タイロン・ゲレーロ

コロンビアのプロ野球選手 (1991-)

タイロン・ルイス・ゲレーロTayron Luis Guerrero, 1991年1月9日 - )は、コロンビアカサナレ県ボカチカ出身のプロ野球選手投手)。右投右打。千葉ロッテマリーンズ所属。愛称はヒガンテ(巨人)[2]

タイロン・ゲレーロ
Tayron Guerrero
千葉ロッテマリーンズ #97
千葉ロッテマリーンズ時代
(2022年7月9日、ほっともっとフィールド神戸にて)
基本情報
国籍  コロンビア
出身地 カサナレ県ボカチカ
生年月日 (1991-01-09) 1991年1月9日(34歳)
身長
体重
6' 8" =約203.2 cm
225 lb =約102.1 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 投手
プロ入り 2009年 アマチュアFA
初出場 MLB / 2016年5月17日
NPB / 2022年3月25日
年俸 1億円(2025年)[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
国際大会
代表チーム コロンビアの旗 コロンビア
WBC 2017年

経歴

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プロ入りとパドレス時代

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2009年12月にサンディエゴ・パドレスと契約してプロ入り。

2010年に傘下のルーキー級ドミニカン・サマーリーグ・パドレスでプロデビュー。16試合(先発5試合)に登板して3勝2敗1セーブ、防御率3.42、50奪三振を記録した。

2011年はルーキー級アリゾナリーグ・パドレスでプレーし、16試合(先発4試合)に登板して0勝4敗、防御率9.62、24奪三振を記録した。

2012年はまずルーキー級アリゾナリーグ・パドレスで5試合に登板後、8月にA-級ユージーン・エメラルズ英語版へ昇格。A-級ユージーンでは4試合に先発登板して0勝1敗、防御率3.38、11奪三振を記録した。

2013年はまずA級フォートウェイン・ティンキャップス英語版でプレーし、4試合に登板して0勝1敗、防御率7.36だった。6月からルーキー級アリゾナリーグ・パドレスでプレーし、3試合に登板後、7月にA-級ユージーンへ昇格。A-級ユージーンでは15試合(先発3試合)に登板して1勝4敗、防御率4.50、35奪三振を記録した。

2014年はA級フォートウェインで開幕を迎え、25試合に登板。6勝1敗1セーブ、防御率1.00、42奪三振と好投し、6月にA+級レイクエルシノア・ストーム英語版へ昇格。7月にはオールスター・フューチャーズゲームの世界選抜に選出されている[3]。A+級レイクエルシノアでは14試合に登板して0勝0敗3セーブ、防御率2.63、14奪三振を記録した。オフの11月20日にパドレスとメジャー契約を結び[4]40人枠入りした。

2016年5月15日にメジャー初昇格を果たし[5]、17日のサンフランシスコ・ジャイアンツ戦でメジャーデビュー[6]。結局、この年メジャーで登板したのは、この試合だけで2.0イニングを3安打1四球1失点という内容だった。なお、マイナーリーグではAA級サンアントニオ・ミッションズとAAA級エル・パソ・チワワズで計32試合に登板していた。

マーリンズ時代

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2016年7月29日にジャレッド・コザートカーター・キャップスルイス・カスティーヨジョシュ・ネイラーとのトレードで、アンドリュー・キャッシュナーコリン・レイと共にマイアミ・マーリンズへ移籍した[7]。マーリンズでは、傘下のAA級ジャクソンビル・サンズで12試合にリリーフ登板したが、メジャーの舞台には立たなかった。マイナーのパドレス時代との合算成績は、44試合で1勝4敗4セーブ、防御率4.35という内容だった[8]

2017年はシーズン開幕前の3月に開催された第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)本戦のコロンビア代表に選出された。 シーズンでは6月29日にオールスター・フューチャーズゲームの世界選抜に選出された[9]

 
マイアミ・マーリンズ時代 (2018年6月10日)

2018年8月13日のアトランタ・ブレーブス戦で球速104mph(約167.4km/h)を記録した(2015年以降のスタットキャストで、アロルディス・チャップマンジョーダン・ヒックスに次ぐ3人目)[10]。この年は60試合に登板し、9ホールドを記録したものの、防御率5.43と安定感はなかった。

2019年12月2日にDFAとなった[11]

ホワイトソックス傘下時代

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2019年12月6日にウェイバー公示を経てシカゴ・ホワイトソックスへ移籍した[12]

