スーパーラット(super rat)はクマネズミドブネズミの中で殺鼠剤などの毒物に対する耐性を持つネズミ[1][2]。日本では1984年(昭和60年)、日本放送協会(NHK)のテレビ番組『クローズアップ』にて取り上げられた際の呼称に基づく[3][4]イカリ消毒技術研究所所長の谷川力によるとこれはNHKのディレクターによって名付けられたとされる[5]

定義と変遷

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A. P. Meehanが著書Rats and Miceにて取り上げており、スーパーラットあるいはスーパーマウスという言葉について、殺鼠剤として利用されているワルファリンに抵抗力を持つネズミを指す用語として1950年代から用いられたことに触れている[5]

日本では1970年代から東京都の都心部でクマネズミによる獣害の被害報告が上がっており、1990年代からは住宅街でも被害が出るようになった[6]。NHKのディレクターがイカリ消毒への取材の中で、殺鼠剤を継続して与えても生き続けているクマネズミの存在を知り、元々企画していたレプトスピラ症の番組から切り替えた際に、視聴者にとって分かり易いように命名された[4]。2013年には(財)日本環境衛生センター「ねずみ駆除協議会」副会長の矢部辰男がスーパーラットを元の定義に加えて巨大ネズミを加えようとする動きがあることを指摘し、拡大解釈だと批判している[5]

脚注

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出典

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  1. ^ 「スーパーラット【super rat】」『デジタル大辞泉』2021年3月14日閲覧。
  2. ^ 「super rat」『ランダムハウス英和大辞典』2021年3月14日閲覧。
  3. ^ アペックス産業. “取材協力”. 2018年1月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年1月2日閲覧。
  4. ^ a b 田中和之, 常仁春成, 谷川力, 池中良徳, 石塚真由美「国内におけるワルファリン抵抗性ネズミの現況:いわゆるスーパーラットについて」『環境毒性学会誌』第12巻第2号、日本環境毒性学会、2009年、61-70(p.62)、doi:10.11403/jset.12.61ISSN 1344-0667NAID 130004542781 
  5. ^ a b c 矢部「拡大解釈された『スーパーラット』」『ねずみ情報』No.67、2013年6月15日。2020年11月4日のオリジナルよりアーカイブ。2020年11月4日閲覧。
  6. ^ 矢部辰男, 大友忠男, 原島利光, 重岡弘, 山口健次郎「神奈川県ペストコントロール協会による横浜市街のネズミ駆除」『ペストロジー』第27巻第1号、日本ペストロジー学会、2012年、7-11(p.7)、doi:10.24486/pestology.27.1_7ISSN 1880-3415NAID 110009444841