セイヨウヒルガオ (学名: Convolvulus arvensis) は、ヨーロッパに生育するヒルガオ科つる植物。別名ヒメヒルガオ[1][2]。園芸植物としては、コンボルブルス・アルベンシスという学名で呼ばれることもある。日本では帰化植物の一つであるが、和名は栽培品種につけられたものである[2]

セイヨウヒルガオ
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: ナス目 Solanales
: ヒルガオ科 Convolvulaceae
: セイヨウヒルガオ属 Convolvulus
: セイヨウヒルガオ C. arvensis
学名
Convolvulus arvensis L. (1753)[1]
英名
field bindweed
Convolvulus arvensis

分布

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ヨーロッパを原産地とする[3]

南北アメリカオセアニアアジアアフリカに移入分布する[4]

特徴

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多年草[2]根茎が長く伸び、はつる状で他物に巻き付き、長さ50 - 150センチメートル (cm) くらいに成長する[2]はらせん状につき、糸状もしくは矢じり形で、長さは2 - 5 cm。基部は左右に裂片(耳)が張り出して矛形となる[2]葉柄は1 - 3 cm。

花期は夏[2]は花枝上に2 - 3個つき、花柄の基部に1対の小さい包葉が対生する[2]花冠はトランペット状(漏斗形)で上から見ると円形、直径は3 cmほど、色は白色または淡紅色で[2]、5つの少し濃いピンクの放射状の帯がある。雄蕊は5個、雌蕊は1個で、雌蕊の先は深く2裂する[2]萼片は5個で、卵円形で質がやや厚い[2]

以下の二つの亜種がある。

  • C. a. var. arvensis(葉が広い)
  • C. a. var. linearifolius(葉が狭い)

日本在来種のヒルガオCalystegia pubescens)やコヒルガオCalystegia hederacea)はやや花が大きく、2個の大きな包葉が2枚貝のように萼を下から被い、雌蕊の先が球を2分したかのような形なので区別がつく[2]。葉質はセイヨウヒルガオのほうがやや厚い[2]

外来種問題

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日本では観賞植物として導入されて、1940年代以降は全国に定着した[3]。戦後に急速に増えて、特に鉄道沿線の貨物列車が入る線に沿って広がりを見せ、各地で雑草となっている[2]

きれいな花を咲かせるが、成長が早く、栽培している植物を覆ってしまうため、庭ではしばしば雑草として迷惑がられる。また、農作物にも悪影響を与える[4]

外来生物法により要注意外来生物に指定されている[3]

脚注

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  1. ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Convolvulus arvensis L. セイヨウヒルガオ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 20214-08-30閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m 長田武正 1976, p. 153.
  3. ^ a b c 多紀保彦(監修)、財団法人自然環境研究センター(編著)『決定版 日本の外来生物』平凡社、2008年4月21日。ISBN 978-4-582-54241-7 
  4. ^ a b セイヨウヒルガオ 国立環境研究所 侵入生物DB

参考文献

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外部リンク

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