ダイトウシロダモ
ダイトウシロダモ(大東白梻[要出典]、学名: Neolitsea sericea var. argentea)は、クスノキ科シロダモ属の1種であるシロダモの1変種である。葉裏の毛は赤みのない銀灰色であること、果実がやや大きいことで、基準変種とは区別される。ただし、分類学的に分けないこともある。大東諸島のみから知られている。
ダイトウシロダモ | ||||||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
分類 | ||||||||||||||||||||||||
| ||||||||||||||||||||||||
学名 | ||||||||||||||||||||||||
Neolitsea sericea var. argentea Hatus. ex H.Ohba (2006)[1] | ||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||
ダイトウシロダモ[2][3][4] |
特徴
編集常緑高木、樹高は10メートル (m) に達する[3]。幹は直立し、暗緑色の小枝を多数分枝する。葉は互生、小枝の先にまとまってつき、長さ2–4センチメートル (cm) の葉柄をもち、葉身は長楕円形で長さ 7–15 cm、先端は鈍く尖り、3行脈が目立ち、裏面は白色を帯びる[3]。雌雄異株。花期は春。果実は赤色に熟し、倒卵形で長さ15–18ミリメートル (mm)[3]。
分布
編集日本の固有変種であり、沖縄県の大東諸島(北大東島・南大東島)のみに分布する[4][3]。石灰岩地の常緑樹林内に生育する[3]。南大東島の大東神社にはダイトウシロダモの優占する低木林がある[5]。
保全状況評価
編集絶滅危惧IB類 (EN)(環境省レッドリスト)
大東諸島のみから知られており、もともと自生地と個体数が限られているが、開発に伴う森林の減少で個体数はごく少なくなっている[3]。環境省版レッドリストでは絶滅危惧IB類に指定されている[6]。また、生育地である沖縄県では、準絶滅危惧とされている[3][6]。
分類
編集葉裏の毛が銀灰色で全く赤みがないこと、果実が長さ 15–18 mm と大きいこと(基準変種では 12–15 mm)で、基準変種のシロダモ(Neolitsea sericea var. sericea)とは区別され、変種(Neolitsea sericea var. argentea)として扱われる[3][4]。ただし、分類学的に分けないこともある[1]。
脚注
編集出典
編集- ^ a b “Neolitsea sericea var. argentea”. Plants of the World Online. Kew Botanical Garden. 2025年2月12日閲覧。
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “ダイトウシロダモ”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2025年2月12日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i 新里孝和・松村俊一・横田昌嗣・阿部篤志・仲宗根忠樹・城間盛男 (2018). “ダイトウシロダモ”. In 沖縄県文化環境部自然保護課編. 改訂・沖縄県の絶滅のおそれのある野生生物第3版(菌類編・植物編)-レッドデータおきなわ-. 沖縄県. p. 162
- ^ a b c 米倉浩司 (2015). “シロダモ属”. In 大橋広好, 門田裕一, 邑田仁, 米倉浩司, 木原浩 (編). 改訂新版 日本の野生植物 1. 平凡社. pp. 87–88. ISBN 978-4582535310
- ^ 沖縄県文化環境部自然保護課 (編). “自然環境の保全に関する指針 沖縄島周辺諸島及び大東諸島”. 2025年2月10日閲覧。
- ^ a b “ダイトウシロダモ”. 日本のレッドデータ 検索システム. 2025年2月12日閲覧。
参考文献
編集- 島袋敬一編著 『琉球列島維管束植物集覧』 九州大学出版会、1997年。
- 多和田真淳監修・池原直樹著 『沖縄植物野外活用図鑑 第7巻 シダ植物~まめ科』 新星図書出版、1989年。
外部リンク
編集- “ダイトウシロダモ”. 日本のレッドデータ 検索システム. 2025年2月12日閲覧。