セイヨウイラクサ
セイヨウイラクサ(西洋刺草、英名: Nettle、学名: Urtica dioica)とは、イラクサ科イラクサ属の多年生植物、被子植物である。別名は、ネトルとも呼ばれる。ヨーロッパ原産[2]。
セイヨウイラクサ | |||||||||||||||||||||||||||
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セイヨウイラクサ
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分類(APG III) | |||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||
Urtica dioica L. (1753)[1] | |||||||||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||||||||
セイヨウイラクサ(西洋刺草) | |||||||||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||||||||
Nettle |
学名は、ラテン語で刺すという意味の Urtica と雌雄異株を意味するギリシア語が由来[3]。 6種の亜種が確認されている。日本では、1997年に岡山市で採取された標本をもとに、小畠裕子が和名をつけた帰化植物である[2]。中国名は、異株蕁麻[1]。
特徴
編集多年草で、草丈は30 - 150センチメートル (cm) ほどになる[2]。葉身は長さ3 - 12 cmで、葉柄は葉身の半分以下の長さである[2]。葉の両面には、軟毛と刺毛がある[2]。
ギ酸、ヒスタミン、セロトニン、アセチルコリンなどの毒がある刺毛があり、人間などが触ると皮膚炎(接触蕁麻疹)を起こす[4]。これらの毒は、熱を加えることで無毒化し、食用や抗炎症作用やリウマチ治療などの薬効があるハーブとして利用される[5]。そのほか、繊維から服や綱が作られ[6]、3日ほど水の中に放置した液体は殺虫剤・殺菌剤として利用された[7][8]。
ギャラリー
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ケンブリッジ大学植物園の標本
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若葉
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葉の拡大写真
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黄色の雄花
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紫色の雄花
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雌花
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刺毛
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果実
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花粉
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セイヨウイラクサによる皮膚炎
食品
編集葉や種子にはα-リノレン酸やリノール酸が含まれ、葉にはルテイン、β-カロテンなどが含まれる[9]。セイヨウイラクサを鶏の飼料とすると黄色を帯びた卵が得られる[10]。
出典
編集- ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Urtica dioica L. セイヨウイラクサ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2024年7月27日閲覧。
- ^ a b c d e 清水建美 編 2003, p. 43.
- ^ Gledhill, David (2008). "The Names of Plants". Cambridge University Press. ISBN 9780521866453 (hardback), ISBN 9780521685535 (paperback). pp 142, 395
- ^ Cummings, Alexander J.; Olsen, Michael (2011-06). “Mechanism of Action of Stinging Nettles” (英語). Wilderness & Environmental Medicine 22 (2): 136–139. doi:10.1016/j.wem.2011.01.001 .
- ^ “道端で見つけた「シソ」 調べてみたら…”. 毎日新聞「医療プレミア」. 2022年12月3日閲覧。
- ^ “Student shows off nettle knickers” (英語) (2004年7月1日). 2022年12月6日閲覧。
- ^ “もぐもぐスイス味 番外編 – 2 - モモヨ隊員と春の山菜 「イラクサ」を食べる”. SWI swissinfo.ch. 2022年12月4日閲覧。
- ^ “食品安全関係情報詳細”. www.fsc.go.jp. 2022年12月6日閲覧。
- ^ Guil-Guerrero, J. L.; Rebolloso-Fuentes, M. M.; Isasa, M. E. Torija (2003-04-01). “Fatty acids and carotenoids from Stinging Nettle (Urtica dioica L.)” (英語). Journal of Food Composition and Analysis 16 (2): 111–119. doi:10.1016/S0889-1575(02)00172-2. ISSN 0889-1575 .
- ^ Loetscher, Y.; Kreuzer, M.; Messikommer, R. E. (2013-12-13). “Utility of nettle (Urtica dioica) in layer diets as a natural yellow colorant for egg yolk” (英語). Animal Feed Science and Technology 186 (3): 158–168. doi:10.1016/j.anifeedsci.2013.10.006. ISSN 0377-8401 .
参考文献
編集- 清水建美 編『日本の帰化植物』平凡社、2003年3月25日。ISBN 4-582-53508-9。