃は7着に敗れた。続くJBCクラシックもクリソベリルの5着にとどまったが、続く浦和記念では川田将雅とのコンビとなると好位追走から4角で先頭に立ち、2着ロードブレスをハナ差凌いで重賞2勝目を挙げた[7]。2番人気に推された東京大賞典は好位につけるも直線で失速し12着と惨敗に終わった。
4歳(2021年)
編集4歳初戦となった川崎記念は2番手から競馬をし逃げ切ったカジノフォンテンに離され最後はオメガパフュームに交わされたものの3着に粘った。続くダイオライト記念は道中は好位の4番手を追走し、直線に入ると先に抜け出したエルデュクラージュを差し切ると1馬身半差をつけ優勝、重賞3勝目を挙げた[8]。3か月半ぶりとなった帝王賞は前目につけたが馬群に沈み9着に終わった。夏は休養に充て3か月ぶりのレースとなった日本テレビ盃は川田がクリソベリルに騎乗するため、横山武史に乗り替わる。レースは好位から直線で逃げるサルサディオーネに迫るも半馬身及ばず2着に敗れた。次走、JBCクラシックは先手を取ったが2週目3コーナーでカジノフォンテンに交わされ7着に敗れた。続くチャンピオンズカップはゲート内で立ち上がってしまう。スタートこそ切れたものの道中後方のまま大きく離された最下位に終わった。その後、枠内駐立不良により発走調教再審査を受けることになった[9]。
5歳(2022年)
編集5歳初戦となるJpnIIダイオライト記念では4着。続いて予定通りGIII平安ステークスに出走[10]するが、最下位となる16着に敗れた。続く三宮ステークスでは中団追走も直線で伸びを欠き13着、8月7日のGIIIエルムステークスでは14着と殿負けを喫し、休養に入った。
6歳(2023年)
編集6歳初戦となったGIIIマーチステークスでは終始後方のまま13着と惨敗。その後、4月2日付けでJRAの競走馬登録を抹消、大井競馬に移籍したが[11]、くろゆり賞の4着が最高で5戦未勝利に終わり、10月6日付で地方競馬からも登録を抹消され引退した[3]。
競走成績
編集以下の内容は、JBISサーチ[12]およびnetkeiba.com[13]に基づく。
競走日 | 競馬場 | 競走名 | 格 | 距離(馬場) | 頭 数 |
枠 番 |
馬 番 |
オッズ (人気) |
着順 | タイム (上がり3F) |
着差 | 騎手 | 斤量 [kg] |
1着馬(2着馬) | 馬体重 [kg] |
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2019.10.26 | 東京 | 2歳新馬 | ダ1600m(重) | 16 | 2 | 3 | 5.8 (3人) | 2着 | 1:37.4(36.8) | 0.4 | 三浦皇成 | 55 | デュードヴァン | 526 | |
11.10 | 東京 | 2歳未勝利 | ダ1600m(良) | 14 | 1 | 1 | 2.0 (1人) | 1着 | 1:38.5(36.2) | -0.2 | 三浦皇成 | 55 | (ニュートンテソーロ) | 522 | |
11.23 | 東京 | カトレア賞 | 1勝 | ダ1600m(不) | 16 | 8 | 16 | 6.8 (3人) | 5着 | 1:37.0(37.6) | 0.8 | 三浦皇成 | 55 | デュードヴァン | 518 |
2020. 2.15 | 京都 | 3歳1勝クラス | ダ1800m(稍) | 16 | 7 | 14 | 5.4 (3人) | 1着 | 1:52.8(38.3) | -0.7 | 坂井瑠星 | 56 | (アポロアベリア) | 522 | |
3.28 | 中山 | 伏竜S | OP | ダ1800m(良) | 13 | 8 | 13 | 3.7 (1人) | 6着 | 1:54.4(39.6) | 1.0 | 坂井瑠星 | 56 | ヘルシャフト | 522 |
5. 6 | 園田 | 兵庫CS | JpnII | ダ1870m(良) | 12 | 7 | 10 | 2.7 (2人) | 2着 | 2:01.8(38.6) | 0.1 | 坂井瑠星 | 56 | バーナードループ | 520 |
5.24 | 京都 | 鳳雛S | L | ダ1800m(良) | 16 | 2 | 4 | 5.6 (3人) | 14着 | 1:53.2(40.2) | 2.2 | 坂井瑠星 | 56 | ミヤジコクオウ | 520 |
7. 8 | 大井 | ジャパンDダービー | JpnI | ダ2000m(重) | 13 | 6 | 9 | 40.6 (6人) | 1着 | 2:05.9(39.7) | -0.3 | 坂井瑠星 | 56 | (ダイメイコリーダ) | 518 |
9.30 | 船橋 | 日本テレビ盃 | JpnII | ダ1800m(稍) | 14 | 6 | 10 | 4.2 (2人) | 7着 | 1:54.5(43.3) | 4.0 | 坂井瑠星 | 55 | ロードブレス | 531 |
