タアラブ
タアラブ、あるいはターアラブ (Taarab,Tarabu) は、ザンジバル(現在のタンザニア連合共和国)で生まれ、東アフリカスワヒリ文化圏一帯で流行する音楽のジャンルである。
Taarab | |
---|---|
様式的起源 | アラブ音楽、アフリカ音楽、インド音楽 |
文化的起源 | 19世紀末のザンジバル |
使用楽器 | ウード、ダルブッカ、カーヌーンあ、ハーモニアム、タブラー、大正琴[1] |
スワヒリ語の歌詞からなる歌はしばしば結婚式や祭礼などで歌われ、一般的にはダンスを伴わず専ら聴くことに専念する音楽である[2][3][1]。
歴史
編集ザンジバル・スルターン国のバルガッシュ・ビン・サイード(在位:1870年 - 1888年)は、エジプトのカイロから音楽家を招聘し、ザンジバル独自の楽団の育成を委ねた[4]。アラブ音楽の導入から生まれたタアラブはザンジバルの宮廷音楽となり、1905年にザンジバル初の楽団ナディ・アフワン・アル=サファーが誕生した[3]。
このようにして誕生したタアラブは、当初はアラブ系の男性が主導する宮廷音楽だったが、ザンジバル農村部出身の壺売りだった女性歌手シティ・ビンティ・サアド(1880年頃 - 1950年)の活動により、20世紀前半中に大衆音楽化し、東アフリカ沿岸のスワヒリ文化圏の人々に広く親しまれるようになった[5]。
主なミュージシャン
編集- シティ・ビンティ・サアド - ザンジバル出身
- アシャ・アブドゥ - ソマリア出身
- マウリド・モハメッド
脚注
編集参考文献
編集- 白石顕二『ポップ・アフリカ』(初版第一刷)勁草書房、東京〈KEISO BOOKS5〉、1989年11月25日。ISBN 4-326-09825-2。
- 富永智津子『ザンジバルの笛――東アフリカ・スワヒリ世界の歴史と文化』(初版第二刷)未来社、東京、2003年4月20日。ISBN 4-624-11181-8。
- ピーター・マニュエル 著、中村とうよう 訳『非西欧世界のポピュラー音楽』(初版第一刷)ミュージック・マガジン、東京、1992年6月30日。ISBN 4-943959-10-5。