2020年1月2日にルイス・ロバートの40人枠入りに伴ってDFAとなり[13]、10日にマイナー契約で傘下のAAA級シャーロット・ナイツへ配属された[14]。同年はCOVID-19の影響でマイナーリーグのシーズンが中止となり[15]、公式戦への出場はなかった[8]

2021年はAAA級シャーロットで18試合に登板して、1勝0敗、防御率6.63の成績を残した[8]

ロッテ時代

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2021年12月18日に千葉ロッテマリーンズに入団することが発表された[16]。2022年3月11日に来日し[17]、翌3月12日には入団会見を行った[18]。背番号は45[18]

2022年3月25日の開幕戦でNPB初出場を果たすと、小深田大翔の打席で161km/hを計測し、公式戦での球団最速記録となった[19](同年3月27日に佐々木朗希が164km/hを計測し、記録を塗り替えられた)。7月9日のオリックス・バファローズ戦では紅林弘太郎の打席で163km/hを計測するも、その球が紅林の頭部に直撃し、危険球により一発退場となってしまった[20]。最終的に49試合に登板して3勝3敗3セーブ24ホールド、防御率3.52を記録したが、オフの12月2日に自由契約となった[21]

レッズ傘下時代

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2023年1月7日にシンシナティ・レッズとマイナー契約を結んだ[8]。AAA級ルイビル・バッツで20試合に登板したが、 0勝4敗、防御率11.51と結果を残せず、6月16日に自由契約となった[8]

メキシカンリーグ時代

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2023年7月8日にメキシカンリーグメキシコシティ・レッドデビルズと契約した[8]。ここでは8試合に登板して6セーブ、防御率1.17と復調した。

エンゼルス傘下時代

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2023年12月18日にロサンゼルス・エンゼルスとマイナー契約を結んだ[22]

ロッテ時代

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2024年12月3日に千葉ロッテマリーンズと契約を結び、同球団に3年ぶりに復帰した[23]。背番号は97[24]。推定年俸は1億円[1]。入団会見では、「60試合登板」を目標に掲げ、「できれば105マイル投げられたら」と日本プロ野球最速記録更新にも意欲を示した[25]

投球スタイル

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投球データ(2019年レギュラーシーズン)
球種 割合 平均球速 最高球速
% mph km/h mph km/h
フォーシーム 70.1 98.9 159.2 102.9 165.6
スライダー 20.4 87.3 140.5 91.7 147.6
シンカー 9.4 99.3 159.8

最速104mph[26][10](約167.4km/h)の速球にスライダーを交える。速球は、平均でも160km/h近くを計測する。日本での最速は、2022年7月9日のオリックス戦で計測した163km/h[27]

人物

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当初身長は203cmとしていたが、NPB移籍を機に206cmに修正した[2]

詳細情報

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年度別投手成績

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W
H
I
P
2016 SD 1 0 0 0 0 0 0 0 0 ---- 9 2.0 3 0 1 0 0 1 0 0 1 1 4.50 2.00
2018 MIA 60 0 0 0 0 1 3 0 9 .250 268 58.0 64 8 30 1 3 68 8 0 40 35 5.43 1.62
2019 52 0 0 0 0 1 2 0 6 .333 216 46.0 42 7 36 0 6 43 9 0 34 32 6.26 1.70
2022 ロッテ 49 0 0 0 0 3 3 3 24 .500 194 46.0 34 2 20 1 5 63 3 0 19 18 3.52 1.17
MLB:3年 113 0 0 0 0 2 5 0 15 .286 493 106.0 109 15 67 1 9 111 17 0 75 68 5.77 1.66
NPB:1年 49 0 0 0 0 3 3 3 24 .500 194 46.0 34 2 20 1 5 63 3 0 19 18 3.52 1.17
  • 2022年度シーズン終了時

年度別守備成績

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投手(P)












2016 SD 1 0 0 0 0 ----
2018 MIA 60 2 6 0 0 1.000
2019 52 3 2 0 0 1.000
2022 ロッテ 49 1 2 0 0 1.000
MLB 113 5 8 0 0 1.000
NPB 49 1 2 0 0 1.000
  • 2022年度シーズン終了時

記録

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初記録

背番号

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  • 55(2016年)
  • 56(2018年 - 2019年)
  • 45(2022年[18]
  • 97(2025年[24] - )