11. 3 | 大井 | JBCクラシック | JpnI | ダ2000m(稍) | 15 | 4 | 6 | 26.4 (5人) | 5着 | 2:04.0(38.8) | 1.5 | 坂井瑠星 | 55 | クリソベリル | 527 |
11.25 | 浦和 | 浦和記念 | JpnII | ダ2000m(稍) | 11 | 6 | 6 | 4.4 (3人) | 1着 | 2:06.0(36.8) | -0.0 | 川田将雅 | 56 | (ロードブレス) | 529 |
12.29 | 大井 | 東京大賞典 | GI | ダ2000m(良) | 16 | 3 | 5 | 7.0 (2人) | 12着 | 2:08.4(37.9) | 1.5 | 川田将雅 | 55 | オメガパフューム | 530 |
2021. 1.27 | 川崎 | 川崎記念 | JpnI | ダ2100m(重) | 10 | 4 | 4 | 5.0 (3人) | 3着 | 2:15.6(37.9) | 0.7 | 川田将雅 | 56 | カジノフォンテン | 529 |
3.17 | 船橋 | ダイオライト記念 | JpnII | ダ2400m(良) | 10 | 8 | 10 | 2.7 (2人) | 1着 | 2:34.5(38.8) | -0.3 | 川田将雅 | 55 | (エルデュクラージュ) | 525 |
6.30 | 大井 | 帝王賞 | JpnI | ダ2000m(重) | 13 | 5 | 6 | 16.0 (7人) | 9着 | 2:05.2(39.6) | 2.5 | 川田将雅 | 57 | テーオーケインズ | 534 |
9.29 | 船橋 | 日本テレビ盃 | JpnII | ダ1800m(良) | 11 | 1 | 1 | 6.3 (3人) | 2着 | 1:53.6(39.3) | 0.1 | 横山武史 | 57 | サルサディオーネ | 537 |
11. 3 | 金沢 | JBCクラシック | JpnI | ダ2100m(良) | 12 | 5 | 5 | 6.0 (4人) | 7着 | 2:15.0(37.8) | 1.9 | 横山武史 | 57 | ミューチャリー | 540 |
12. 5 | 中京 | チャンピオンズC | GI | ダ1800m(良) | 16 | 7 | 14 | 76.7(12人) | 16着 | 1:54.2(38.8) | 4.5 | 横山武史 | 57 | テーオーケインズ | 538 |
2022. 3.23 | 船橋 | ダイオライト記念 | JpnII | ダ2400m(不) | 14 | 6 | 9 | 6.5 (4人) | 4着 | 2:37.9(41.7) | 0.7 | 坂井瑠星 | 56 | ノーヴァレンダ | 536 |
5.21 | 中京 | 平安S | GIII | ダ1900m(良) | 16 | 7 | 13 | 97.5(13人) | 16着 | 2:00.0(39.1) | 3.0 | 坂井瑠星 | 58 | テーオーケインズ | 544 |
6.12 | 中京 | 三宮S | OP | ダ1800m(良) | 15 | 5 | 9 | 34.6(10人) | 13着 | 1:53.6(40.7) | 3.6 | 亀田温心 | 57.5 | ハヤブサナンデクン | 540 |
8. 7 | 札幌 | エルムS | GIII | ダ1700m(良) | 14 | 5 | 8 | 40.0(13人) | 14着 | 1:46.5(36.4) | 2.3 | 浜中俊 | 58 | フルデプスリーダー | 540 |
2023. 3.26 | 中山 | マーチS | GIII | ダ1800m(不) | 16 | 1 | 1 | 173.9(16人) | 13着 | 1:53.4(37.7) | 2.0 | 田中勝春 | 58 | ハヤブサナンデクン | 556 |
5.24 | 大井 | 大井記念 | SI | ダ2000m(重) | 14 | 7 | 11 | 18.1 (8人) | 14着 | 2:09.1(42.6) | 3.9 | 笹川翼 | 57 | セイカメテオポリス | 541 |
6.21 | 船橋 | 短夜賞 | 準重賞 | ダ1700m(良) | 12 | 6 | 8 | 23.0 (6人) | 11着 | 1:51.6(42.1) | 3.2 | 笹川翼 | 56 | ギガキング | 535 |
7.28 | 川崎 | 橘OP | OP | ダ2000m(良) | 9 | 3 | 3 | 12.2 (5人) | 6着 | 2:12.9(41.7) | 1.9 | 笹川翼 | 57 | コパノジャッキー | 533 |
