ソングX
『ソングX』(Song X)は、パット・メセニーとオーネット・コールマンが1985年に録音し、1986年に連名で発表したスタジオ・アルバム。メセニーが新たに契約を得たゲフィン・レコードから発売された。オリジナル盤は8曲入りだが、レコーディングから20年後の2005年には、未発表曲6曲の後にアルバム本編を収録した20thアニバーサリーCDがノンサッチ・レコードから発売された[2]。
『ソングX』 | |||||
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パット・メセニー&オーネット・コールマン の スタジオ・アルバム | |||||
リリース | |||||
録音 | 1985年12月12日 - 14日 ニューヨーク ザ・パワー・ステーション[1] | ||||
ジャンル | フリー・ジャズ | ||||
時間 | |||||
レーベル |
ゲフィン・レコード ノンサッチ・レコード(20thアニバーサリー盤) | ||||
プロデュース | パット・メセニー | ||||
専門評論家によるレビュー | |||||
パット・メセニー アルバム 年表 | |||||
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オーネット・コールマン 年表 | |||||
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背景
編集メセニーは以前からオーネット・コールマンを敬愛しており、『ブライト・サイズ・ライフ』(1976年)や『80/81』(1980年)といったアルバムでコールマンの曲を取り上げてきた。また、『80/81』ではコールマンのグループで活動していたチャーリー・ヘイデンやデューイ・レッドマンを迎えており[3]、ヘイデンは本作にも参加している。
本作の制作に先立ち、メセニーはニューヨークでアパートを借りて、3週間半にわたり毎日7時間コールマンと共に演奏した[4]。レコーディングはザ・パワー・ステーションにおいてスタジオ・ライヴという形で行われ、3日間で終了した[1]。「モブ・ジョブ」は、コールマン率いるプライム・タイムが「ジョブ・モブ」というタイトルで録音した曲の再演である[3]。
反響・評価
編集アメリカでは『ビルボード』のジャズ・アルバム・チャートで9位を記録[5]。ジャズ雑誌『ダウン・ビート』の読者投票では、1986年の最優秀ジャズ・アルバムに選ばれた[6]。
Jon Parelesは1986年4月20日付の『ニューヨーク・タイムズ』紙において「コールマンが近年プライム・タイムと共に作ってきたアルバムほど複雑に縺れた作品ではなく、より直接的に豊かな旋律を押し出している」「メセニーのキャリアの中でも最も熱狂的な音楽」と評した[3]。また、ロバート・クリストガウは1986年9月2日付の『ヴィレッジ・ヴォイス』紙において本作を推薦盤の一つとして挙げ「私が1970年代初頭よりコールマンに注目するようになってから、彼が生み出した最も素晴らしい純正ジャズ・アルバム」「甘美なリリシズム、音速のコメディ、それに向こう見ずな創造性に満ちている」と評した[7]。
トラック・リスト
編集特記なき楽曲はオーネット・コールマン作曲。
# | タイトル | 時間 |
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1. | 「ソングX - Song X」 | |
2. | 「モブ・ジョブ - Mob Job」 | |
3. | 「エンデンジャード・スピーシーズEndangered Species」(Ornette Coleman, Pat Metheny) | |
4. | 「ヴィデオ・ゲームズ - Video Games」 | |
5. | 「キャサリン・グレイ - Kathelin Gray」(Coleman, Metheny) | |
6. | 「三角法 - Trigonometry」(Coleman, Metheny) | |
7. | 「ソングX・デュオ - Song X Duo」(Coleman, Metheny) | |
8. | 「ロング・タイム・ノー・シー - Long Time No See」 |
20thアニバーサリー盤
編集# | タイトル | 時間 |
---|---|---|
1. | 「ポリス・ピープル - Police People」 | |
2. | 「オール・オブ・アス - All of Us」 | |
3. | 「グッド・ライフ - The Good Life」 | |
4. | 「ワード・フロム・バード - Word from Bird」 | |
5. | 「コンピュート - Compute」 | |
6. | 「ザ・ヴェイル - The Veil」 | |
7. | 「ソングX - Song X」 | |
8. | 「モブ・ジョブ - Mob Job」 | |
9. | 「エンデンジャード・スピーシーズ - Endangered Species」(Coleman, Metheny) | |
10. | 「ヴィデオ・ゲームズ - Video Games」 | |
11. | 「キャサリン・グレイ - Kathelin Gray」(Coleman, Metheny) | |
12. | 「三角法 - Trigonometry」(Coleman, Metheny) | |
13. | 「ソングX・デュオ - Song X Duo」(Coleman, Metheny) | |
14. | 「ロング・タイム・ノー・シー - Long Time No See」 |
パーソネル
編集- パット・メセニー - ギター
- オーネット・コールマン - アルト・サクソフォーン、ヴァイオリン
- チャーリー・ヘイデン - アコースティック・ベース
- ジャック・ディジョネット - ドラムス
- デナード・コールマン - ドラムス、パーカッション
脚注
編集- ^ a b Pat Metheny / Ornette Coleman - Song X (Vinyl, LP, Album) at Discogs
- ^ Conrad, Thomas (2005年12月). “Jazz Reviews: Twentieth Anniversary Pat Metheny and Ornette Coleman - By Thomas Conrad - Jazz Articles”. 2015年4月25日閲覧。
- ^ a b c Pareles, Jon (1986年4月20日). “JAZZ'S ODD COUPLE JOIN FORCES TO MAKE SPLENDID MELODY”. New York Times. 2015年4月25日閲覧。
- ^ Pat Metheny Interview - hepcat
- ^ Song X - Pat Metheny, Ornette Coleman | Awards | AllMusic
- ^ 1986 - DownBeat Magazine
- ^ Christgau, Robert. “Robert Christgau: Consumer Guide Sept. 2, 1986”. 2015年4月25日閲覧。