登場曲

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代表歴

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脚注

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  1. ^ a b 【ロッテ】FA石川柊太獲得で投手陣テコ入れ 佐々木朗希、平沢大河ら移籍/入団&退団一覧」『日刊スポーツ』2025年1月27日。2025年2月1日閲覧
  2. ^ a b 【ロッテ】「ニックネームは巨人」新外国人右腕ゲレーロが身長訂正 203センチから206センチに」『スポーツ報知』2022年3月11日。2022年3月13日閲覧
  3. ^ 2014 Futures Game Roster”. MLB.com. 2014年12月30日閲覧。
  4. ^ Corey Brock (2014年11月21日). “Padres make Minors trade among roster moves”. MLB.com. 2014年12月30日閲覧。
  5. ^ Tayron Guerrero, a las Grandes Ligas” (Spanish). El Heraldo (2016年5月15日). 2016年5月30日閲覧。
  6. ^ Tayron Guerrero debutó en las Grandes Ligas” (Spanish). El Heraldo (2016年5月18日). 2016年5月30日閲覧。
  7. ^ マーリンズがA.キャッシュナーを獲得! パドレスと4対3の大型トレード”. iSM. Yahoo! JAPAN (2016年7月30日). 2016年8月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年8月1日閲覧。
  8. ^ a b c d e f MLB公式プロフィール参照。2024年1月13日閲覧。
  9. ^ Moncada, Rosario highlight loaded Futures Game rosters MLB.com (英語) (2017年6月29日) 2017年8月3日閲覧
  10. ^ a b Tayron Guerrero throws fastball 104 mph” (英語). MLB.com (2018年8月14日). 2018年12月9日閲覧。
  11. ^ Joe Frisaro (2019年12月2日). “Marlins claim Aguilar off waivers, deal for Villar” (英語). MLB.com. 2019年12月4日閲覧。
  12. ^ Scott Merkin (2019年12月6日). “White Sox claim Tayron Guerrero off waivers” (英語). MLB.com. 2019年12月7日閲覧。
  13. ^ Scott Merkin (2020年1月2日). “Robert, White Sox agree on 6-year deal” (英語). MLB.com. 2020年1月3日閲覧。
  14. ^ Mark Polishuk (2020年1月11日). “White Sox Outright Tayron Guerrero, Kodi Medeiros To Triple-A” (英語). MLB Trade Rumors. 2020年1月13日閲覧。
  15. ^ 2020 Minor League Baseball Season Shelved”. Minor League Baseball (2020年6月30日). 2020年7月1日閲覧。
  16. ^ ゲレーロ投手 入団について」『千葉ロッテマリーンズ公式サイト』2021年12月18日。2022年1月5日閲覧
  17. ^ 【ロッテ】新助っ人タイロン・ゲレーロが来日 身長203センチの大型右腕」『スポーツ報知』2022年3月11日。2022年3月13日閲覧
  18. ^ a b c ゲレーロ投手 入団会見」『千葉ロッテマリーンズ オフィシャルサイト』2022年3月12日。2022年3月14日閲覧
  19. ^ 【ロッテ】新外国人ゲレーロ公式戦初登板で161キロ 公式戦では球団史上最速」『日刊スポーツ』2022年3月25日。2022年3月25日閲覧
  20. ^ 【ロッテ】ゲレーロが危険球退場 163キロが紅林の頭部への死球に」『スポーツ報知』2022年7月9日。2022年7月10日閲覧
  21. ^ 2022年度 自由契約選手 公示」『NPB.jp 日本野球機構』2022年12月2日。2022年12月3日閲覧
  22. ^ Darragh McDonald (2023年12月18日). “Angels Reportedly Sign Tayron Guerrero To Minor League Deal”. MLB Trade Rumors. 2024年1月13日閲覧。
  23. ^ 【ロッテ】22年に在籍のゲレーロを再獲得 160キロ超え直球が武器「本当にエキサイト」」『日刊スポーツ』2024年12月3日。2025年1月10日閲覧
  24. ^ a b 背番号について」『千葉ロッテマリーンズ』2025年1月30日。2025年1月30日閲覧
  25. ^ ロッテ新外国人が入団会見 3年ぶり復帰のゲレーロ「105マイル出したい」」『スポーツニッポン』2025年1月31日。2025年2月1日閲覧
  26. ^ 2018年 アトランタ・ブレーブス戦で計測
  27. ^ 163キロ剛速球が頭部直撃 両軍ベンチ飛び出して一触即発…ゲレーロは危険球退場」『Full-Count』2022年7月9日。2022年7月19日閲覧

関連項目

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外部リンク

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