8.16 | 笠松 | くろゆり賞 | SPI | ダ1600m(稍) | 9 | 1 | 1 | 6.4 (3人) | 4着 | 1:43.3(40.2) | 0.2 | 渡邊竜也 | 57 | スマイルサルファー | 533 |
8.27 | 金沢 | イヌワシ賞 | 重賞 | ダ2000m(良) | 8 | 3 | 3 | 13.1 (3人) | 6着 | 2:10.0(38.3) | 1.7 | 的場文男 | 57 | ラッキードリーム | 521 |
血統表
編集ダノンファラオの血統 | (血統表の出典)[§ 1] | |||
父系 | ミスタープロスペクター系 |
[§ 2] | ||
父 American Pharoah 2012 鹿毛 |
父の父 Pioneerof the Nile2006 黒鹿毛 |
*エンパイアメーカー | Unbridled | |
Toussaud | ||||
Star of Goshen | Lord At War | |||
Castle Eight | ||||
父の母 Littleprincessemma2006 栗毛 |
Yankee Gentleman | Storm Cat | ||
Key Phrase | ||||
Exclusive Rosette | Ecliptical | |||
Zetta Jet | ||||
母 *クリスプ Crisp 2007 黒鹿毛 |
El Corredor 1997 黒鹿毛 |
Mr. Greeley | Gone West | |
Long Legend | ||||
Silvery Swan | Silver Deputy | |||
Sociable Duck | ||||
母の母 Catch the Queen2003 黒鹿毛 |
Sir Cat | Storm Cat | ||
Desert Run | ||||
Very Fair | Honest Pleasure | |||
Equal Change | ||||
母系(F-No.) | (FN:4-c) | [§ 3] | ||
5代内の近親交配 | Storm Cat 4×4 = 12.50% | [§ 4] | ||
出典 |
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ a b c d e f g h i j k l m n o “ダノンファラオ”. JBISサーチ. 2022年5月28日閲覧。
- ^ ダノンファラオが競走馬登録抹消日本中央競馬会、2023年4月2日配信・閲覧
- ^ a b “ダノンファラオ 出走履歴”. 地方競馬全国協会. 2023年10月13日閲覧。
- ^ “【大井・JDD】7着カフェファラオ 断然人気も失速…レーン「砂をかぶったのも大きかった」”. スポーツニッポン 2020年7月14日閲覧。
- ^ “ファラオはファラオでもダノンファラオ…6人気でジャパンダートダービー制覇 断然の1番人気カフェファラオは7着”. 中日スポーツ 2020年7月12日閲覧。
- ^ “【大井・ジャパンダートダービー結果】ダノンファラオが競り合いから抜け出す!上位人気総崩れ”. netkeiba.com. (2020年7月8日) 2020年7月9日閲覧。
- ^ “【浦和記念結果】ダノンファラオが古馬を撃破し重賞2勝目をマーク!”. netkeiba.com 2020年11月25日閲覧。
- ^ “【ダイオライト記念】ダノンファラオが鮮やかな差し切りで重賞3勝目!”. サンケイスポーツ. (2021年3月17日) 2021年10月28日閲覧。
- ^ “【チャンピオンズC】枠内駐立不良のダノンファラオは発走調教再審査へ | 競馬ニュース”. netkeiba.com 2021年12月13日閲覧。
- ^ “【次走】ダノンファラオは平安Sへ 2020年ジャパンダートダービー覇者”. netkeiba.com. (2022年4月1日) 2022年4月11日閲覧。
- ^ ジャパンダートダービー覇者のダノンファラオが登録抹消 大井競馬に移籍へ東スポ競馬、2023年4月2日配信・閲覧
- ^ “ダノンファラオ 競走成績”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2023年3月26日閲覧。
- ^ “ダノンファラオの競走成績”. netkeiba.com. Net Dreamers Co., Ltd.. 2023年3月26日閲覧。
- ^ a b c “ダノンファラオ 血統情報:5代血統表”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年12月18日閲覧。
- ^ a b c “ダノンファラオの血統表”. netkeiba.com. Net Dreamers Co., Ltd.. 2020年12月18日閲覧。
外部リンク
編集- 競走馬成績と情報 netkeiba、スポーツナビ、KEIBA.GO.JP、JBISサーチ